上場会社でなくても、会社の規模が小さくても、会社ならば組織規程や職務・権限規程があって当たり前だと思っていましたが、そうでない会社もあります。
また、組織規程や職務権限・規程をつくったものの、その後の組織変更などにより規程改訂が必要になっても放置されてしまい、規程に定められている組織と現組織が違ったり、新設された職務について記載されていないといった場合もあります。
そこで、組織規程や職務権限・規程の運用を改善するのではなく、ひとまず会社のISO組織・職務規定を作りはじめました。
ここでは、ISO9001の品質マネジメントシステムに関する組織や職務・権限の規定をどの様につくるか説明します。
会社のルール(規程)とISO規定類
会社のルール(規程)には、就業規則や労働安全・衛星に関する規程、個人情報などの情報セキュリティに関する規程などがあります。
内部監査などで気づくのですが、
- 会社のルールと品質マニュアルとISO規定類によるルールは、別のルールである。
と思っている方がいます。
このような場合には、次のことを説明をしています。
- ISO9001による品質マネジメントシステムの品質は、モノの品質ではなく経営品質
- 品質マネジメントシステムというのは、会社全体の仕事の流れそのもの
- ISOのルール(品質マニュアル等)は、会社のルールとほぼ同じ
- ISO9001の独自の要求は、マネジメントレビューと内部監査
- マネジメントレビューは、いわゆる経営判断であり、社長がやっていることなので、ISO9001の認証に必要な新たな活動は内部監査
つまり、
- ISO9001が求めることは、部署がやっていることをISO9001の要求事項に当てはめればよいので、何か特別なことをしたり、記録を残したりすることではない。
ということです。
企業理念とISO9001との関係
企業理念があるということは、このような会社になりたいというあるべき姿、会社として進みたい方向が示され、どの様に取り組んでいくかが示されているということです。
例えば、
- 「災害に強い社会をつくる」というビジョン(作りたい世界・未来)を掲げ、
- 「災害に備えたライフラインを支えるモノづくり」をミッション(使命・存在意義)
と定め、次のような行動指針を定めたとします。
- (できない理由を探すのではなく)自ら行動しよう
- 様々な人(お客様、利害関係者、社員)の話を聴こう
- 広い視野で学ぼう
企業理念を実現するため、
- ISO9001に準拠した品質保証体制を確立し、品質マネジメントシステムの継続的な改善活動を全社員で実行する。
ことを品質マニュアルに定めているわけです。
品質マニュアルには、組織図やプロセスを明確にした品質マネジメントシステム体系図を定めますが、プロセスが職務内容であり、プロセスの責任者が職務・権限により決められている必要があります。
ISO組織・職務規定の構成(1例)
品質マニュアルに定めた組織図と品質マネジメントシステム体系図に関する、組織や職務の規定の構成の一例を以下に示します。
組織図がある会社にとっては、当たり前のことですが、組織図がない会社では、これらを明確にしているかいないかは(文書化されているかいないか)では大きな違いがあります。

組織図のない会社では、組織図がなくて当たり前なので、組織図がないことに疑問をもちませんし、組織図が必要だと考えることもないようです。

組織図のある会社から組織図のない会社に入社すると、何をどの部署がやっているのか分からず、設計ならAさんといった感じで個人ベースで仕事をして、社内状況を探りながら自分なりの仕事の進め方を学んでいくことが必要になります。
ISO組織・職務規定の構成例
1 目的
2 適用範囲
2.1 適用範囲
2.2 用語の補足説明
3 企業理念
4 品質マネジメントシステムと品質保証
4.1 品質保証体制の確立
4.2 品質方針と全社品質目標
4.3 部署品質目標と品質目標実施計画
4.4 組織図とQMS体系図
4.5 品質マネジメントシステムによる効果
5 ISO組織と業務内容
5.1 組織図
5.2 組織単位
5.3 職位
5.4 業務内容
ISO組織・職務規定の補足
職務は、組織図の各部署の他、以下も含めます。
品質保証に関する職務
ISO管理責任者
ISO事務局
ISO組織・職務規定の補足説明として、追加した方がよいと考えることを以下に列挙します。
責任と権限
権限の原則について
責任と権限の委譲
各組織の責任と権限
品質管理と品質保証
品質管理(QC)
品質保証(QA)

品質管理(QC)と品質保証(QA)については、具体的な取り組みについての説明が必要だと考えています。
まとめ
組織規程や職務・権限規程はあるけれど、組織や職務の変更に伴う改訂まで手が回らず、結果的に組織図がない場合、ISOに関する組織や職務・権限を定めたISO職務・権限規定をつくり対応することができます。
実組織や実務の変更に伴い、ISO規定類を改訂しますが、組織や職務・権限についても同様に対応するということです。
ここでは、ISO職務・権限規定について、以下の項目で説明しました。
- 会社のルール(規程)とISO規定類
- 企業理念とISO9001との関係
- ISO組織・職務規定の構成(1例)
- ISO組織・職務規定の構成例
- ISO組織・職務規定の補足
