はじめて内部監査リーダーをすることになると、事前準備をしていても本番が近づくにつれ不安になるようです。
もちろん個人差はあるのですが、はじめてやることなので漠然とした不安であることがほとんどです。
そんな時に、内部監査リーダーを指名した内部監査責任者として、内部監査リーダーに話すことや接し方について説明します。
内部監査リーダーに指名する前にすること
内部監査員になるまでには、次のような段階を踏んでいきます。
- 内部監査についての基本的な知識
- 内部監査とはどんなものか知る(同席して雰囲気を知る)
- 内部監査のOJTとして内部監査リーダーに指示されたことをする
ここまでの様子と本人の意思を確認してから、
- 内部監査リーダーとして内部監査を担当する
段階に進みます。
はじめて内部監査リーダーを担当させる場合には、
- 前回(1年前)の内部監査の時に、次はリーダーを担当させる予定であることを予告
- 内部監査が近づくと(半年程度前)、本人の意思の確認
- 3か月前から内部監査準備開始
としています。
個人差はあるのですが、内部監査責任者として次のような配慮をしています。
- 当たってくだけろのような感じで本番に臨める人には、思わぬ失敗に備える(内部監査に同席する)。
- 本番になるまで不安を感じている人には、プレッシャーを与えない、実際にやることや今までのOJTの結果からできることを説明する(説明し過ぎないように聴く姿勢であることがポイントです)。
はじめての内部監査リーダーへの最後の説明
はじめてやることに不安を感じるのは当たり前のことなので、完全に不安を取り除くことは難しく、かといって突き放してしまうと「やっぱり、できません」となってしまいます。
そこで、不安を感じている内部監査リーダーには、内部監査でやることを次のような感じで説明しています。
漠然とした不安を感じている内部監査リーダー
漠然とした不安を感じている内部監査リーダーの場合、不安な理由を聞いても、聞き出そうとしても、不安を軽くしたり取り除いたりすることは難しいようです。
そこで、内部監査リーダーとして必ず確認することを、以下の3段階について説明するようにしています。
前回観察事項のフォローアップと部署概況
内部監査の最初に、前回の観察事項などのフォローアップ、部署の概況について確認します。具体的には、次のことを確認します。
- 前回のISO外部審査や内部監査観察事項等について、現在どうなっているか確認(聞く)
- この1年での大きな変化(社内外の環境の変化、担当業務など)、部署の人員(異動など)
品質目標と教育・訓練
続いて、今期の品質目標と実施状況などについて確認します。具体的には、品質目標の実施状況と教育・訓練について次のことを確認します。
- 品質目標の実施状況:品質目標の内容、評価方法、現在までの進捗
- 品質目標を達成するために必要や力量(力量マップなどによる評価)と必要な教育・訓練の計画、教育・訓練の実施状況(記録の確認)
部署の担当業務の実施状況
部署の担当業務(実務)の実施状況の確認をします。例えば、次のようなことです。
- 営業なら営業業務:引き合いから納品、アフターサポート
- 技術なら設計・開発、モノづくり
- 製造ならモノづくりの品質維持の取り組み
できそうならばチャレンジすること
最後に、できればやった方がいいけれど、はじめての内部監査リーダーには、難しいかもしれないので、できそうならチャレンジしてねといった感じで、以下のことを説明します。
- 困っていることや課題と思っていること
を聞いたり、
- 業務改善の参考になるようなことがないか
探します。
あたってくだけろタイプの内部監査リーダー
あたってくだけろタイプの内部監査リーダーの場合、
- 当日何が起きるか分からない、予想できない。
ものです。
そこで、「何かあったら自分(内部監査責任者)が内部監査をすればよい」と心に決め、準備だけはしておきます。
とある拠点での内部監査で現地に行くと、内部監査リーダーから、
「自分のPCに資料やチェックリストを準備していたのですが、当日パソコンのACアダプタを忘れました。どうしましょう・・・。」
と言われたことがあります。
代用できるACアダプタがないか探したのですが無かったため、準備していた紙のチェックリストを渡して内部監査に臨んだことがあります。
内部監査は無事終わりましたが、当人は準備してきたことがすべてムダになったことが残念だったようです。その後、ACアダプタを忘れることはなくなったようです。
自分で失敗すると、改善されるのでしょうね。
自分で失敗しないと他人事のままなのかもしれません。
まとめ
はじめて内部監査リーダーをすることになると、事前準備をしていても本番が近づくにつれ不安になるようです。
もちろん個人差はあるのですが、はじめてやることなので漠然とした不安であることがほとんどです。
そんな時に、内部監査リーダーを指名した内部監査責任者として、内部監査リーダーに話すことや接し方について、以下の項目で説明しました。
- 内部監査リーダーに指名する前にすること
- はじめての内部監査リーダーへの最後の説明
- 漠然とした不安を感じている内部監査リーダー
- 前回観察事項のフォローアップと部署概況
- 品質目標と教育・訓練
- 部署の担当業務の実施状況
- できそうならばチャレンジすること
- あたってくだけろタイプの内部監査リーダー
- 漠然とした不安を感じている内部監査リーダー