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QM-9100版品質マニュアル:是正処置規定(QM9100版)

品質マニュアルQM9100

ISO9100:2016版対応の「QM-9100版品質マニュアル」の関連規定の1つ、「是正処置規定(QM9100版)」の一例です。

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1. 目的

本規定は、不適合の再発防止を図るため、不適合の是正処置の手順などを適切に管理することを目的とする。

2. 適用範囲

不適合が発見された場合、顧客からの苦情が発生した場合などの是正処置に適用する。

不適合品の処理手順は、「不適合品処理規定」による。

苦情の処理手順は、「苦情処理規定」による。

3. 是正処置の対象及び責任者

是正処置の対象及び責任者を下表に示す。

なお、以下に示す事項の証拠として、文書化した情報を保持(保管)する。

  • 不適合の性質及びそれに対してとったあらゆる処置
  • 是正処置の結果

 

是正処置の対象

是正処置作成者

(是正処置実施部署)

責任者

(是正処置承認者)

1

品質マネジメントシステムの不適合

品質保証

社長

2

顧客関連クレーム(製品、サービス)

各部署

品質保証

3

製品、サービス以外のクレーム

各部署

管理

4

設計の不適合

技術

品質保証

5

製造不良

製造

品質保証

6

業務手順の逸脱(法規制違反を含む)

各部署

管理

7

設備トラブル、事故

各部署

当該設備等管理部署長(製造、管理)

8

プロセスの実行状況が悪い

各部署

社長

4. 是正処置の実施手順

はかせ
はかせ

ISO9100の要求事項「10.2 不適合及び是正処置では、「組織は、不適合及び是正処置の管理プロセスを定める、文書化した情報を維持しなければならない。」とされています。

ここでは作成していませんが、是正処置のフロー図があった方が、分かりやすくなります。

外部提供者(顧客や協力会社)も含まれるため、工夫が必要になります。

4.1 不適合の内容確認

(1)品質保証部は、不適合の内容を確認し、関係部署に原因の究明を指示する。

(2)品質保証部及び関係部署は、原因を特定し、是正処置実施部署を決定する。

4.2 不適合の原因究明と処置決定

是正処置実施部署長は、以下の事項を実施する。実施状況については、適時、責任者(是正処置承認者)に報告する。

(1)不適合の原因を究明し、不適合の原因(発生原因、流出原因)を明確にする。

なお、不適合の原因が人的要因(human factors)に関する場合には、必ず、その不適合の原因を明確にする。

(2)対策が早期に実施完了できない場合、又は原因究明に時間を要する場合には暫定対策を実施し、不適合品の流出を防止する。

(3)類似の不適合の有無、類似の不適合が発生する可能性を明確にする。

(4)「是正処置報告書」に不適合の内容、原因、暫定対策と実施内容を記入し、責任者(是正処置承認者)の承認を得る。

(5)外部提供者に不適合の責任があると判定する場合には、外部提供者への是正処置を要求する。

4.3 再発防止策の策定と実施

是正処置実施部署長は、以下の事項を実施する。

実施状況については、適時、責任者(是正処置承認者)に報告する。

(1)再発防止策(是正処置)を策定する。

  • 是正処置は、検出された不適合のもつ影響に応じたものとする。

(2)不適合の再発防止を確実にするため、原因分析の結果検討された再発防止策について、必要性、有効性を評価する。

(3)必要な処置を決定し、実施する。

(4)「是正処置報告書」に再発防止策(原因の除去)と実施内容を記入し、責任者(是正処置承認者)の承認を得る。

(5)是正処置が適時及び効果的に実施されていない場合には、特別な処置をとる。

  • 特別な処置の具体的な内容は、都度検討し、状況に応じた処置を実施する。

4.4 有効性のレビュー

是正処置実施部署長は、以下の事項を実施する。

実施状況については、適時、責任者(是正処置承認者)に報告する。

(1)不適合の内容確認、原因の特定、必要な処置の決定及び実施など、とった処置の有効性のレビューを行う。この中には、以下の場合における処置の効果の確認を含める。

  • 製品が継続的に生産されている場合は、数ロットの製造実績より、問題の無いことを確認する。
  • 製品が受注生産品の場合は、生産量等を考慮し、原則として次の受注生産時に問題の無いことを確認する。
  • その他の不適合については、基本的に1年間再発がなく、とった処置が有効であることを確認する。
  • 再発防止策が長期にわたる場合、又は製造予定がないために効果がすぐには確認できない場合は中間報告をする。効果が確認されたら最終報告を行う。

(2)とった処置の有効性レビューを実施後、有効性のレビュー結果について、責任者(是正処置承認者)の承認を得る。

4.5 継続的改善

不適合や是正処置の結果は、継続的改善の機会と考え活用する。

継続的改善の機会には、次の様なものがある。

  • 教訓(lessons learned)
  • 問題解決事例
  • 最善の慣行のベンチマーキング
はかせ
はかせ

「最善の慣行のベンチマーキング」は、分かりにくいのですが、ISO9100で注記として追加されているので明記しています。

5. その他の処置

5.1 不適合品、苦情についての周知

不適合品、苦情については、関連部署に周知する。

5.2 規定等の改訂

再発防止策として、「規定等」の改訂が必要な場合は、「品質文書管理規定」に従い改訂する。

5.3 品質マネジメントシステムの変更

管理責任者は、品質マネジメントシステム上の不適合等、品質マネジメントシステムの変更を行う必要性があると判断した場合、マネジメントレビューのインプットとして報告する。

5.4 内部監査で指摘された不適合

内部監査で指摘された不適合は、「内部監査規定」に従い処理する。

6. 記録の管理

不適合に対してとった処置、及び、是正処置に関する記録は、「品質文書管理規定(QM9100版)」により管理する。

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まとめ

ここでは、「品質マニュアル3.0」の関連規定の1つ、「是正処置規定(QM9100版)」の一例について説明しました。

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