経営コンサルに必要な経営の知識は何だろうと疑問に思い、社長(経営者)として人の上に立つためにある程度知らなければいけないことを学ぶ必要があると考えました。
中小企業診断士の勉強をすれば必要な知識、自分の実力が分かるのではないかとの自問自答の結果、以下の中小企業診断士の試験用テキストを使って勉強をしています。
個々での勉強は、「自分の知っていることと知らないことを知る」という意味合いです。
ここでは、中小企業診断士の試験範囲と経営に必要な以下の5分野のうち、「財務・会計」についてまとめています。
- 総論~戦略論
- 組織・人事
- マーケティング・流通
- 生産・技術
- 財務・会計
財務・会計の分野について
財務・会計のキーワードと言えば、
- 制度会計と管理会計
- 財務諸表3点セット
- 利益と原価
などが思い浮かびます。
まず、制度会計と管理会計、財務諸表について説明します。
制度会計と管理会計とは
制度会計と管理会計、いずれも経営者として必要な知識です。
- 制度会計とは、法律(会社法等)に基づく会計で、利害関係者に報告するために使われます。
- 管理会計とは、会社内で使われる会計のことで、経営の予実管理や意思決定に使われます。
時間的な見方をすると、次の様になります。
- 制度会計は過去(実績、結果)についての会計
- 管理会計は、今現在から将来についての会計
経営者に会社の財務や経理担当ができる力量が必要なわけではありません。
制度会計や管理会計の情報(データ)を、経営の指標として継続的に観察し、必要に応じ判断することが経営者(社長)には必要と考えています。
財務諸表3点セットとは
財務諸表の3点セットとは、次の3つのことです。
- 貸借対照表(B/S)
- 損益計算書(P/L)
- キャッシュフロー計算書(C/F)
3つのうち、どれが一番重要といったものではなく、会社の決算書類のことです。
財務諸表を使うことで、企業の経営状態を、客観的な数値で分析することができます。
財務諸表で何が分かるかは、下表の通りです。
貸借対照表(B/S) | 損益計算書(P/L) | キャッシュフロー計算書(C/F) | |
---|---|---|---|
何のために作るか | 資産、負債、純資産を管理するため | 収益と費用を管理するため | キャッシュの出入りを管理するため |
何を表しているか | [純資産]=[資産]-[負債] | [利益]=[収益]-[費用] | [期末のキャッシュ残高]=[期首のキャッシュ残高]-[期中のキャッシュ残高] |
何が分かるか | 財政状態(会社の財産の状況) | 経営の成績(会社の損益) | キャッシュのフロー(流れ、出入り) |
利益と原価
利益は、一般に次式で表されます。
[利益]=[販売価格]-[製造原価]-[販管費]
もう少し具体的に表すと、製造業(モノづくり)の場合には、
[粗利]=[販売価格]-「製造原価」
となり、見積書の金額は、
[見積金額]=[製造原価]+[販管費]+[利益]
となります。
利益と原価については、以下の本が分かりやすかったので紹介します。
以下の点は当たり前のことではありますが、実務や現場に徹底しようとすると意外に難しいのではないかと。
- 工程内での手直し(修理)による原価増は、気づきにくいので見える化の工夫が必要
- 改善活動を続けても利益は増えない。利益が増えるには、生産量増か人件費減が必要。
財務・会計の最近の話題
財務・会計で個人的に気になっていることが2つあります。
1つ目は、2022年1月に改正された電子帳簿保存法です。
ペーパーレス化の促進が主な目的の様ですが、ISOの内部監査の視点からは、見積書の電子保管が気になるところです。
気になるのは、
- 発行された見積書が管理されているのか?
- 電子化するとしてどの程度の管理でOKなのか?
- システム化しないと対応できないものなのか?
といったところですが、財務・会計部門の責任者がどう進めるか頭を悩ましているのかもしれません。
もう1つがインボイス制度です。
フリーランス(個人事業者)にも影響があるので、副業(複業)を目指してビジネスを始め、続ける際には、必要になることなので少しづつ勉強しているところです。
まとめ
経営コンサルに必要な経営の知識は何だろうと疑問に思ったことから、自分の実力を知るために、中小企業診断士の勉強をすればよいのではと考え、中小企業診断士の試験用テキストを使って勉強をしています。
中小企業診断士の試験範囲と経営に必要な5分野のうち「財務・会計」について以下の項目でまとめました。
- 財務・会計の分野について
- 制度会計と管理会計とは
- 財務諸表3点セットとは
- 利益と原価
- 財務・会計の最近の話題