ISO9001:2015版品質マニュアルとPDCA

ISO9000、品質マネジメントというとPDCAを連想される方も多いと思います。

品質マニュアルの構成を独自に作成している場合は別ですが、ISO9001要求事項準じて作成している場合の、品質マニュアルとPDCAとの関係について説明します。

以下の品質マニュアルの目次例では、品質マニュアルの4項以降は、要求事項の項番4~10に合わせています。

モノづくりメーカーの品質マニュアルと関連規定を公開しています。以下の記事をご参照ください。

「品質マニュアル3.0」と関連規定一覧
「品質マニュアル」と関連規定へのリンクをまとめています。品質マニュアルと関連規定は、単なるサンプルではなく、モノづくりをしている小規模の会社(メーカー)を想定して具体的に作っています。
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品質マニュアルとPDCA

ISOでよく聞くPDCAですが、品質マニュアル(ISO9000シリーズの要求事項)の項目番号とPDCAの関係は以下の通りです。

  • 4. 組織の状況(社内外の環境、QMSの概要)
  • 5. リーダーシップ
  • 6. P(Plan) 計画
  • 7. D(Do) 支援
  • 8. D(Do) 運用
  • 9. C(Check) パフォーマンス評価
  • 10. A(Action) 改善

なお、以下の目次例において、ISO9001:2015の要求事項の項目名の( )内は補足説明です。

品質マニュアルの目次

  • 品質マニュアルと関連規定は、「品質マニュアルと関連規定」をご参照ください。20名程度のモノづくりメーカーを想定して作成しています。

品質マニュアルとISO9001要求事項の項番について

品質マニュアルは、要求事項の項番に準じて作成する場合が多いのですが、そうしなければ認証取得ができないわけではありません。品質マニュアルは、社内で使われている伝えやすい言葉で書いたほうがよいと思います。

しかし、分かりやすい言葉で会社独自の品質マニュアルを実際に作るのは、かなり大変です。要求事項はもちろんのこと社内業務の全般について知らないと作れないからです。

1. 適用範囲

(1) 会社概要
(2) 品質マネジメントシステム導入の目的
(3) 適用範囲
適用範囲には、対象組織(会社)とその範囲(事業内容)について記載します。
適用除外は通常ありません。

2. 引用規格(適用する規格)

(1) 要求事項

「JIS Q 9001 品質マネジメントシステム-要求事項」

(2) 用語及び定義

「JIS Q 9000 品質マネジメントシステム-基本及び用語」

(3) 参考規格

その他、参考にしている規格について必要に応じ記載します。

「JIS Q 19011 マネジメントシステム監査のための指針」など

3. 用語の定義

品質マニュアルで使用する用語は、JIS Q 9001に規定される定義による他、社内で使用している独自の用語について説明します。

規格で使われいている用語の補足説明を加えるのもよいと思います。自社で作成した品質マニュアルなのですから、社員が分かりやすい表現にした方が良いのです。

4 組織の状況(当社全体に関すること)

4.1 組織及びその状況の理解(会社を取り巻く状況)

4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解(利害関係者から求められていること)

4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定(QMSで管理する事業の範囲)

4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス(QMSの概要)

  • 4.4.1 品質マネジメントシステム(QMSの基本的な考え方)
  • 4.4.2 品質マネジメントシステムのプロセス(QMSの文書と記録)

5 リーダーシップ

5.1 リーダーシップ及びコミットメント(社長の役割)

  • 5.1.1 一般(社長のリーダーシップ)
  • 5.1.2 顧客重視(顧客を重視すること)

5.2 方針(品質方針の決定と周知)

  • 5.2.1 品質方針の確立(品質方針を決定すること)
  • 5.2.2 品質方針の伝達(品質方針を周知すること)

5.3 組織の役割、責任及び権限(社長の役割・責任・権限、管理責任者の責任・権限)

  • 5.3.1 社長の役割、責任及び権限
  • 5.3.2 管理責任者(管理責任者の責任と権限)

6 計画(事業計画)

6.1 リスク及び機会への取組み(リスクを洗い出し、備え、機会(チャンス)を活かす取組み)

  • 6.1.1 リスク及び機会の決定(リスクや機会(チャンス)を洗いだす)
  • 6.1.2 リスク及び機会の計画(リスクへの対策と機会(チャンス)を活かす行動計画)

6.2 品質目標及びそれを達成するための計画策定(品質目標とその活動計画)

  • 6.2.1 品質目標の確立(品質目標を決定すること)
  • 6.2.2 品質目標の計画(品質目標を達成するための計画を作ること)

6.3 変更の計画(品質マネジメントシステムの変更に関する計画)

7 支援(品質目標達成のためのサポート)

7.1 資源(要員(社員)・建物・設備)

  • 7.1.1 一般(必要な資源を決定すること)
  • 7.1.2 人々(要員(社員))
  • 7.1.3 インフラストラクチャ(建物、設備など)
  • 7.1.4 プロセスの運用に関する環境(作業場所の環境)
  • 7.1.5 監視及び測定のための資源(監視・測定のための機器)
    • 7.1.5.1 一般(監視・測定のための機器の管理)
    • 7.1.5.2 測定のトレーサビリティ(測定値を保証する、トレースできるようにすること)
  • 7.1.6 組織の知識(会社のノウハウ)

7.2 力量(要員の力量)

7.3 認識(要員の認識)

7.4 コミュニケーション(情報の意志疎通)

7.5 文書化した情報(文書・記録)

  • 7.5.1 一般(必要な文書・記録)
  • 7.5.2 作成及び更新(文書・記録の作成と改定)
  • 7.5.3 文書化した情報の管理(文書・記録の管理)
    • 7.5.3.1 管理目的(文書・記録を使う目的)
    • 7.5.3.2 管理上の要求(文書・記録を保管する)

8 運用(行動、日々の業務)

8.1 運用の計画及び管理(運用ルールを決める)

8.2 製品及びサービスに関する要求事項(受注・契約)

  • 8.2.1 顧客とのコミュニケーション
  • 8.2.2 製品及びサービスに関する要求事項の明確化(製品の仕様やサービス内容)
  • 8.2.3 製品及びサービスに関する要求事項のレビュー(受注・契約の管理)
    • 8.2.3.1 レビュー内容(製品やサービスに要求されていること)
    • 8.2.3.2 文書化した情報の保持(受注契約などの記録)
  • 8.2.4 製品及びサービスに関する要求事項の変更(受注・契約の変更)

8.3 製品及びサービスの設計開発(製品の設計開発)

  • 8.3.1 一般(設計開発のルールを決める)
  • 8.3.2 設計開発の計画
  • 8.3.3 設計開発へのインプット(設計開発に使う情報)
  • 8.3.4 設計開発の管理
  • 8.3.5 設計開発からのアウトプット(設計開発の結果)
  • 8.3.6 設計開発の変更

8.4 外部から提供されるプロセス、製品及びサービスの管理(外注・購買、調達、物流サービス)

  • 8.4.1 一般(外注・購買の管理)
  • 8.4.2 管理の方式及び程度(外注・購買の管理方法)
  • 8.4.3 外部提供者に対する情報(外注・購買先との約束)

8.5 製造及びサービス提供(製造工程、サービス提供)

  • 8.5.1 製造及びサービス提供の管理
  • 8.5.2 識別及びトレーサビリティ
  • 8.5.3 顧客又は外部提供者の所有物(顧客や外注・購買先から預かるもの)
  • 8.5.4 保存(製品の保管)
  • 8.5.5 引渡し後の活動(アフターサービス)
  • 8.5.6 変更の管理(製造工程の変更管理)

8.6 製品及びサービスのリリース(製品の検査、出荷許可)

8.7 不適合なアウトプットの管理(不適合品の管理)

  • 8.7.1 不適合なアウトプットの識別・管理(不適合品の識別・管理)
  • 8.7.2 文書化した情報の保持(不適合品の記録)

9 パフォーマンス評価(結果の評価)

9.1 監視、測定、分析及び評価(業務の確認、分析と評価)

  • 9.1.1 一般(確認・分析・評価の方法)
  • 9.1.2 顧客満足(顧客の見解)
  • 9.1.3 分析及び評価

9.2 内部監査

  • 9.2.1 内部監査の目的
  • 9.2.2 内部監査の実施

9.3 マネジメントレビュー

  • 9.3.1 一般(マネジメントレビューの実施)
  • 9.3.2 マネジメントレビューへのインプット(マネジメントレビューの資料(管理責任者から社長への報告))
  • 9.3.3 マネジメントレビューからのアウトプット(マネジメントレビューの指示事項(社長の指示))

10 改善(業務の改善)

10.1 一般(改善の目的)

10.2 不適合及び是正処置(不適合の処理と再発防止対策)

  • 10.2.1 不適合発生時の処置(対策の流れ)
  • 10.2.2 文書化した情報の保持(対策の記録)

10.3 継続的改善(継続的な改善活動)

まとめ

要求事項の項目に準じて作成した品質マニュアルの目次とPDCAについて紹介しました。

はかせ

ISOを学ぶきっかけは、知り合いの社長さんからのISO認証取得の相談からでした。
品質マネジメントは、会社をよくするツールであり、チームやプロジェクトにも使えるよくできた仕組みです。

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