品質マニュアルと環境マニュアルを比べてみる

ISO9001(品質)とISO14001(環境)の2つのマネジメントシステムを運用する場合の事前検討として、まずは、品質マニュアルと環境マニュアルの章立て(要求事項)について比べてみました。

なお、ISOマネジメント規格の整合性を図る資料の1つにISO規格作成者向けのですが「付属書」というものがあり、共通テキストについても記載されています。

詳しくは、以下の記事をご参照ください。

ISO9001やISO14001等の整合化ルール「附属書:共通テキスト」について
ISO9001(品質)、ISO14001(環境)やISO/IEC27001(情報セキュリティ)等のISOマネジメント規格の整合化(文章構造や用語の定義等)を図るために作られた付属書の共通テキストと、要求事項の比較例等についてまとめています。
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「品質マニュアル」と「環境マニュアル」の要求事項の比較

「品質マニュアル」と「環境マニュアル」の章立てを各章ごと比較します。

「品質マニュアル」の目次についての補足
  • 品質マニュアルの4項以降は、要求事項の項番4~10に合わせています。
  • ISO9001:2015の要求事項の項目名の( )内は補足説明です。
「ISO14001:2015の要求事項」についての補足
  • 項番1~3は、品質マニュアルに合わせて記述します。
  • 4項以降は、ISO14001:2015の要求事項の項目名です。

「品質マニュアル」と「環境マニュアル」の1~3項

「環境マニュアル」は、「品質マニュアル」に合わせて、環境マネジメントシステムに必要な内容を追加します。

章立てとしては同じですが、内容については品質マネジメントと環境マネジメントで共通の内容もあれば、それぞれのマネジメントシステムで違う内容もあります。

品質マニュアル環境マニュアル

1.総則

1.1 目的(ビジョン)

1.2 適用範囲

2.適用規格

3.用語の定義

参考:品質マネジメント用語の補足説明

1.総則

1.1 目的(ビジョン)

1.2 適用範囲

2.適用規格

3.用語の定義

参考:環境マネジメント用語の補足説明

「品質マニュアル」と「環境マニュアル」の4、5項

4~5項では、マニュアルに記述される内容に違いが出てきます。

章立てとしては同じですが、内容については品質マネジメントと環境マネジメントで共通の内容もあれば、それぞれのマネジメントシステムで違う内容もあります。

品質マニュアル環境マニュアル

4.組織の状況(当社全体に関すること)

4.1 組織及びその状況の理解(会社を取り巻く状況)

4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解(利害関係者から求められていること)

4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定(QMSで管理する事業の範囲)

4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス(QMSの概要)

    • 品質マネジメントシステム体系図(組織図)
    • 機能別品質マネジメントシステム体系図(機能組織)

4.組織の状況

4.1 組織及びその状況の理解

4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解

4.3 環境マネジメントシステムの適用範囲の決定

4.4 環境マネジメントシステム

5.リーダーシップ

5.1 リーダーシップ及びコミットメント(社長の役割)

5.2 方針(品質方針の決定と周知)

5.3 組織の役割、責任及び権限(社長の役割・責任・権限、管理責任者の責任・権限)

    • 表1 主要業務の責任と権限
    • 組織図

5.リーダーシップ

5.1 リーダーシップ及びコミットメント

5.2 環境方針

5.3 組織の役割,責任及び権限

「品質マニュアル」と「環境マニュアル」の6項

「環境マニュアル」には、項目として「環境側面」や「順守義務」といった独自の用語があります。

ISO14001:2015では、変更の計画がありません。

品質マニュアル環境マニュアル

6.計画(事業計画)

6.1 リスク及び機会への取組み(リスクを洗い出し、備え、機会(チャンス)を活かす取組み)

6.1.1 リスク及び機会の決定(リスクや機会(チャンス)を洗いだす)

6.1.2 リスク及び機会の計画(リスクへの対策と機会(チャンス)を活かす行動計画)

6.2 品質目標及びそれを達成するための計画策定(品質目標とその活動計画)

6.2.1 品質目標の確立(品質目標を決定すること)

6.2.2 品質目標の計画(品質目標を達成するための計画を作ること)

6.3 変更の計画(品質マネジメントシステムの変更に関する計画)

6.計画

6.1 リスク及び機会への取組み

6.1.1 一般

6.1.2 環境側面

6.1.3 順守義務

6.1.4 取組みの計画策定

6.2 環境目標及びそれを達成するための計画策定

6.2.1 環境目標

6.2.2 環境目標を達成するための取組みの計画策定

「品質マニュアル」と「環境マニュアル」の7項

章立てとしては同じですが、内容については品質マネジメントと環境マネジメントで共通の内容もあれば、それぞれのマネジメントシステムで違う内容もあります。

品質マニュアル環境マニュアル

7.支援(品質目標達成のためのサポート)

7.1 資源(要員(社員)・建物・設備)

7.2 力量(要員の力量)

7.3 認識(要員の認識)

7.4 コミュニケーション(情報の意志疎通)

※内部コミュニケーションと外部コミュニケショーンについては、章立てはしていません。

7.5 文書化した情報(文書・記録)

7.5.1 一般(必要な文書・記録)

7.5.2 作成及び更新(文書・記録の作成と改定)

7.5.3 文書化した情報の管理(文書・記録の管理)

7.支援

7.1 資源

7.2 力量

7.3 認識

7.4 コミュニケーション

7.4.1 一般

7.4.2 内部コミュニケーション

7.4.3 外部コミュニケーション

7.5 文書化した情報

7.5.1 一般

7.5.2 作成及び更新

7.5.3 文書化した情報の管理

「品質マニュアル」と「環境マニュアル」の8項

「8.運用」については、章立てが大きく異なります。

ISO9001の「8.運用」の部分は、品質マネジメントシステムの中でも特に優れた部分と言われていますので、その分詳しく記述されていると考えています。

品質マニュアル環境マニュアル

8.運用(行動、日々の業務)

8.1 運用の計画及び管理(運用ルールを決める)

8.2 製品及びサービスに関する要求事項(受注・契約)

8.3 製品及びサービスの設計開発(製品の設計開発)

8.4 外部から提供されるプロセス、製品及びサービスの管理(外注・購買、調達、物流サービス)

8.5 製造及びサービス提供(製造工程、サービス提供)

8.6 製品及びサービスのリリース(製品の検査、出荷許可)

8.7 不適合なアウトプットの管理(不適合品の管理)

8.運用

8.1 運用の計画及び管理

8.2 緊急事態への準備及び対応

「品質マニュアル」と「環境マニュアル」の9項

「環境マニュアル」には、6項にあった「順守義務」に対応する形で「順守評価」といった独自の用語があります。

品質マニュアル環境マニュアル

9.パフォーマンス評価(結果の評価)

9.1 監視、測定、分析及び評価(業務の確認、分析と評価)

9.1.1 一般(確認・分析・評価の方法)

9.1.2 顧客満足(顧客の見解)

9.1.3 分析及び評価(分析と評価)

9.2 内部監査

9.2.1 内部監査の目的

9.2.2 内部監査の実施

9.3 マネジメントレビュー

9.パフォーマンス評価

9.1 監視,測定,分析及び評価

9.1.1 一般

9.1.2 順守評価

9.2 内部監査

9.2.1 一般

9.2.2 内部監査プログラム

9.3 マネジメントレビュー

「品質マニュアル」と「環境マニュアル」の10項

章立てとしては同じですが、内容については品質マネジメントと環境マネジメントで共通の内容もあれば、それぞれのマネジメントシステムで違う内容もあります。

品質マニュアル環境マニュアル

10.改善(業務の改善)

10.1 一般(改善の目的)

10.2 不適合及び是正処置(不適合の処理と再発防止対策)

10.3 継続的改善(継続的な改善活動)

10.改善

10.1 一般

10.2 不適合及び是正処置

10.3 継続的改善

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ISO14001:2015の「附属書 A(参考)この規格の利用の手引」について

ISO/IEC17001:2013でも同様なのですが、ISO14001には「附属書 A(参考)この規格の利用の手引」として要求事項に関しより詳しい説明があります。

はかせ
はかせ

ISO9001の理解を助けるための補足説明のようなものと考えています。

以下に「附属書 A(参考)この規格の利用の手引」の項目を列挙します。

A.1 一般

A.2 構造及び用語の明確化

A.3 概念の明確化

A.4 組織の状況

A.4.1 組織及びその状況の理解

A.4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解

A.4.4 環境マネジメントシステム

A.5 リーダーシップ

A.5.1 リーダーシップ及びコミットメント

A.5.2 環境方針

A.5.3 組織の役割,責任及び権限

A.6 計画

A.6.1 リスク及び機会への取組み

A.6.1.2 環境側面

A.6.2 環境目標及びそれを達成するための計画策定

A.7 支援

A.7.1 資源

A.7.2 力量

A.7.3 認識

A.7.4 コミュニケーション

A.7.5 文書化した情報

A.8 運用

A.8.1 運用の計画及び管理

A.8.2 緊急事態への準備及び対応

A.9 パフォーマンス評価

A.9.1 監視,測定,分析及び評価

A.9.2 内部監査

A.9.3 マネジメントレビュー

A.10 改善

A.10.1 一般

A.10.2 不適合及び是正処置

A.10.3 継続的改善

まとめ

ここでは、ISO9001(品質)とISO14001(環境)の両方を運用する場合の事前検討として、まずは、品質マニュアルと環境マニュアルの章立て(要求事項)について比べると共に、付属書Lの共通テキストと同じ部分と違う分とを、以下の項目で説明しました。

  • 「品質マニュアル」と「環境マニュアル」の要求事項の比較
  • ISO14001:2015の「附属書 A(参考)この規格の利用の手引」について
はかせ

ISOを学ぶきっかけは、知り合いの社長さんからのISO認証取得の相談からでした。
品質マネジメントは、会社をよくするツールであり、チームやプロジェクトにも使えるよくできた仕組みです。

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ビジョンで回す博士の品質マネジメント
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