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QMSと設計・開発:QMSは顧客重視のマネジメントシステム

レビューの活用

レビューと言えばデザインレビュー(Design Review)設計審査が思い浮かびますが、ISO9001のレビューは、次の3つです。

  • DR(設計審査)
  • レビュー(検証)
  • 妥当性確認

レビューの実施状況は、会社の規模だけでなく、商品企画や設計・開発の進め方など様々です。

また、モノづくりをしている会社の設計担当者は、日々図面作成に追われているイメージがあります。

ここでは、経験の浅い設計担当者を想定して、品質マネジメントシステム(QMS)について説明します。

はかせ
はかせ

記事のボリュームが大きくなり過ぎないようにしたいと思います。

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ISO9000シリーズは顧客重視のマネジメントシステム

ISO9000シリーズは、顧客重視の品質マネジメントシステム(QMS)です。

「品質」というとモノの品質をイメージしますが、QMSの品質は、「製品(モノ)とサービス」を含めたものです。

「マネジメントシステムとは何ですか?」と聞かれることがありますが、次のような主旨の回答をしています。

  • QMSは、ISO9001の2015年版の要求事項で、経営との一体化がこれまで以上に求められています。
  • マネジメントシステムというのは、製品(モノとサービス)により利益を上げる、会社を経営する仕組み、経営そのもののイメージです。

なお、「マネジメント」は、日本語では「管理」といわれるます。

しかし、日本語の「管理」は「コントロール」の意味合いが強いので、あえて、「マネジメント」という言葉を使うようにしています。

品質マニュアルとISO規定類については、以下をご参照ください。

会社のルールとQMS(品質マニュアルとISO規定類)

QMSの品質をモノの品質と思っているのと同様に多いのが、ISO(QMS)のルールは会社のルールとは別物の何か特別なルールだと思っていることです。

まず、会社のルールを説明するにあたり、想定している会社の組織やQMS体系について説明します。

会社のルールとISO(QMS)のルールとの関係

会社のルールについて説明する前に、ここで想定している会社の組織図について説明します。

  • 20名規模のモノづくりの会社をイメージしています。
  • 管理責任者は、ISO(QMS)の管理責任者です。

品質マニュアルの組織図

図1-1 会社の組織図

下図は、会社の機能別の組織図です。

  • 小規模の会社の場合、兼務していることが珍しくありませんので、モノづくりの会社の機能別に作成した組織図です。

機能別組織図

図1-2 会社の機能別組織図

機能別組織図における、各部署の役割を下表に示します。

部署名 役割

品質保証

(管理責任者)

・ISO事務局

・内部監査

・是正処置

・製品検査、検査・測定機器の管理校正

管理

・教育・訓練(管理職、全社教育など)

・人事労務管理

・総務業務

・経理・財務業務

・社内情報システムの運用

営業

・新規・既存顧客に対する営業活動

・問い合わせ、クレームなどを含む顧客窓口

購買

・購買業務

・外注管理

技術 ・製品の設計・開発
製造

・製品製造

・保管

・入出荷管理

下図は、機能別組織図によるQMS体系図です。

図2 QMS体系図

会社のルールとISO(QMS)のルールとの関係

ISO(QMS)のルールは、会社のルールとは別物の何か特別なルールだというイメージを持っている方が多いようです。

はかせ
はかせ

モノづくりの仕事がはじめての場合には、しかたないようにも思います。

会社員とは、社会人であり、会社の社員でもあります。

会社は、社会のルールの範囲内で成り立ちますので、会社のルールとISO(QMS)のルールとの関係は、下図のイメージになります。

図2 社会と会社のルールとISO(品質マニュアル)との関係 

マネジメントレビューと内部監査

会社(経営)のルールとISO(QMS)との違いは、マネジメントレビューと内部監査です。どちらも、年1回やっている会社が多いのではないでしょうか。

意外に思われるかもしれませんが、ISO9000シリーズのマネジメントレビューと内部監査でやっていることについて説明します。

理解しやすいように、以下の前提としています。

  • 社長は、顧客満足を高めることと継続的改善を全社の品質目標として社長が決めます。(これらの進捗状況は、営業会議や内部監査で確認します。)
  • 営業部署の品質目標は営業予算の達成です。営業以外の部署では営業予算達成のため、自分の部署で何をすればよいか考え部署の品質目標とします。

マネジメントレビューでは:

  • マネジメントレビューでは、どの会社でも社長さんがやっている経営判断に含まれる(重複する)内容が多い。多いというより、ほぼ経営判断です。
  • 毎月会社の売上や利益などについて、営業会議を行っている会社が多いと思いますが、この内容も含まれます。

内部監査では:

  • 部署長は、社長が定めた品質方針・品質目標に基づき、部署の品質目標を設定する。
  • 部署品質目標の進捗を営業会議などで報告する。
  • 内部監査責任者は、全部署の内部監査結果をまとめ、QMSがパフォーマンスを発揮しているか確認する。内部監査の結果は、最終的にマネジメントレビューのインプット情報の一部として報告されます。
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まとめ

レビューと言えばデザインレビュー(Design Review)設計審査が思い浮かびますが、ISO9001のレビューは、DR(設計審査)、レビュー(検証)、妥当性確認の3つです。

レビューの実施状況は、会社の規模だけでなく、商品企画や設計・開発の進め方など様々です。

ここでは、経験の浅い設計担当者を想定して、品質マネジメントシステム(QMS)について、以下の項目で説明しました。

  • ISO9000シリーズは顧客重視のマネジメントシステム
  • 会社のルールとQMS(品質マニュアルとISO規定類)
    • 会社のルールとISO(QMS)のルールとの関係
    • 会社のルールとISO(QMS)のルールとの関係
    • マネジメントレビューと内部監査
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