ここでは、「環境マニュアル」の
6. 計画(事業計画)
についてまとめています。
「環境マニュアル」の目次は、以下をご参照ください。
6. 計画(事業計画)
6.1 リスク及び機会への取組み(リスクを洗い出し、備え、機会(チャンス)を活かす取組み)
6.1.1 一般
当社は、6.1.1~6.1.4に規定する要求事項を満たすために必要なプロセスを確立し、実施し、維持する。
環境マネジメントシステムの計画を策定するとき、以下の3点を考慮し、
- 4.1で明らかにした課題
- 4.2で明らかにした要求事項
- 環境マネジメントシステムの適用範囲
以下の3点のために取り組む必要がある、環境側面、順守義務、ならびに4.1、4.2で特定したその他の課題及び要求事項に関連する、リスクおよび機会を決定する。
- 環境マネジメントシステムがその意図した成果を達成できるという確信を与える。
- 外部の環境状態が当社に影響を与える可能性を含め、望ましくない影響を防止又は低減する。
- 継続的改善を達成する。
当社は、適用範囲の中で環境影響を与える可能性のあるものを含め潜在的な緊急事態を決定する。
当社は、以下に関する文書化した情報を維持する。
- 取り組む必要のあるリスクと機会
- 必要なプロセスが計画通りに実施されたという確信を持つために必要な程度のそれらのプロセス
6.1.2 環境側面
当社は、マネジメントシステムの適用範囲の中で、ライフサイクルの視点を考慮し、当社の活動、製品及びサービスについて当社が管理できる、影響を及ぼすことができる環境側面、並びにそれらに伴う環境影響を「環境影響評価シート」にまとめ、決定する。
また、この環境マネジメントシステムを確立し、実施し、維持する上で、著しい環境側面を確実に考慮に入れる。
なお、著しい環境側面とは、当社が決定する水準以上の環境側面を持つかあるいは持ち得るもので環境に影響を与える原因となるものをいう。
(1)環境側面の決定
環境側面を決定するとき、次の事項を考慮に入れる。
- 変更
- 計画した又は新規の開発、並びに新規の又は変更された活動・製品及びサービス
- 緊急事態
- 非定常時また合理的に予見できる緊急事態
(2)環境側面の抽出、及び、環境影響評価
環境管理責任者は、環境側面の抽出、及び、環境影響評価を、以下の手順により実施する。
- 関連部署と協調し、当社が管理できる環境側面及び当社が影響を及ぼすことができる環境側面の抽出し「環境工程図」にまとめ、「環境影響評価シート」により環境影響を評価する。
- 環境管理責任者は、環境影響評価結果より特定した著しい環境側面を各部署に伝え、管理する。
環境影響評価の評価項目及び環境影響評価基準を下表に示す。
- 環境影響評価A(有益なもの)
- 地球温暖化
- 天然資源枯渇
- 大気汚染
- 水質汚染
- 土壌汚染
- 騒音・振動
- 悪臭
- 生態系
- 廃棄物
- 環境影響評価B
- 発生の可能性
- 定常時
- 非定常時
- 緊急時
- 結果の重大性
- 工場環境に影響
- 地域環境に影響
- 地球環境に影響
- 発生の可能性
評価点 | 環境影響評価基準 |
---|---|
20点以上 | 著しい環境側面 |
11~19点 | 維持管理環境側面※ |
10点以下 | 管理外環境側面 |
※維持管理環境側面とは、現状では著しい環境側面ではないが、管理しない場合著しい環境側面となり得る可能性のあるものをいう。
(3)環境側面の見直し
環境側面の見直しは、マネジメントレビュー、及び、以下の場合に行う。
- 新規もしくは変更された活動(生産)、製品、サービスを行う場合
- 新規の開発を行う場合
- 適用法規の変更があった場合
- 環境影響について新たな知見が得られた場合
- 著しい環境側面の考慮
環境影響の評価フローを以下に示す。
評価フロー | 活動対象部署 | 活動内容 | 備考 |
---|---|---|---|
環境影響評価対象の発生 | 施設・設備の設置・廃棄 | ||
環境工程図作成 | 各部署 | 環境工程図作成 | IN、OUTを明確にする |
環境影響評価シート作成 | 各部署 | 評価シート作成 | 環境工程の概要 環境影響 不要物 |
申請 | 環境側面の確認 | ||
環境影響評価シート評価 | 環境影響評価 | 数値化する | |
環境影響対象の特定 | 環境管理責任者 | 総合評価 | |
審議 | 環境会議 | ||
特定 | 環境管理責任者 | 特定化 | |
著しい環境側面の文書化 | 環境管理責任者 | 文書化 | 環境改善活動として登録 |
環境目標実行計画 | 各部署 | 改善スケジュール 項目展開 |
|
活動モニタリング | 各部署 |
6.1.3 順守義務
環境管理責任者は、当社の環境側面に関係して適用可能な法的要求事項、及び、当社が同意するその他の要求事項を特定し参照するため、「環境法規制等一覧」を作成し、維持し、年1回順守評価を行う。
また、当社の環境側面に関する法規制等の改正、新設、及び、その他の要求事項の変更があった場合、「環境法規制等一覧」を更新する。
各部署長は、「環境法規制等一覧」の変更に係る情報を入手した場合、環境管理責任者に報告する。
環境マネジメントシステムを確立し、実施し、維持し、継続的に改善するとき、これらの順守義務を考慮に入れる。
(1)環境管理責任者の役割
- 該当法令、条例の調査、及び、最新版の管理
- 関連部署への連絡
- 保管及び閲覧
(2)環境法規制等の情報入手と頻度
環境管理責任者は、年一回(原則年度末)法令、条例の確認、調査を行う。
(3)調査先と該当法令、条例
調査先 | 該当法令、条例 |
---|---|
〇〇市環境保全課 | 環境基本法 水質汚濁防止法 大気汚染防止法 工業用水法 省エネ法 特定工場公害防止法 廃棄物処理法 リサイクル法 悪臭防止法 騒音規制法 振動規制法 土壌汚染防止法 |
所轄労働基準監督署 | 安全衛生法 毒物、劇物取締法 |
〇〇市消防本部 | 消防法(少量危険物取扱貯蔵) |
(4)その他の情報の入手
環境管理責任者は、官庁関係ニュース、市販図書、新聞、近隣企業とのコミュニケーションなどにより情報を入手する。
6.1.4 取り組みの計画策定
当社は、以下の事項について具体的な取り組みの計画をする。
(1)著しい環境側面
著しい環境側面の取り組みについて、環境目標に展開する、もしくは運用上で考慮に入れるなど計画を策定し、取り組む。
取り組んだ結果の有効性については、内部監査及びマネジメントレビューで確認する。
(2)順守義務
適用可能な法的要求事項及び当社が同意するその他の要求事項は、各部署においてその順守に取り組む。
取り組んだ結果の有効性については、マネジメントレビューにて確認する。
(3)リスク及び機会
特定したリスク及び機会は、各部署の環境目標策定の際、考慮に入れ、計画的に取り組み、その有効性は、内部監査及びマネジメントレビューで確認する。
その他の取り組みの方法としては、以下のようなものがある。
- 教育により力量や認識を向上させる。
- 監視及び測定対象とする。
- 緊急事態への準備及び対応で扱う。
なお、取り組みにあたっては、技術上、財務上、事業上の要求事項を考慮する。
6.2 環境目標及びそれを達成するための計画策定(環境目標と活動計画)
6.2.1 環境目標
当社は、経営方針、環境方針に整合し、測定可能な環境目標を設定する。
全社の環境目標は、社長が設定する。
環境管理責任者は、環境方針と全社環境目標を各部署長に連絡し、部署の品質目標を設定させる。
各部署長は、環境方針に基づき、全社の環境目標達成のため部署の環境目標を設定する。
環境目標には、著しい環境側面及び順守評価を考慮に入れ、それらを監視し、伝達し、必要に応じ更新する。
その他、環境目標を設定する際の考慮事項を以下に示す。
- 環境方針及び著しい環境側面を改善するため、環境目標は3年毎の中期目標と年度目標を設定する。
- 環境目標は、全社員(要員)に周知する。
以下の場合には、環境目標の見直し、及び、必要に応じ改訂を行う。
- 組織(経営)体制に変更があった場合
- 生産量や生産体制に変化があり、現状との相違が発生した場合
- 環境目標達成のための活動による不具合や苦情が発生した場合
- 環境目標の達成が困難と判断される場合
6.2.2 環境目標を達成するための取組みの計画
当社は、年度初めに環境目標に基づき「環境目標実施計画」を策定する。
各部署長は、部署の環境目標を達成するための実施計画を作成し、環境管理責任者に報告する。
環境管理責任者は、各部署の環境目標及び実施計画により、「環境目標実施計画」を作成する。
これらには実施事項、必要な資源、責任者、達成期限(完了時期)、及び、結果の評価方法を明記する。
製造部署(工場)については、以下について考慮する。
- 「環境目標実施計画」に従い改善活動を行い、環境負担の低減を図る。
- 著しい環境側面に関連する生産活動・業務について、その目的・目標からの逸脱を防止するために必要な手順書を作成する。
- 環境関連施設についてはメンテナンス方法を含め、操作基準とそれから外れた場合の処置を明示する。
- 部署長は、環境影響のある業務を委託する、環境影響のある物品を購入する契約業者に対して、環境上の要求事項を伝達し管理する。
- 発生する廃棄物の分別、処理、廃棄方法などの手順を定めると共に、廃棄物の削減に努める 。
まとめ
ここでは、「環境マニュアル」の
6. 計画(事業計画)
についてまとめました。