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はじめての品質管理:QCストーリーと改善(KAIZEN)とPDCA

PDCAとQCストーリー 品質管理入門

品質や品質管理(QC: Quality Control)、ISO9001なら品質マネジメントなど、普段何気なく使う言葉ですが、「品質って何ですか?」、「品質管理について教えてください。」と聞かれると、答えにつまってしまいます。

「品質について勉強させたいのだけれど、QC検定4級を受験させるのはどう思う?」と経営層の方に聞かれたことがあります。対象者が目の前に浮かび、QC検定4級は品質や品質管理についての基本的なことではあるけれど、「言葉からして分からないと思うので、事前に教育することなしに受験させるのは・・・。」と答えました。

そんな言葉の1つに「QCストーリー」なる言葉があります。文字通り想像しても分からないので、QC検定4級のテキストを読んだり、調べてみたところ、PDCAの計画や目標設定を分解・説明しているようなイメージです。

そして、ここまで考えていてふと次の様なことに気づきました。

  • そうか、PDCAは特別なことではないのだな。
  • 無意識かもしれないけれど仕事を回せている人はPDCAを回しているな。

ここでは、これから初めて品質、そして品質管理について学ぶ人を想定して、QCストーリーと改善(KAIZEN)の基本的なことについてPDCAを含め説明します。

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改善(KAIZEN)とQCストーリー

「改善」、自動車メーカーの改善は、「KAIZEN」として世界共通用語にもなっているようですが、モノづくりが初めてであれば、なじみのない言葉かもしれません。

改善を難しい言葉で説明すると、

  • 改善とは、経営システム全体、又はその部分を常に見直し、能力の向上を図る活動

であり、改善活動とも呼ばれています。

この改善(活動)は、日本で進化・発展した品質管理における大切な活動の1つです。昭和の時代モノづくりニッポンと言われた頃、海外ではKAIZENとして通じるほど広まった言葉です。

自動車メーカーの輸出による日米貿易摩擦があったことなど、今では知らない人も結構いるのではないでしょうか。

改善(活動)を別の言葉で言い換えると、次の様になります。

  • 改善活動は、現状の作業における問題(あるべき姿と現状とのギャップ)を発見し、その原因を除去して、より良い作業の状態を生み出す活動

ISO9001(品質マネジメント)で言われる、品質マネジメントの7原則の1つに改善があります。

品質マネジメントシステムの7原則(ISO9001:2015)
品質マネジメントシステムの7原則の各々はどれが重要ということはないのですが、ビジョン(ありたい姿、イメージ)に向かって、顧客満足を高めるために継続的に改善していくことであり、取り組み方としてプロセスアプローチを使う仕組みだと考えています。

改善活動とは、ISOであれば、顧客満足を高めるために、日々の活動を通して文字通り改善を続けることですし、モノづくりであれば、品質を維持したり向上させていくことでもあります。

改善をするための手順の1つにQCストーリーというものがあり、これは、ISO(品質)でいうPDCAと比べてみると下図の様な関係になります。

PDCAとQCストーリー

PDCAとQCストーリー

図1 PDCAとQCストーリー

上手の手順(各プロセス、ステップ)は、基本的に上から下へと進めていきますが、対策を実施し効果を確認したところ、期待する(目標とする)効果が得られなかった場合には、これまでやってきた手順に戻って活動を続けます。

実際にPDCAやQCストーリーの手順を回して改善しようとする場合、

  • 計画倒れ:計画段階で力尽きてしまい、改善活動そのものをあきらめてしまうこと

は避けたいところです。

そこで、できるだけ小さい目標、短期間で達成できる目標を設定して、まずは成功ではなく、活動すること(Do、対策の実施)を最優先にして、小さな成功体験を作るようにするのが、改善活動を続けるポイントになります。

PDCAはPから始めない。まずはDoから始めるPDCA
PDCAは計画作りから始めなくてもよいのです。PDCA始めの1歩は、記録が無いなら記録を残すDoから始める。目標達成のための計画です。立派な計画がなくても、目標、期限、評価方法を決めてまずは行動から。マネジメントは自己管理(時間管理)から。

また、成果が得られなかったり、目標を達成できなかった場合でも、目標や計画に問題や無理があったり、実行段階で想定していないことが起きて問題となる場合もあり、うまくPDCAやQCストーリーが回らないことは珍しいことではありません。

1つのPDCAやQCストーリーがうまくいった場合だけが成果ではありません、むしろ、うまくいかなかった、失敗した場合に、その原因を探り対策を立て、実行して効果を確認することを繰り返すことが重要です。

小さな改善を繰り返すことで、品質や工程、様々な仕事などの改善活動が定着させ、職場や会社全体で改善活動が普通の当たり前の手順として行われるようになることが大切で、これを継続的改善と呼びます。

QCストーリーやPDCAの手順は、問題解決だけでなく、課題を設けてこれを達成するために使うこともできます。

最初のうちは小さな目標で行動重視、慣れて(定着して)きたら目標を大きくしたり、範囲を広げ計画的に進めるようにしていくのが、継続的改善を定着させやすいと考えています。

現在QCストーリーには、課題達成型QCストーリーなど様々なものがあり、問題解決の場合には問題解決型QCストーリーと呼ばれることもあります。QCストーリーの手順は、1つの型に固定されたものではないことには注意が必要です。

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QCストーリーとPDCA

QCストーリーとPDCAについては、上述しましたが、再度、下図をみてください。

PDCAとQCストーリー

PDCAとQCストーリー

図2 PDCAとQCストーリー(再掲)

上手でPDCAを基準にQCストーリーを比べてみると、計画(P)と改善(A)の部分に違いがあります。

計画については、QCストーリーの方が手順を分けて詳しく説明していますが、計画は、何のために、いつまでに、何をするか、目標達成の評価方法や基準を決めることで、特に内容が違うわけではありません。

改善をしようとする場合、何をすればよい(手段)、どうしたい(目標)、いつまでに(期限)は具体的に分かっていることも少なくないと思います。なので、まずは行動、結果を確認、次の目標を設定していけば、改善活動を実質的に進めることができます。

これは、私が考えすぎなのかもしれませんが、QCストーリーの方が計画の手順が詳しい(分解されている)という図を見たとき、計画重視のイメージをもちましたので、くどいようですが実行重視でPDCAを回すことが、改善活動のPDCAには有効だと考えています。

改善については、標準化が含まれています。これについては、以下の記事で説明しています。

はじめての品質管理:PDCAのDoから始める仕事の進め方と標準化
品質や品質管理(QC)、ISO9001の品質マネジメント、普段何気なく使う言葉です。品質や品質管理は、モノづくりだけでなく様々な業界や職種においても必要なことです。初めて品質や品質管理について学ぶ方向けにPDCAと標準化について説明します。
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QCサークル(小集団改善活動)

QCサークルや小集団改善活動と言われても、今一つピンとこない方も少なくないと思います。

言葉になじみはなくとも、QCサークル(小集団改善活動)というのは、実際に改善活動を行っているのであれば、それが相当するものあり、何か特別な活動のことを意味するわけではありません

職場や会社で改善活動をする場合、実際の活動単位は、現場のチームや小グループであり、この単位で実際の改善活動を進めていくことを、QCサークル(小集団改善活動)と呼んでいます。

以下については、今の日本もそうなのかというと少々疑問は残りますが、QCサークルや小集団改善活動の知識として紹介します。

  • 特に日本では、活動の運営を自主的に進めていくことを基本に、職場の改善だけでなく、勉強することによる能力の向上や職場の活性化、さらには仕事のやりがいなどを目指したQCサークル活動と呼ばれる小集団改善活動が有名です。
  • QC サークル活動は海外でも注目され、今では80か国以上の国や地域で、このQCサークル活動が行われています。

QCサークルの詳細については、一般財団法人 日本科学技術連盟のWebサイトの以下のリンク先をご参照ください。

ホーム > 事業内容 > QCサークル活動(小集団改善活動) > QCサークル活動(小集団改善活動)とは

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まとめ

品質や品質管理(QC: Quality Control)、ISO9001なら品質マネジメントなど、普段何気なく使う言葉ですが、「品質って何ですか?」、「品質管理について教えてください。」と聞かれると、答えにつまってしまいます。

これから初めて品質、そして品質管理について学ぶ人を想定して、QCストーリーと改善(KAIZEN)の基本的なことについてPDCAを含め以下の項目で説明しました。

  • 改善(KAIZEN)とQCストーリー
  • QCストーリーとPDCA
  • QCサークル(小集団改善活動)
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