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パフォーマンス改善に着目した内部監査計画作成のポイント

内部監査の活用と監査員教育

ISO9001品質マネジメントシステムでは、パフォーマンス改善にQMSが役立つものであることが要求されています。

内部監査では、監査対象部署や会社全体のパフォーマンス改善に役立つ情報(業務改善に役立つ内部監査結果)を提供できる内部監査を目指したいと考えています。

内部監査員に対し、パフォーマンス改善については次の様に説明しています。

  • パフォーマンス改善に注目する
  • 注目したプロセスの課題を明らかにする。
  • 改善点(のヒント)を見つける。

こうすることで、

  • 改善に役立つ良い指摘となり、内部監査によるパフォーマンス改善につながる。

と考えています。

ここでは、品質マネジメントシステムのパフォーマンス改善と内部監査計画作成のポイントについて説明します。

なお、本文中のISO9001やISO19001の用語や要求事項については、正確性よりも分かりやすさを重視した説明となっていますので、ご注意ください。

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パフォーマンス改善に注目した内部監査の検討項目

パフォーマンス改善に注目するからと言って、何か特別な内部監査を計画するわけではありません。

パフォーマンス改善に限らず、内部監査計画を立てる時のポイントは以下の2点と考えています。

  • パフォーマンス改善について内部監査計画に明記すること
  • パフォーマンス改善のための対象となるプロセスを明確にすること

パフォーマンス改善について内部監査の目的として明記

内部監査で確認することは、

  • 「適合しているか」
  • 「有効に実施・維持されているか」

の2点です。

「適合しているか」の対象は、組織のルール(品質マニュアルと関連規定)とISO9001の要求事項です。

「有効に実施・維持されているか」は、マネジメントシステムの意図した結果及びパフォーマンス改善に注目します。さらに、パフォーマンス改善の対象となるプロセスを考え、監査計画に明記します。

内部監査計画に加えるポイント

内部監査計画を作る際には、以下の点を考慮します。

  • 関連するプロセスの重要性:
    • 関係するからと言って全てのプロセスを対象にすると目的がボケてしまいます。
  • 組織(部署、会社全体)に影響を及ぼす変更:
    • 特定の部署やプロセスに課題がある場合でも、全体最適の視点で考えます。
  • 前回までの監査の結果(内部監査報告書やチェックリスト)
    • 内部監査で指摘するのは監査員の主観ではなく、エビデンスに基づくものです。

次に、パフォーマンス改善のための監査ポイント(重点)を設定します。

例えば、4Mの視点をプラスします。

監査ポイントを明確にすることで、被監査部署のパフォーマンス改善のための内部監査であることを監査員と被監査部署双方に意識づけることができます。

パフォーマンス改善のための対象となるプロセス

パフォーマンス改善を目的とした内部監査計画に含める内容について例示します。

監査ポイントとするプロセスの範囲

対象とするプロセスも次の様に視点が違うと異なってきます。

  • 部署内の1つのプロセスを対象とする場合
  • 関連するプロセスを含める場合
  • 会社全体のプロセス(QMS体系図)の中で被監査部署のプロセスを見る場合

会社の主要なプロセスのパフォーマンス改善を目的とすると、次の様なプロセスの一部または全部を対象にする場合があります。

  • 営業プロセス
  • 製造プロセス
  • 設計・開発プロセス
  • 外注・購買プロセス
  • 品質管理プロセスのパフォーマンス改善

上記のプロセスについて、より具体的に何を確認するかを考えチェックリストを作成します。チェックリストを作る場合には、次の様に考えると実際に使えるチェックリストになります。

  • プロセス全体の流れを見るため、ある特定の製品や不具合を例に追ってみる。
  • 特定のプロセス内で複数の製品、複数の担当を例に追ってみる。

部署や会社に影響を及ぼす変更

パフォーマンス改善を対象とした内部監査を行う場合、部署や会社全体に影響を及ぼす次の様な変更を考慮する必要があります。

  • 組織変更や要員変更
  • プロセス変更(新規、拡大、廃止)
  • 製品/サービスの変更(新規、追加、廃止)

さらに、上記の変更により影響を受けた他のプロセスについても考慮が必要になってきます。

内部監査責任者としてどうするか

パフォーマンス改善を目的とした内部監査をする場合、内部監査責任者としては、各監査員に、具体的に何を確認するかを指示する必要があります。

例えば、QMS体系図にある営業から設計・開発・製造・出荷までの全プロセスの流れをみて、どのプロセスに課題や問題があるかを内部監査で確認しようとする場合、次の様に考えています。

  • 内部監査責任者としては、全体を見るが、そのために必要となる各プロセス(部署)で確認することを具体的にチェックリストに含める。
  • チェックリストの中で、必ず確認することを監査員に事前に指示し、徹底させる。
  • 監査員の力量に応じて同席したり、監査前に再度指示する。

ここまでやって、事前に必要な情報の7割程度が得られる感じです。

監査員に指示を与える場合には、次の様に心がけています。

  • 通常の監査と同じようにチェックリスト等を準備する。
  • 何か特別なことを確認するのではなく、チェックリストを使って確認すればよいのだと事前に説明しておく。
はかせ
はかせ

指示が不十分で欲しい情報が得られないこともあります。

このため、実際の内部監査で行うこと(確認すること)は、口頭ではなく、チェックリストなどの形にして指示することがポイントです。

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まとめ

ISO9001品質マネジメントシステムでは、パフォーマンス改善にQMSが役立つものであることが要求されています。

内部監査では、監査対象部署や会社全体のパフォーマンス改善に役立つ情報(業務改善に役立つ内部監査結果)を提供できるようにしたいと考えています。

ここでは、品質マネジメントシステムのパフォーマンス改善と内部監査計画作成のポイントについて以下の項目で説明しました。

  • パフォーマンス改善に注目した内部監査の検討項目
    • パフォーマンス改善について内部監査の目的として明記
    • 内部監査計画に加えるポイント
    • パフォーマンス改善のための対象となるプロセス
      • 監査ポイントとするプロセスの範囲
      • 部署や会社に影響を及ぼす変更
  • 内部監査責任者としてどうするか
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