いよいよISO9001:2015が改訂されるようです。
「ISO9001:2015」の改訂スケジュールは24か月、2025年末発行予定となっています。
車に例えれば、フルモデルチェンジではなくマイナーチェンジなのかと思っていますが、今のところ発行されるのが楽しみです。
ここでは、ISO(the International Organization for Standardization)のQMS専門委員会(ISO/TC176/SC2)のWebサイトの情報から、の2024年5月現在の状況を紹介します。
2023年8月:「ISO9001:2015」の改訂作業開始を決定
2023年8月3日、ISO9001の将来の選択肢(改訂するかどうか)について、ISO/TC176/SC2で投票が行われました。
この投票の結果、次のステップに進むことになりました。
- ISO9001改訂のための新しいワーキンググループ(WG)を設立し、招集者(convenor)/プロジェクトリーダーを任命する。
- ISO9001改訂の設計仕様書の草案をSC2メンバーに回覧し、コメントを求める。コメントは、ISO9001改訂のための新WGに引き継がれ、審議される。
2023年10月:SC2ミーティング
ISO/TC176/SC2の第50回ミーティングの主な内容を以下に列挙します。
2024年1月の改正予定は、付属書の改正です。
品質マニュアルの改訂は、ISO9001:2015が改訂され、JISQ9001(日本語版)が出てからのことになります。
なお、このミーティングは、COVID発生以来初めての対面会議となりました。
ISO9001改訂作業について
ISO9001の改訂作業について、以下のことが決まっています。
- 設計仕様書承認
- 規格の適用範囲を変更しないことを決定
- 改訂スケジュールは24か月、2025年末発行予定
ISO9001改訂作業はISO9000改訂と連携
改訂された規格が品質マネジメントの概念、原則、用語、認証の要求事項の理解をサポートするものとなるように、ISO9000を改訂しているISO/TC176/SC1のWG2と連携して進められます。
ISOオンライン規格開発プラットフォーム
ISOオンライン規格開発プラットフォームが、規格改定に使われます。
ISO9001にはじめてのガイダンス資料を含める
他のマネジメントシステム規格と歩調を合わせ、はじめてISO9001にガイダンス資料を含めることが決定しました。
ISO9001の気候変動に関する更新を含む改正
2024年1月に、気候変動に関する第4項の更新を含む改正が行われ、発行される予定。
付属書SLの付属書2に気候変動への配慮を加える。
- 組織は、気候変動が関連する問題であるかどうか決定しなければならない。(0.4.1項に追加)
- 注記:関連する利害関係者は、気候変動に関する要求事項を持つことができる。(0.4.2項に追加)
気候変動に関する追加文言は、気候変動にスポットを当てることを意図したものであり、改正を通じて緊急の課題としてISO MSS(Management System Standard)に組み込まれる予定。
なぜ「気候変動」という違和感はあるのですが、QMS認証取得企業にどの様な影響を与えてくるのかは分からないので、推測するよりは様子をみていくスタンスです。
2023年12月:WG29による最初の会議
ワーキンググループ(WG29)による会議が、12月4日~8日まで開催されました。
2024年1月:WG29によるISO9001アップデートのニュース
2024年1月24日、ISO/TC176/SC2のWebサイトのニュースにISO9001アップデート開始のニュースが公開されました。
ISO9001をアップデートする目的は、現在および将来のニーズに確実に対応し、ユーザーへの理解と適用を促進することです。
更新作業は2年間のプロセスで、現在の要件の有効性と適用性、テクノロジーなどの新たなトレンドの影響、調和された構造との整合性、受け取った要件の解釈の要求、ISO との整合性についてレビューされます。
2024年3月:WG29による2回目の会議
2024年3月8日、ISO/TC176/SC2のWebサイトのニュースにISO9001作業部会(WG29)会議のニュースが公開されました。
ワーキンググループ(WG29)による2回目の会議が、2月19日~23日まで開催されました。
ISO 9001作業原案(WD)に対する500件を超えるコメントが検討されました。
2024年4月:ISO9001委員会原案(CD ISO 9001)リリース
2024年5月7日、ISO/TC176/SC2のWebサイトのニュースにISO9001委員会草案(CD ISO 9001)リリースのニュースが公開されました。
2024年4月26日、ISO9001委員会原案(CD ISO 9001)がリリースされました。
- CD:Committee Draft
委員会原案は、2024年6月21日までを期限に、105以上の国家規格機関(National Standards Bodies)などからコメントを募集します。
2024年7月のワーキンググループ(WG29)の会議で、コメントを検討し、国際規格草案(Draft International Standard)の準備が開始されます。
参考リンク
ISO/TC176/SC2のニュースのWebサイトのリンクです。
まとめ
いよいよISO9001:2015が改訂されるようです。
改訂スケジュールは24か月で、2025年末発行予定となっています。
車に例えれば、フルモデルチェンジではなくマイナーチェンジなのかと考えていますが、今のところ楽しみです。
ここでは、ISO(the International Organization for Standardization)のQMS専門委員会(ISO/TC176/SC2)のWebサイトの情報から、の2023年12月現在の状況について以下の項目で説明しました。
- 2023年8月:「ISO9001:2015」の改訂作業開始を決定
- 2023年10月:SC2ミーティング
- WG29の初会合(2023年12月4日~8日)開催
- ISO9001改訂作業はISO9000改訂と連携
- ISOオンライン規格開発プラットフォーム
- ISO9001にはじめてのガイダンス資料を含める
- ISO9001の気候変動に関する更新を含む改正
- 2023年12月:WG29による最初の会議
- 2024年1月:WG29によるISO9001アップデートのニュース
- 2024年3月:WG29による2回目の会議
- 2024年4月:ISO9001委員会原案(CD ISO 9001)リリース
- 参考リンク