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ISO専門委員会(TC176/SC)による2015年版ISO9001とISO9000の改訂作業進捗状況

ISO9001:2026改訂

2023年から「ISO9001 品質マネジメントシステム-要求事項」の改訂作業が、ISO(国際標準化機構)の技術専門委員会(TC176)で進められています。

「ISO9000 品質マネジメントシステム-基本及び用語」についても改訂が進められ、DISが発行されました。

2025年5月22日、ISO/TC 176のWebサイトに改訂作業の進捗情報のNewsが公開され、検討されている項番の情報も一部でしょうが含まれています。

具体的な改訂内容については、相変わらず分かりませんが、2025年5月現在のISO9001とISO9000の改訂情報について説明します。

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2015年版ISO9001と9000の改訂作業進捗状況:2025年5月現在

ISO(国際標準化機構)の技術専門委員会(TC176/SC2)のWebサイトにSC1とSC2のNewsが公開されました。

  • SC1は概念及び用語、SC2が品質システムを担当しています。
  • SC3は支援技術を担当しています。

ISO9000(基本及び用語)の進捗状況

「ISO9000 品質マネジメントシステム-基本及び用語」も改訂作業が進められています。

ISO9000は、DIS(Draft International Standard)が発行されています。

  • DISとは、国際規格原案のことです。
  • DIS:Draft International Standard

DISが承認されるとFDISとなり、FDIS承認によりISO発行となります。

  • FDISとは、最終国際規格原案のことです。
  • FDIS:Final Draft International Standard

2025年5月現在、ISO9000の改訂作業状況は次の通りです。

  • 条項3に関するコメントへの対応(コンセンサス)
  • 附属書Aのレビューのため改訂草案が近日中に発行予定
  • 条項9のコメント対応(コンセンサス)は完了
  • 5月から6月にかけて、残りのCD2(委員会原案)コメントへの対応のための会議

今後の予定は、次の通りです。

2025年4月10日~2025年7月3日:ISO9000のDIS投票

2025年7月21日~24日:第13回 ISO/TC 176/SC 1/WG 2会合(予定)

ISO9001(要求事項)の進捗状況

ISO9001の改訂については、CD2コメント対応と改訂作業(DIS開発)が進められています。

ISO9001改訂作業て検討されている条項が公開情報(News)に出ていたので列挙します。

なお、これ以外にも改訂されているようなので、改定される条項の全てではないと判断しています。

項番:6.1.3

  • ISO9001:2015にはない項番です。

項番:7.1.3

ISO9001:2015では「7.1.3 インフラストラクチャ」となっています。

項番:7.1.4

ISO9001:2015では「7.1.4 プロセスの運用に関する環境」となっています。

項番:7.1.5.2

ISO9001:2015では「7.1.5.2 測定のトレーサビリティ」となっています。

項番:7.1.6

ISO9001:2015では「7.1.6 組織の知識」となっています。

項番:8.3

ISO9001:2015では「8.3 製品及びサービスの設計・開発」となっています。

附属書 A

改訂内容の反映

項番:9

ISO9001:2015では「9 パフォーマンス評価」となっています。

コメント対応完了

項番:10

ISO9001:2015では「10 改善」となっています。

改訂作業中

ISO9001:2015の改訂が気になる理由

審査機関などのWebサイト情報をみていると、ISO9001:2015の改訂版は、ISO9001:2026として、2026年9月発行を目標に改訂作業が進められています。

大幅な改訂とはならないようですが、改訂内容は気になります。

現時点では、マネジメントシステムの規格(要求事項)として、レベルが1段階上がるようなイメージがありますが、要求事項が大きく変わらないとしても、品質マニュアルとISO関連規定の全面的な見直しは必要になると考えています。

品質マニュアル等の見直し作業は、JISQ9001:2026?が発行されるまで手をつけませんが、全面的な見直しをするための準備は進めています。

品質マニュアルの見直しをする機会は、会社が大きく変わるとか、今回の様な要求事項の改訂でもなければなかなかありませんので、次のようなことができるよう準備をコツコツ進めています。

  • 各規定間の整合性(体裁とか粒度とかレベル感とか)をとる必要があるか、整合性をとる場合、どの様にすすめるか。
  • 品質マニュアルを含むISO関連規定のメンテナンス(維持管理)を楽にできないか。
  • ISOのためのルールとか帳票とかがあるか、あればどのように削減するか。

参考:ISO規格の作り方

ISOやJIS規格を作る側でないと意識することもないISO規格の作り方について、Google先生に聞いてみたところ、以下を参考にしてISO規格の作り方(プロセス)を説明します。

ISO/IEC Directives, Part 1

Procedures for the technical work — Consolidated ISO Supplement — Procedures specific to ISO

上記書類の「2 Development of International Standards」の一部を意訳します。

ISO/IEC規格は、下表の段階(stage)により作成されます。

  • ISOのみにしています。
  • DIS:Draft International Standard in ISO
段階 略称 名称 補足説明
Preliminary stage PWI Preliminary work item 準備段階
Proposal stage NP New work item proposal 提案段階
Preparatory stage WD Working draft 作成段階
Committee stage CD Committee draft 委員会原案
Enquiry stage ISO/DIS Enquiry draft 国際規格案
Approval stage FDIS final draft International Standard 最終国際規格案
Publication stage ISO International Standard 国際規格

2025年5月現在の改訂進捗状況:

  • ISO9000は、DISまで進んでいます。
  • ISO9001は、CD2(委員会原案の第2案)まで進んでいます。
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まとめ

2023年から「ISO9001 品質マネジメントシステム-要求事項」の改訂作業が、ISO(国際標準化機構)の技術専門委員会(TC176)で進められています。

2025年5月22日、ISO/TC 176のWebサイトに改訂作業の進捗情報のNewsが公開され、検討されている項番の情報も一部でしょうが含まれていました。

具体的な改訂内容については、相変わらず分かりませんが、2025年5月現在のISO9001とISO9000の改訂情報について、以下の項目で説明しました。

  • 2015年版ISO9001と9000の改訂作業進捗状況:2025年5月現在
    • ISO9000(基本及び用語)の進捗状況
    • ISO9001(要求事項)の進捗状況
      • 項番:6.1.3
      • 項番:7.1.3
      • 項番:7.1.4
      • 項番:7.1.5.2
      • 項番:7.1.6
      • 項番:8.3
      • 附属書 A
      • 項番:9
      • 項番:10
  • ISO9001:2015の改訂が気になる理由
  • 参考:ISO規格の作り方
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