はじめての品質管理:品質を管理するためのデータ収集と分析・活用

品質管理では、事実に基づいて、問題の状況を把握し、プロセス(工程)の良し悪しを判断し、PDCAを回しながら改善活動を行います。この際、事実とデータが重要です。

品質管理に使われる手法(QC手法)は、統計的手法とも言われる事実とデータを分析する手法であり、たくさんの種類があります。

実際に品質管理、品質改善するときに多く使用されている手法は、次に示す7つの手法で、「QC7つ道具」と呼ばれています。ここでは、「QC7つ道具」を紹介する前に、データの収集と処理についての基本的なことを説明します。

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はじめに:データの収集や分析・評価の目的は明確に

モノづくりの現場で、データを集め、分析や評価を行うためには、品質を改善したり、生産性を向上させるなど、具体的な目的を明確にしておくことが重要です。

この時、個人の主観的な感覚ではなく、実際のデータに基づき、分析や評価、判断をすることが重要です。

例えば、製造設備の稼働時間を知るために、実際の工程はどのようなことをしており、その工程にかかっている時間を記録することを決めたとします。

しかし実際の現場で作業者が行っていることは様々であり、いちいち時間を記録するのも手間になりますし、変更も無い場合の方が少ないでしょうから、事前に想定していない作業の割り込みが入る、問い合わせがある、社内での急ぎの対応をしなければならないなど、できない理由がたくさんあります。

この様な場合には、作業時間を記録することの目的を作業者及び関係者に事前に周知・徹底すると共に、追加する作業時間はできるだけ短くするなどの工夫をしてPDCAを小さく回すなどの工夫が必要になります。

最初からざっくりとした作業時間を記録すればよいと考えてしまうと、せっかく記録した作業時間のデータが不正確なものとなりデータの分析・評価に使えなくなるだけでなく、作業者は無駄な作業をした思うなど、負のスパイラルが始まってしまいます。

結局、元に戻るのですがこれでは、せっかく改善活動への取り組みも台無しです。

なお、モノづくりの生産性向上を目的として具体的な行動を始めた場合、まずは現状を知りたいため、工程毎の作業時間を記録しようとするのですが、手間がかかる割に不正確な情報(データ)しか得られないというケースは少なくないようです。

このような場合のヒントとして以下の記事にまとめましたので、ご参照ください。

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データとばらつき(母集団とサンプル)について

統計処理というほどのものではないのですが、母集団とサンプルについて説明します。

品質管理においては、これまでの技術や経験(勘)に頼らずに、事実をデータ(観測値や測定値)として把握し、客観的な判断を下すことが重要です。つまり、同じ条件で作業をしたつもりでも、原因は様々ですが何らかの影響を及ぼしているため、結果には必ずばらつきが生じます。データには、ばらつきが含まれていることになります。

このため、数個のデータで良否判断をしたり、製造条件の変更や材料の見直しなどをすることは、その後の処置を誤らせる原因にもなりかねません。このため、データに現れた結果に対して、データのばらつきの影響でたまたまそうなったのか、本当にその結果どおりであると考えてよいのかを検討する必要があります。

データはばらつきをもっていますので、母集団からサンプルを取り出し、サンプルを測定して得たデータから、ばらつきを考慮した上で母集団について判断をする必要があります。

この母集団とサンプルの関係の以下の例で説明します。

母集団とサンプル

母集団とサンプル

図1 母集団とサンプル

上図において、製品Aの検査による合否判定がどの程度か把握したい場合、母集団等は以下の通りです。

  • 母集団:製作数(生産数) 100個
  • サンプル:検査のための抜き取り数 10個
  • データ:検査結果(=合否判定)
  • 処置:検査基準では、ロット100個について不合格3個以上でロットアウト
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データの種類(計量値と計数値)

あまり意識することはないかと思いますが、数値的なデータには、次の様に計量値と計数値があります。

  • 計量値:
    • 測定して得られる数値(数えることができないもの)
    • 連続的数量を取り得る値
    • 単位のあるもの(寸法、質量、時間など)
  • 計数値:
    • 1個、2個と個別に数えることができる数値
    • 不連続的な値しか取り得ない品質特性の値
    • 数えられるデータ(不合格数、不合格率など)

なお、データの種類は、上述の計量値と計数値の他に、次の様な非数値的に表現されるデータもあります。

  • 品質の等級を示す1級品や2級品
  • 作業者の性別や経験度
  • 使用した機械の種類

なお、数値的なデータを量的データ、非数値的なデータを質的データということもあります。

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サンプルの取り方

母集団からサンプルを抽出し、これらを測定することでデータを得られます。この母集団からサンプルを抽出することをサンプリングといいます。

サンプリングの目的は、サンプルについて得られたデータから母集団の姿(特性など)をとらえることです。つまり、サンプルは母集団の姿(特性など)をできる限り反映している必要があります。つまり、偏りなくランダム(無作為)にサンプルをとる必要があるということで、これをランダムサンプリングといいます。

ランダムサンプリングとは、母集団を構成する要素が、いずれも等しい確率でサンプルに含まれるようなサンプリングをいいます。これは、抽出したサンプルの特性が、母集団全体の特性を表しているということです。

しかしながら、完全にランダムなサンプルをとるのは非常に難しいことも事実です。そこで、データをとる場合には、偏ったサンプリングになっていないか注意します。

ランダムサンプリングをモノづくりの例を列挙します。

  • 1パレット10箱の製品が3パレット全30箱あり、全体で3箱抽出(抜き取る)場合、各パレットから1箱抽出する。
  • 製造期間が月~金の場合、各曜日ごと抽出する。
  • 1日の製造分について、製造開始時、午後の製造始め、製造終了時の分から抽出する。
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まとめ

品質管理では、事実に基づいて、問題の状況を把握し、プロセス(工程)の良し悪しを判断し、PDCAを回しながら改善活動を行います。この際、事実とデータが重要です。

品質管理に使われる手法(QC手法)は、統計的手法とも言われる事実とデータを分析する手法であり様々な方法があります。ここでは、データの収集と処理について、以下の項目で説明しました。

  • はじめに:データの収集や分析・評価の目的は明確に
  • データとばらつき(母集団とサンプル)について
  • データの種類(計量値と計数値)
  • サンプルの取り方
はかせ

ISOを学ぶきっかけは、知り合いの社長さんからのISO認証取得の相談からでした。
品質マネジメントは、会社をよくするツールであり、チームやプロジェクトにも使えるよくできた仕組みです。

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