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JISQ19011の付属書を内部監査改善のヒントに:内部監査所見と記録

はじめての内部監査責任者

「JISQ19011マネジメントシステム監査のための指針」は、 QMSだけでなく他のマネジメントシステムの監査や複数のマネジメントシステムの監査にも共通する内容となっています。

「JISQ19011マネジメントシステム監査のための指針」の付属書A(参考)をヒントに、QMS( 品質マネジメントシステム)の内部監査の改善や活用のヒントとして振り返りました。

  • 付属書Aは、組織構造(会社の組織)、リーダーシップ及びコミットメント、仮想監査(リモート内部監査)、順守、サプライチェーンなどの(新しい)概念を監査する手引です。

ここでは、内部監査の所見(内部監査の最終会議と内部監査報告書など)について説明します。

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内部監査の所見

内部監査リーダーは、内部監査終了前に内部監査対象部署長に内部監査の結果を説明します。

  • 是正が必要かどうかにかかわらず、不適合や観察事項について、放置すると不適合や観察事項になる懸念のあることについて説明し、合意を得ます。
  • 良い点(グッド・ポイント)については、昨年よりも改善されていることが分かったことや、取り組んでいることについて具体的に説明します。

改善点や取り組みを見つけられなければ、無理に監査所見に含める必要はないと考えています。

内部監査の所見内容

内部監査リーダーは、内部監査の所見内容をまとめる際に、次の事項を考慮します。

  • (内部監査資料として準備した)前回ISO審査の観察事項と内部監査報告書の是正や観察事項についてのフォローアップ
  • 該当することがあれば、内部監査責任者からの指示事項(ISO管理責任者からの指示や要求は、内部監査計画を含め、内部監査責任者が内部監査員に伝えます。)
  • 内部監査所見を客観的に説明できる監査証拠
  • 内部監査の目的を達成できたか、具体的に説明します。必要に応じ、良い点については維持だけでなく、さらに伸ばしたり横展開する等の助言を含めます。
  • 課題については、今後の取り組みについて言葉を選び説明します。
  • 必要に応じ、内部監査の範囲内での所見ではないことを説明した後に、内部監査リーダーとしての所見や改善の機会について説明します。
  • サンプリングについて、再度説明します。例えば、「今回の内部監査では不適合はありませんでしたが、不適合が隠れている可能性はあります。また、不適合があっても、すべての関連業務において不適合だということでもありません。」ということを説明します。

内部監査における適合の記録

内部監査において適合していることを説明できる記録も必要です。

適合の記録には、次の事項を考慮しますが、事前にチェックリストを準備することで、適合していることを確認する記録を効率よく集め、記録に残すことができます。

  • 適合を示す内部監査基準の記述や基準への参照(基準のタイトルなど)
  • 適合を示す監査証拠、及び、監査証拠が有効であることを示す記録等
  • 適合が明示されていること(校正機器や試験設備などの校正日など)

内部監査における不適合の記録

内部監査で不適合の記録については、次の事項を考慮します。

なお、不適合については、不適合発見時と最終会議(内部監査の結果報告)で内部監査対象部署(長)の合意を得ることが必要です。合意を得られない場合には、その理由を記録に残します。

  • 不適合を示す内部監査基準の記述や基準への参照(基準のタイトルなど)
  • 監査証拠に不適合と明示されていること(検査不合格など)
  • 関連する内部監査の所見

複数の基準に関係する所見への対応

内部監査において、ある事象が複数の基準に関連する場合があります。

  • 複数の要求事項や規定の複数の条項といった意味合いです。

内部監査では、原則として、ある1つの事象について、1つの基準を当てはめます。

似たような基準(類似の基準、差異が小さい基準)の場合には、複数の基準による影響がある事に注意が必要です。

なお、ある1つの事象について、2つ以上の基準を当てはめて総合的にまとめた所見とすることもできます。

  • 実際には、客観的な文章で、これを表現するのは意外に難しいことなので、基本は1つの事象に1つの基準で判断することが重要です。
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まとめ

「JISQ19011マネジメントシステム監査のための指針」は、 QMSだけでなく他のマネジメントシステムにも共通する内容となっています。

「JISQ19011マネジメントシステム監査のための指針」の付属書A(参考)をヒントに、QMS( 品質マネジメントシステム)の内部監査の改善や活用のヒントとして振り返りました。

ここでは、内部監査の所見(内部監査の最終会議と内部監査報告書など)について、以下の項目で説明しました。

  • 内部監査の所見
    • 内部監査の所見内容
    • 内部監査における適合の記録
    • 内部監査における不適合の記録
    • 複数の基準に関係する所見への対応
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