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ミスを減らす:連絡や報告モレを減らす書式化(フォーマット作成)

連絡や報告漏れを減らす書式化 ミスを減らす取り組み

ISO9000では、特に人が関係しているミスはヒューマンエラーと呼ばれています。モノづくりに限らず、会社の規模や業界に限らずミスは多かれ少なかれあるものです。QCD(品質、コスト、納期)を守るために日々苦労しているケースも多いと思います。

ヒューマンエラーは人によるミスのことです。人はミスをしますので、人によるミスをゼロにすることは難しいものです。

そこで、ミスを減らすためには、「ミスが起きたから今後同じミスをしない。」と考えるのではなく、「ヒューマンエラーによるミスは発生する。」ことを前提として考えることがポイントです。

そして、品質・コスト・納期のバランスを見ながら、ミスの発生率を下げたり、発生したミスに早く気づき速やかに対応できる仕組みを作り上げていくことが重要です。

以下、モノづくりにおいてミスを少なくする取り組みの1つとして、「連絡や報告モレを減らす書式化(フォーマット作成)」について説明します。

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連絡ミスや報告モレを減らす書式化

急いでいる場合、確実に伝えたい場合に、注意していたはずなのに、起きてしまう報告モレや連絡を忘れたといったミスを減らすためには、

  • 報告や連絡の伝え方、伝える内容を書式化(フォーマット化)すること

が有効です。

書式化の際には、5W1Hをもれなく盛り込むと考えるのではなく、具体的かつ使いやすい書式化を心掛けることがポイントです。

また、書式になっているということは、項目が明確になっていることでもあり、電話やメールなどで伝える場合にも使えますので、報告漏れや連絡ミスがなくならないばあには、書式化(フォーマット作成)を考えてみることをおすすめします。

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報告用書式の作り方の例

不具合報告と進捗報告の例にして、書式の作り方を説明します。

不具合報告用の書式作成のポイント

不具合が発生し報告する場合であれば、次のような項目にしておき、すぐに埋められない部分は空欄でよしとし、まずは第一報を発信してもらうようにします。

  • 発生日時
  • 発生場所
  • 不具合の報告者(誰から連絡があったか) 
  • 不具合の発見者(誰が不具合を見つけたか)
  • 不具合の対象(製品名、型番)
  • 数量(納入数量、不具合数量)
  • 状況
  • 現場確認結果

進捗報告用の書式作成のポイント

進捗報告であれば、次のような項目を決めて報告するようにします。

  • 計画に対する進捗率
  • 本日の作業内容
  • 課題や問題
  • 確認事項

報告用書式によるメリット

報告用書式を作成するということは、報告項目を決めておくことでもあります。

結果的に、報告用書式を作成することで次の様な効果も期待できます。

  • 何を報告するか考えなくて済む。
  • 報告する項目ではなく、報告内容に注力できる。
  • 人による報告内容の差が小さくなる。
  • 報告して欲しい内容が得られる。
  • 抜け漏れを減らすことができる。

さらに、報告時には次のことを考慮して報告します。

  • 報告はまず結論から伝える。
  • 詳細な経緯などは、後で説明する。

報告書の書式を利用し、結論から報告することを続けていくと、

  • 報告しやすくなる。
  • 報告を受け取りやすくなる(時間短縮の効果が期待できる)。

といったことが進み、情報を伝えることに起因するトラブルを防ぐことができるようになると考えています。

また、書類の名称も工夫すると報告を活性化するような効果もあるようです。

はかせ
はかせ

きちんと報告しなければならないという意識が強い場合に、書式を使って分かっていることを早く報告するようになると考えています。

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書式作成のワンポイント:言葉の定義と表記ゆれ

報告に限りませんが、意外に見落としがちな、日頃使っている言葉の定義と表記ゆれです。

日頃使っている言葉の表記を定義するということは、表記ゆれを少なくしなくしていくということでもあります。

例えば、表計算ソフトでデータを扱う場合、社名の漢字が違うという表記ゆれがあると、別の会社(データ)になってしまいます。こうなると、データ分析をする前に表記ゆれのチャックをしないと、正しいデータに基づいた分析ができませんし、分析のためにデータを修正する作業が必要になってしまいます。

表記ゆれ対策の例として、データ作成が定期的にある場合には、表記ゆれを一覧表にまとめ(表記方法を定めた一覧表)を使いデータを修正します。

また、表記ゆれを修正する際には、目視ではどうしてもヌケやモレが出ますので、表計算ソフトの検索と置換を使っています。

はかせ
はかせ

表計算ソフトの一括置換だけは、使わないようにしています。便利そうですが思わぬ落とし穴に気づかないと悲劇が生まれます。

表計算ソフトでの置換のちょっとした工夫

表計算ソフトの置換には、ちょっとした注意(工夫)が必要な場合があります。

例えば、「マーカー」と「マーカ」が混在しているのを、「マーカー」にしたい場合をには、まず、

  • 「マーカーをマーカに置換」

してから、

  • 「マーカをマーカーに置換」

します。

表記ゆれの例

表記ゆれの例をいくつか紹介します。

  • 西暦か、和暦か。
  • 年月日は、2020年10月10日とするか、2020.10.10とか。
  • 時間は、半角数字を使う。10時10分、10:10。
  • 文書の章番号、半角で統一、1 1.1 1.1.1、1 1-1 1-1-1など。
  • 送り仮名、取組、取り組み、取組みなど。
  • 株式会社は、株式会社、(株)。

表記ゆれをいきなりゼロにするのは、なかなか大変ですし、現実的にも無理がありますので、少しづつ表記方法を決めた言葉を増やしていきます。

また、表記ゆれに注意することで、徐々に言葉を正確に扱うようになることも期待できます。

繰り返しになりますが、言葉の定義と表記ゆれ、一気に解決するのは難しいものです、言葉を定義したら、新しい書類やデータから適用していく進め方がよいと考えています。

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まとめ

ISO9000では、特に人が関係しているミスはヒューマンエラーと呼ばれています。モノづくりに限らず、会社の規模や業界に限らず、ミスは多かれ少なかれあるもので、QCD(品質、コスト、納期)を守るために日々苦労しているケースも多いと思います。

人はミスをしますので人によるミスをゼロにすることは難しいものです。

ここでは、モノづくりにおいてミスを少なくする取り組みの1つとして、「連絡や報告漏れを減らす書式化(フォーマット作成)」について、以下の項目で説明しました。

  • 連絡ミスや報告モレを減らす書式化
  • 報告用書式の作り方の例
    • 不具合報告用の書式作成のポイント
    • 進捗報告用の書式作成のポイント
  • 報告用書式によるメリット
  • 書式作成のワンポイント:言葉の定義と表記ゆれ
    • 表計算ソフトでの置換のちょっとした工夫
    • 表記ゆれの例
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