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QMSと設計・開発:理解したいデザインレビューの必要性を振り返る

レビューの活用

ISO9001のレビューは、次の3つです。

  • DR(設計審査)
  • レビュー(検証)
  • 妥当性確認

レビューをどの様に行うかは、会社や対象製品などにより様々ですが、実現可能な企画であるかや品質・納期を守るためには、デザインレビューが必要です。

ここでは、経験の浅い設計担当者を想定して、デザインレビューの必要性について説明します。

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ISO9000シリーズのデザインレビュー

デザインレビュー(DR:Design Review)は、ISO9000シリーズの設計・開発の重要なポイントの1つです。

技術部門の内部監査において、実際に設計・開発の仕事でレビューをやっているにもかかわらず、具体的にレビューで何をしているのか聞いてみると、次のような感じで逆に質問されてしまうことも少なくありませんでした。

はかせ
はかせ

デザインレビューでどの様なことをしているのか教えてください。

「デザインレビュー(DR)とは、何ですか?」

はかせ
はかせ

デザインレビューとは設計審査の事で、図面や仕様書などを技術部以外の人も含めて確認することです。

そもそも、設計審査って何だろう?

商品開発に関する会議のことかな・・・。

はかせ
はかせ

・・・。

他にも、

  • 「デザインレビューとは、設計審査のことです。」
  • 「技術部以外の人も出席して行う会議です。」

等々、分かったような、分からないような返答となることもあります。

中には、設計のレビューをしているのに、それがDRだとは知らないでやっている場合もあります。

また、

  • 「設計・開発ではDRをやるものだ」とは理解しているが、「何のためにDRをするのか」については考えたこともない。

ようこともあり、レビューという言葉の意味、レビューとは何をすることなのかが、あいまいなままなのではないかと思うことが多いです。

製品不具合やトラブルで問題が起きる時には、DRとまでは言わないけれど、「レビューぐらいして欲しい。」、「レビューしてれば防げたのにな。」と思うことも少なくありません。

少々、教科書的な内容となりますが、ISO9000のデザインレビューについて説明します。

デザインレビュー(設計審査)とは

デザインレビューとは、

  • JISやISO9000シリーズにおいて定義されている設計審査

のことです。

デザインレビューでは、

  • 開発計画、図面や仕様書などの成果物を、技術部以外の複数の人が確認する機会(会議)

のことです。

デザインレビューの目的

デザインレビューの目的は、

  • 設計・開発の各プロセスにおけるアウトプット(成果物)について、開発者(担当者や技術部)の視点だけでは見落としてしまう(見逃してしまう)様な内容を含めて精査し、品質をより確かなものにする。

ことです。

このため、開発者以外の営業、購買(調達)、製造などの関係者を含めてレビューします。

また、デザインレビューにおいて成果物について指摘し合う、様々内意見交換をすることにより、進捗状況や課題などの情報共有にも有効です。

はかせ
はかせ

モノづくりは複数の部署や関係者により行われます。

技術部門が主となり設計・開発した成果物(図面や仕様、試作品など)について、技術部門以外の関係者の目でレビューすることが重要です。

デザインレビューが必要な理由

デザインレビューが必要な理由について説明します。

製品の設計・開発において、品質と納期は当たり前だと思われていますが、これらに加えてコスト面からもデザインレビューは不可欠です。

企画を実現可能なコストを決めるため

製品の設計・開発において、特に企画段階では、「何でもできる新製品で、コストもリーズナブル」といったイメージで、「製品化すれば売れるから早く作って欲しい」と熱く語られることもあります。

しかし、製品はリアルなモノであり、製品を買うか否かを決めるのはお客様です。

また、製造コストを決めるのは設計なので、設計においてコストを検討することは、その製品がビジネスとして成立するかどうかを左右する重要なポイントでもあります。

品質を確保し、納期を守るためのデザインレビューの効果について説明します。

品質を確保するため

デザインレビューにより得られる成果(効果)は様々ですが、中でも品質の確保がポイントになります。

品質の確保が重要なのは、現在の顧客ニーズは多様化し、従来よりも高度な製品を求められるようになってきているためです。

製品化した後の品質問題は、経営にも大きな影響を与えることは、昨今のニュースなどからも明らかです。

製品開発を効率的かつ効果的に進めるためには、様々な切り口や視点から、評価や改善を事前に行うデザインレビューが必要であり、これにより品質を確保することができます。

納期を守るため

今の時代、品質は当たり前の要求であり、いかに納期を守るかが重要になってきています。

新製品開発であれば、受注開始日、販売開始日は、経営的にも重要な納期です。

このため、納期管理は、リスク管理の主要なポイントの1つと考えています。

製品の開発には大小の様々なトラブルがつきものですし、トラブルが起きてから対応(対処)するのでは、開発期間は伸びるだけで納期を守れないのは明らかです。

デザインレビューにより、各部署の担当者が様々な視点で評価することにより、トラブル発生を事前に予想し手を打つことができるようになります。

この結果、開発から販売に至る各プロセスの納期遅れを事前に防ぐことにつながります。

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まとめ

ISO9001のレビューは、DR(設計審査)、レビュー(検証)、及び、妥当性確認の3つのレビューがあります。

レビューをどの様に行うかは、会社や対象製品などにより様々ですが、実現可能な企画であるかや品質・納期を守るためには、デザインレビューが必要です。

ここでは、経験の浅い設計担当者を想定して、デザインレビューの必要性について、以下の項目で説明しました。

  • ISO9000シリーズのデザインレビュー
    • デザインレビュー(設計審査)とは
    • デザインレビューの目的
  • デザインレビューが必要な理由
    • 企画を実現可能なコストを決めるため
    • 品質を確保するため
    • 納期を守るため
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