ここでの品質保証部門の役割分担とは、モノづくりをしている会社での製品品質を保証するうえで、本社と工場の品質保証部門との役割分担のことです。
ここでは、次のような場合にどのように進めるかについて説明します。
- 本社とは別の場所に工場が新設された。
- 当初は本社の品質保証部門が工場の品質保証部門をコントロールしていた。
- 工場の品質保証部門が独り立ちできるようになってきた。
- 本社と工場の品質保証部門との役割分担を見直すことになった。

品質保証は、品質保証部門だけでできるものではなく、検査をしているから品質保証しているともいえません。
変わらぬ検査を続けることは必要で重要なことですが、社内外の環境が大きく変化する時代なので、自社製品の品質保証について別の視点から見直してみると何か気づきがあるのではないでしょうか。
本社と工場の品質保証
とあるモノづくりの会社は、本社内に製造部門があり、自社製品の品質保証、すなわち、製品出荷の最終責任者は品質保証部長でした。
事業の成長に伴い、別の場所に工場を新設しましたが、品質保証は次のような方針で行っていました。
- 工場の品質保証部門で出荷前の検査を行う。
- 検査結果を本社の品質保証部長が確認し、製品の出荷を許可する。
新設した工場が立ち上がり製品品質が安定するまでは、本社の品質保証部の管理下で製品出荷を行うためにこの様な方針としていました。
やがて、工場で生産している製品品質が安定し、工場の品質保証部門の経験値もあがり、製品出荷の判断ができるようになりました。
そこで、会社の品質保証部門としての役割を、本社の品質保証部と工場の品質保証部門とで役割を分担することになりました。
品質保証部門の仕事
モノづくり会社の品質保証部門の仕事は、ほぼ検査というイメージが強いようですが、検査以外の仕事を思いつくまま列挙します。
- 製品の出荷前検査(自社製造品、製造委託品)
- 出荷品の検査成績書の作成
- ISO外部審査
- 立ち会い試験・検査
- 顧客品質監査の対応
- 協力会社等の品質監査の実施
- 協力会社製造品(部品等)の品質管理
本社と工場の品質保証部門の違い
ISO外部審査や品質監査などは、本社及び工場の品質保証部門とも対応する業務です。
本社の品質保証部門は、品質保証に関する会社としての対応に関する業務が主です。
工場の品質保証部門は、工場で生産している製品品質に関する業務が主であり、製品の出荷前検査が主たる業務といってよいと思います。
したがって、工場で生産している製品については、工場の品質保証部門で製品検査を行い、出荷を承認し出荷することが、自ら生産した製品に関する責任という意味でも自然な考えになります。
工場の品質保証部門の実力が製品の品質保証のために不足している場合には、本社の品質保証部門が製品出荷の責任を負う体制も理解はできます。
しかし、本社の品質保証部門には、会社全体の品質保証をどうしていくかという役割もありますので、本社と工場の品質保証部門の役割分担は必要なことです。
本社と工場の品質保証部門の役割分担
本社と工場の品質保証部門の役割分担の一例を説明します。
本社の品質保証部門は、主として次のことを担当します。
- 製品不具合、クレーム対応
- 立会試験・検査
- 協力会社の品質監査
工場の品質保証部門は、主として次のことを担当します。
- 工場生産品の品質管理(購買品や製造委託品の受入検査、生産品の最終検査)
- 工場の不適合品の管理(自社工程)
- 工場で使用する部品(製造委託品含む)の品質管理
この様に役割分担をすることで、本社と工場の品質保証部門との役割が明確になると共に、継続的改善をすすめ顧客満足を高める品質マネジメントを実現していくことにつながると考えています。
まとめ
ここまで、モノづくりをしている会社の製品品質を保証をするうえで、本社と工場の品質保証部門との役割分担について説明してきました。
新設した工場の製品品質が安定し、工場の品質保証部門により製品品質を保証できるようになると、本社と工場の製品品質を保証するための役割分担を考え、見直すことができるようになります。
会社全体としての品質保証をレベルアップする段階に成長したともいえます。
ここでは、モノづくり会社の本社と工場の品質保証部門の役割について、以下の項目で説明しました。
- 本社と工場の品質保証
- 品質保証部門の仕事
- 本社と工場の品質保証部門の違い
- 本社と工場の品質保証部門の役割分担

品質保証は、品質保証部門だけでできるものではなく、検査をしているから品質保証しているともいえません。
変わらぬ検査を続けることは必要で重要なことですが、社内外の環境が大きく変化する時代なので、自社製品の品質保証について別の視点から見直してみると何か気づきがあるのではないでしょうか。
