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ミスを減らす:プロジェクトが終了したら即振り返ってから一息つく

プロジェクトが終わったらすぐ振り返る ミスを減らす取り組み

ISO9000では、特に人が関係しているミスはヒューマンエラーと呼ばれています。モノづくりに限らず、会社の規模や業界に限らずミスは多かれ少なかれあるものです。QCD(品質、コスト、納期)を守るために日々苦労しているケースも多いと思います。

ヒューマンエラーは人によるミスのことです。人はミスをしますので、人によるミスをゼロにすることは難しいものです。

そこで、ミスを減らすためには、「ミスが起きたから今後同じミスをしない。」と考えるのではなく、「ヒューマンエラーによるミスは発生する。」ことを前提として考えることがポイントです。

そして、品質・コスト・納期のバランスを見ながら、ミスの発生率を下げたり、発生したミスに早く気づき速やかに対応できる仕組みを作り上げていくことが重要です。

ここでは、個人作業ではなく、複数の人が関係するモノづくりプロジェクトについて、ミス(失敗)を少なくする取り組みの1つとして、「プロジェクトが終了したら即振り返ってから一息つく」について説明します。

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終わったら振り返らずに忘れたい

「プロジェクトが終了したら即振り返ってから一息つく」のプロジェクトをPDCAに置き換えても同じことが言えます。

PDCAが回らない場合、そもそもPlan(計画)で止まっていることもありますが、折角Do(実行)したにもかかわらず、

  • 結果を振り返らない。
  • 前回と同じことを繰り返す。
  • 失敗やミスも同じように繰り返してしまう。

という笑い話のようで笑っていられないケースは少なくないようです。

設計、製造、検査、出荷などで大きな問題が発生した場合、その場限りの対応で何とか済ませようとして(丸く収めようとして)、実際に何とかなってしまうと、本質的な問題には目をつぶりフタをしてしまうことがないでしょうか?

はかせ
はかせ

クレーム発生、原因と対策まではやるのですが、その後のフォローアップ、時間もかかれば手間もかかるものです。

一定期間再発しなければ有効として、本質的な部分に踏み込むのを避けたい気持ちはよく分かります。(分かるだけに、再発して自省することも…。)

問題やトラブルの対応中は、トラブルを収束させることを最優先にします。このため、本質的な問題点が分かっていても、別の対策により解決を図ることはあります。

解決の糸口が見えてくると、本質的な問題点(真の原因)を解決するために、本格的に原因究明や対策を検討し始めるのですが、問題が解決してしまうと「とりあえず今回は収まったからこれでいいじゃない」という悪魔の囁きがどこからともなく聞こえ始めます。

いわゆる「(今回のトラブルは偶発的なものとして)再発の恐れはほとんどないので、無かったことにしたい」という空気が出てきます。

そして、忘れる間もなく似たようなトラブルが発生しても、前回同様フタをする。こうして、いつしか似たようなトラブルが担当者間ではどうにもならななくなり、会社対会社の大問題になってしまう。

この様なトラブルを担当するとどうにもなりません。それでも何とかしないといけないので、本当の原因(原因の原因)については触れずに、落としどころを探りつつ目先のトラブルに対し原因と対策のストーリーを作り、お詫びと不具合報告書でまとめることになります。

はかせ
はかせ

「原因の原因をお客様に説明できない」不具合対応は、メンタル的にとても疲れます。

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なぜ悪い情報をすぐに報告しないのか

悪い情報を報告しなかったばかりに、後々大問題となってしまうことがあります。どうしてこうなってしまうのでしょうか?

悪い情報を報告しない、つまり、悪い情報を隠してしまう背景について考えてみました。しかも、当人に悪気はなく無意識の内にその様な行動をとっていることさえあります。

確信があるわけではないのですが、このような場合、直接的ではなくてもミスや失敗をした個人を責めたり、精神論で「何とかしろ」と言われるようなことが隠れているケースが多いように考えています。

例えば製品不具合が発生してしまったら、その不具合が発生したことはどうにもなりません。できることは、「今回の原因分析をきちんとして、対策をして再発しないようにすること」だけなのです。

はかせ
はかせ

不具合報告の際、お客様から「起きてしまったことはどうしようもないけれど、・・・」と言われると、その通りだと分かっていてもつらいものがあります。何とかできる場合はまだ救われるのですが。

トラブルや問題が発生した場合には、次の様にすることが重要です。

  • 社内ルール(仕組み)として関係者間で問題点や対策を共有する。
  • 必要に応じ社内ルール(ISO規定など)や業務フローを見直す。
  • 対策を仕事の仕組みに反映させていく。

仕事の仕組みにまで対策を反映させないと同じ問題が再発するのは、どうやら間違いありません。仕事である以上、「またか」と問題の再発に慣れてしまうことだけは避けたいものです。

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まとめ

ISO9000では、特に人が関係しているミスはヒューマンエラーと呼ばれています。モノづくりに限らず、会社の規模や業界に限らず、ミスは多かれ少なかれあるもので、QCD(品質、コスト、納期)を守るために日々苦労しているケースも多いと思います。

人はミスをしますので人によるミスをゼロにすることは難しいものです。

個人作業ではなく、複数の人が関係するモノづくりプロジェクトについて、ミス(失敗)を少なくする取り組みの1つとして、「プロジェクトが終了したら即振り返ってから一息つく」について説明しました。

  • 終わったらすぐに振り返らずに忘れたい
  • なぜ悪い情報をすぐに報告しないのか
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