マネジメントとマネジメントシステム

マネジメントやマネジメントシステム、知らない言葉ではないと思います。普段、何気なく見たり聞いたりしているのではないでしょうか。

「マネジメントの意味を教えて欲しい。」との質問には、「経営に近い意味で、日本語でいう管理はコントロールの意味合いが強く、管理とも違う・・・。」と言った感じで、歯切れの良い回答ができていません。まだまだ勉強不足です。

とは言ってもそれでは話が進みませんので、私なりの解釈について説明します。私が説明するときに使っている内容なので、正確性には今一つのところもあるかと思いますが、参考になれば幸いです。

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マネジメントとマネジメントシステム

ISO9000シリーズの品質マネジメントシステム(ISO9001:2015)では、経営と統合する意味合いが強くなっているので、「マネジメント=経営」と読み替えた方が分かりやすいと思います。

ISO9000シリーズにおける品質は、モノの品質にとどまらずサービスを含み、経営品質の意味合いをも含むようになってきているため、経営(会社のルール)と重なる部分が多くなっています。

そこで、「会社のルールの一部が品質マニュアルであり、品質マニュアルに品質マネジメントシステムという仕組みを定めて運用している。」といった説明をしています。言い換えれば、「ISOという特別なルールがあるのではなく、会社のルールの一部を品質マネジメントとして運用している。」という主旨になります。

また、ISO9001:2015年版では、社長の意思決定、会社運営のサポートといった、社長自らのリーダーシップの発揮といった面も重視されています。

ここで、ISO9000シリーズのマネジメントなどの用語の定義を引用しておきます。これでは、私も何となく分かったような分からないような感じですし、ましてやこの定義を使っての説明は、ISOの試験勉強のための教育になりそうで、正直なところそのままでは社内教育には使えません。

以下、「JIS Q 9000 品質マネジメントシステム-基本及び用語」から引用します。

3.3.3 マネジメント、運営管理(management)

組織を指揮し、管理するために調整された活動。

「JIS Q 9000 品質マネジメントシステム-基本及び用語」より

3.5.1 システム(sysytem)

相互に関連する又は相互に作用する要素の集まり。

「JIS Q 9000 品質マネジメントシステム-基本及び用語」より

3.5.3 マネジメントシステム(management system)

方針(3.5.8)及び目標(3.7.1),並びにその目標を達成するためのプロセス(3.4.1)を確立するための,相互に関連する又は相互に作用する,組織(3.2.1)の一連の要素。

「JIS Q 9000 品質マネジメントシステム-基本及び用語」より

3.6.2 品質(quality)

対象(3.6.1)に本来備わっている特性(3.10.1)の集まりが,要求事項(3.6.4)を満たす程度。

「JIS Q 9000 品質マネジメントシステム-基本及び用語」より

「JIS Q 9000 品質マネジメントシステム-基本及び用語」などのJIS規格は、ネットで見ることができます。以下のページをご参照ください。

ISO9000シリーズ等のJIS規格と「JIS検索」について
ISO9000シリーズ品質マネジメントシステム要求事項等とJIS規格を検索方法について説明します。「JISQ9004組織の持続的成功のための運営管理−品質マネジメントアプローチ」の「付属書A(参考)自己評価ツール」の自己採点はお勧めです。

要求事項解釈の参考資料について

要求事項の解釈については、書籍の他、様々な有料セミナーもありますが、審査機関独自に作成しているものが分かりやすいと思います。ただし、審査機関の規格解釈は、当然のことながら審査を受けなければ入手できませんし、規格要求事項の説明の範囲を超えるものでもありません。

つまり、審査機関の規格解釈も、自社について「具体的にどうすればよいのか?」、「何をすればよいのか?」との問いに直接答えてくれるものではありません。それでも、要求事項、品質マネジメントに求められていることを知るには、要求事項についての理解を深めていくことが近道だと思います。

また、マニュアルや規定などを作る際には、要求事項とその解釈については考え過ぎないようにすると共に、「何のために品質マネジメントシステムを構築するのか」については、何度でも立ち返ることをお勧めします。

審査機関独自の規格解釈の使い道ですが、内部監査員教育に使うことがあります。(内部監査員には、内部監査などで質問された時に回答できる程度には要求事項について理解して欲しいと思っています。)

「規格要求事項そのものを理解するのは、どの程度まで必要か?」の問いに対しては、管理責任者は知っていた方が良いとは思いますが、要求事項の意味を深く知るよりも、当該要求事項について当社はこのように理解し、こうしていると答えられる方が優先度は高く重要だと考えています。

要求事項の解釈については、外部審査で指摘され審査員の説明に納得できなければ、トコトン確認するようにしていますが、最近ではそのようなことはあまりないように思います。

品質以外にもあるマネジメントシステム

マネジメントシステムと言えば、ISO9000シリーズの品質マネジメントシステム、ISO14000シリーズの環境マネジメントシステムが古くからありますが、その他にも様々なマネジメントシステムがあります。

品質マネジメントシステムには、セクター規格と呼ばれる特定の産業向けの規格があります。

  • 航空宇宙産業向けにJIS Q 9100
  • 自動車向けにQS9000(今ではISO/TS16949)

いづれも、確実に動作する、安全性が高い、不良がゼロといった要求に応えるための品質マネジメントシステムだと理解しています。ISO9000シリーズと似ていますが、要求されていることが具体的かつレベルが高いイメージです。

その他、私がかかわってきた中では、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)があります。適用宣言書や情報システムの特性もあり、ISO9000シリーズとは少々違うイメージですが、マネジメントシステムとしては似たような仕組みです。

まとめ

マネジメントやマネジメントシステム、知らない言葉ではないと思いますが、説明が難しい言葉です。

歯切れの良い説明とはいきませんが、私なりの解釈について説明しました。私が説明するときに使っている内容なので、正確性には今一つのところもあるかと思いますが、参考になれば幸いです。

ここでは、以下について説明しました。

  • マネジメントとマネジメントシステム
  • 要求事項解釈の参考資料について
  • 品質以外にもあるマネジメントシステム
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