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ミスを減らす:1人ではできない仕事こそ「段取り八部」を意識する

ミスを減らす取り組み

日頃、他人の仕事ぶりは気にしないのですが、提出期限や納期直前になってバタバタしている人がいると、「どうしてそうなるのかな?」と思うことがあります。

ある仕事が期限間近になって急に間に合わないとあわてている場合、その仕事を指示した人は、仕事の進み具合は確認していないのでしょうか?

また、仕事に変更はあるものだと思っていますが、変更を管理できないと思わぬミスにつながることも少なくありません。

ここでは、1人ではできない仕事こそ段取り八部、仕事二部が必要なことと変更について説明します。

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余裕があったのに期限を守れないのはなぜ

とある会社で、

  • 試験グループ長が、メンバーのAさんに製品試験を指示しました。
  • グループ長は、十分な時間的余裕を見込んで指示したはずなのに、なぜか、試験報告書の期限直前になってからあわてはじめ、結局提出期限を延ばすことになった。

そうです。

グループ長の話では、

  • 製品試験そのものは、いつもやっている試験と同様の試験内容
  • Aさん自ら予定を組んで製品試験をできるようになって欲しいので、任せた(最後は何とかするつもりで、見守ることにした)。

ということなので、製品試験担当者のスケジュール(時間管理)に問題があるようです。

なお、予想外のことが発生したため、製品試験が予定通り進められない場合もあります。この場合、予想外のことが発生した段階で、依頼者に説明なり報告をしますので、スケジュール(時間)管理に問題があるわけではありません。

期限に間に合わなくなった理由

Aさんの話を整理してみると、製品試験を行うため次のようなことを考えたそうです。

  • 製品試験を手伝ってくれる人が必要なことは分かっていた。
  • 手伝ってくれる人は、準備や試験をする時に、職場のいる誰かに声をかければよい。
  • 製品試験の準備と実施日時は、自分のスケジュールのみ考慮して決めた。

しかし、予定したスケジュールに従い、製品試験の準備をしようとすると、

  • 試験準備を予定した時間に手伝ってくれる人がいない。
  • 準備できないので、延期する。これが繰り返され、スケジュール的に間に合わなくなっていった。

とのことでした。

つまり、

  • 1人ではできない製品試験の準備・実施なのに、手伝ってくれる人の予定を確認(明確に)せず、当日いる人にお願いするというスケジュールを立てた。
  • 当日手伝ってくれる人がいなかったので、期限に間に合わなかった。

ということです。

期限に間に合わなくなる原因を振り返る

期限に間に合わなくなる原因を明確にするため、自分ならどうするか考えながら、時系列で経過を追ってみます。

製品試験の指示を受ける

製品試験の指示を受けたAさんは、試験内容、期限について、製品試験の依頼者と試験内容や日程について調整し、合意しました。

  • 試験対象品は、すでに準備されていました。
  • 製品試験そのものは、いつもやっている試験と同様の内容でした。(特別な準備や試験時の考慮事項などはないという意味です。)
はかせ
はかせ

Aさんとしては、「試験はできるし、手伝ってもらうことはあるが何とかなるだろう。」という感じだったようです。

製品試験の準備

製品試験には、次のことが必要です。

  • 試験設備(ジグ等含む)の確保
  • 試験担当者(試験報告書作成を含む)

しかし、ここに時間的な余裕を失う原因が隠れていました。

  • 試験対象品は、Aさんが保管している。
  • 試験の内容は、Aさんの頭の中だけにある。

つまり、

  • 試験実施者側で詳細を知っているのはAさんのみ

ということです。

Aさんとしては、

  • 試験対象品に変更があるかもしれない。
  • 試験内容に変更があるかもしれない。

ということでで、決まったことだけ指示すればよいと考えていたようです。

はかせ
はかせ

幹部候補生の教育をする学校で、「2人いたら、1人は指揮官」と指導を受け、指揮官としてのイメージを新たにしたことを思い出します。

製品試験の実施

製品試験を実施することになりましたが、試験の詳細(具体的な内容)については、Aさんしか知りません。

しかし、実際の試験は1人ではできないので、試験当日その場での口頭指示となります。

現場での口頭指示だけでうまくいけばよいのですが、試験の準備や実施が受分できていない場合には、非常に困ったことになります。

「Aさんしか試験の詳細を知らない」ということは、「Aさん以外何をするのか(試験の詳細)を知らない」ということです。

知らないということは、

  • 試験準備を手伝いたくても、何をすればよいか分かりません。
  • 試験中、試験結果についても、何の試験か分からないので、見ていることしかできません。

結果的に、

  • Aさんが1人で考え、手を動かすことになります。
  • Aさんは混乱していましたが、現場は見ていることしかできませんでした。

変更についての考え方:変更はあると考える

製品試験に限った話ではありませんが、計画して何かをする場合、大なり小なり変更はあるものです。

変更について、私は次のように考えています。

変更はある(前提条件の1つ)

変更に対応するためには

製品試験で変更が出てくることはある程度はやむを得ないことであり、

前提:「変更があることは、受け入れるべきリスクの1つ」

と考えています。

逆に、

リスク:「変更があるかもしれないから、決定事項のみ伝える」

と考える人もいます。

この考え方をすると、変更による混乱を防ぐことはできます。

しかし、上述の製品試験の例では、Aさんしか試験の詳細を知らなかったことが、製品試験そのものに大きな影響を与えることになってしまいました。

変更に対応できる準備も対応方法の1つ

Aさんとしては、変更があっても対応できるように準備を進める選択肢もあったわけです。

例えば、現在の製品試験はこの内容ですが、一部変更が入るかもしれないと伝える方法もあります。

1人ではできないことをするには、

事前準備や事前指示が重要

です。

仕事の準備や段取りが重要なことを示す言葉に、

「段取り八分、仕事二分」

があります。

事前に段取り(準備)をすることで、仕事の八割は終わっているという意味合いです。

1人でできないことをする場合には、「自分で何とかする」のは、最後の手段としてとっておく(保険にする)くらいでちょうどよいのではないでしょうか。

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まとめ

他人の仕事ぶりは気にしないのですが、提出期限や納期直前になってバタバタしている人がいると、「どうしてそうなるのかな?」と思うことがあります。

また、仕事に変更はあるものだと思っていますが、変更を管理できないと思わぬミスにつながることも少なくありません。

ここでは、1人ではできない仕事こそ、段取り八部、仕事二部が必要なことと変更について、以下の項目で説明しました。

  • 余裕があったのに期限を守れないのはなぜ
    • 期限に間に合わなくなった理由
  • 期限に間に合わなくなる原因を振り返る
    • 製品試験の指示を受ける
    • 製品試験の準備
    • 製品試験の実施
  • 変更についての考え方:変更はあると考える
    • 変更に対応するためには
    • 変更に対応できる準備も対応方法の1つ
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