QMSを運用している会社で、管理責任者の仕事だけしかしていないといケースは少ないと思います。
このブログで公開している品質マニュアルは、20名規模のモノづくりの会社を想定していますが、この規模だと管理責任者の仕事もやっているというケースがほとんどです。
毎日大小様々な仕事をこなし、クレームなどの突発的な事態に対応するなど、管理責任者に限った話ではありませんが、重要度と緊急度については、悩ましい経験のある方が多いと思います。
ここでは、管理責任者なら日々意識しておいた方がよいと考える、重要度と緊急度について説明します。
重要度と緊急度とは
下図は、重要度と緊急度についてのイメージを表しています。
図1 重要度と緊急度による分類イメージ
上図において、重要度と緊急度の各々について高い・低いのレベルがあり、分類A、B、C、Dの4つにわけています。
重要度と緊急度で決める優先順位
以下、実際に行動する順番(優先順位)について説明します。
分類Aの「重要かつ緊急」なことは、最優先で取り組む
分類Aの「重要かつ緊急なこと」は、必ずやることです。
管理責任者として「重要」なことであり、かつ、「緊急」にやるべきと判断したことは、直ちに行います。
分類Aは、「すぐにやらなくてはいけないこと」でもあるので、改めて意識しなくても当然やること(やっていること)です。
意識して取り組むのが分類Bの「重要だが緊急ではない」こと
分類Bの「重要だが緊急ではないこと」に当てはまることは、緊急性がないからといって先送りにして、結局やらないことになりがちです。
だからこそ、分類Bの「重要だが緊急ではないこと」について、意識的に取り組むことが、管理責任者には必要です。
例えば、全社を回す大きなPDCAは、全社品質方針・品質目標から、品質目標実施計画が作られ、管理責任者は、内部監査などで品質目標実施計画の進捗状況を確認し、マネジメントレビューで報告します。
マネジメントレビューの結果、社長からマネジメントレビューのアウトプットとしての指示があり、次の1年がはじまります。
つまり、1つの目標を1年で達成するような目標と計画、複数の部署にまたがることや全社に関係することを進めることが、まさに、分類Bの「重要だが緊急ではない」ことです。
管理責任者、あるいは、内部監査責任者は、長くかつ広い範囲で他部署や全社の活動をみることができます。
できることは限られていますし、実際にやろうとすると大変なこともあるのですが、達成感も味わえる面白いポジション(仕事)だと考えています。
やってはいけない分類Cの「緊急だが重要ではない」こと
上図の4分類の中で、CとDにあたることはやらなくてよいことです。
分類Cの「緊急だが重要ではない」ことは、重要ではないのでやらない。
ただでさえ自分の時間の少ない管理責任者であれば、「分類Cはやってはいけないこと」と考えた方がよいと思います。
やる必要が無い分類D「重要でも緊急でもない」こと
分類Dは、重要でもなければ、緊急性もないことです。
つまり、分類Dはやる必要がないということです。
どうしても気になる場合には、「分類Dに分類したことだけ記録する」にとどめるというのは、いかがでしょうか。
まとめ
このブログで公開している品質マニュアルは、20名規模のモノづくりの会社を想定していますが、この規模だと管理責任者の仕事もやっているというケースがほとんどです。
毎日大小様々な仕事をこなしつつ、突発的な事態にも対応するなど、何かと忙しい立場になると、重要度と緊急度は悩ましい問題でもあります。
ここでは、管理責任者なら日々意識しておいた方がよいと考える、重要度と緊急度について以下の項目で説明しました。
- 重要度と緊急度とは
- 重要度と緊急度で決める優先順位
- 分類Aの「重要かつ緊急」なことは、最優先で取り組む
- 意識して取り組むのが分類Bの「重要だが緊急ではない」こと
- やってはいけない分類Cの「緊急だが重要ではない」こと
- やる必要が無い分類D「重要でも緊急でもない」こと