PR

管理責任者が自分の言葉で説明できるようにしたいISOの基礎知識(2/2)

管理責任者の心得

管理責任者になったからといって、ISO9001の要求事項などのJIS規格についての理解が必要だとは思いませんが、内部監査や外部審査、あるいは、日々の業務の中でISO9001について質問された時に、できれば自分の言葉で説明できるようにしておいた方がよいと考えています。

ここでは、ISO9001の要求事項やQMS(品質マネジメントシステム)について、管理責任者として知っておいた方がよいことの続きです。会社のルールと品質マニュアルとの関係とQMSや品質マニュアルの理解を深めることについて説明します。

できれば、自分の言葉で説明できるようになった方がよいと思いますが、最初からハードルを上げ過ぎても続きませんので、自分なりにまとめるところから始めるのも1つの方法です。

スポンサーリンク

会社のルールと品質マニュアルとの関係

よくわる勘違い(思い違い)なのですが、なかなか分かって頂けないのが、次のことです。

  • ISOとは品質に関する何か特別なルール(仕組み)である。
  • 品質マニュアル(関連規定類を含む)は、会社のルールとは別のルールである。

そこで、下図を使い、「ISOとは、会社のルールの一部です。」という説明をしています。

会社のルールと品質マニュアルとの関係(イメージ)

会社のルールと品質マニュアルとの関係(イメージ)

図 会社のルールと品質マニュアルとの関係(イメージ)

いろんな言い方をしていますが、伝えたいのは次のことです。

ISOと会社のルールは別のルールではなく、ISO規定類はISOのためのルールでもありません。

補足として、会社のルールは、社会人としてのルールの中にあることも説明します。会社の人であるまえに、1人の社会人であるということです。

QMSや品質マニュアルの理解を深める手順

QMSや品質マニュアルについての理解を深めるために、以下の3段階で説明するようにしています。

説明に当たっては、できる範囲ではありますが、次のことを意識しています。

  • 普段使っている、わかりやすい言葉で説明する。
  • 説明を聞く人が使っている言葉や仕事内容と関連付ける。

品質マネジメントシステムの理解を深めるために

QMSは、会社全体のことなので、まずは品質マニュアルを利用して以下のことを説明しています。

  • 品質マニュアルの「組織図」と「品質マネジメントシステム体系図」を使い、自分が関係する仕事が会社の中でどのような位置づけ(プロセス)にあるかを説明する。
  • 品質マニュアルの図、表をざっと見る。
  • 品質マニュアルの本文及び自分が関係する仕事に関する規定を読む。
はかせ
はかせ

「品質マネジメントシステム体系図」に、主な関連規定について追記しておくと、会社全体の中でのプロセスや規定との関係がつかみやすくなります。

なお、具体的な実務に関連することは、品質マニュアルではなく、各規定類に書かれているので、普段の具体的な業務に関連付けて説明するのは、会社の大きな仕事の流れとQMSについて説明した後になります。

個人目標と品質目標との関係

品質目標には、大きくわけると、全社の品質目標、部署の品質目標、そして、個人の目標があります。

個人の目標を達成することが、部署の目標達成となり、各部署の目標達成が全社の目標達成となる、次の関係について説明します。

「個人目標達成」→「部署目標達成」→「全社目標達成」

「品質目標とは何ですか?」という問いに対しては、次のように説明しています。

例えば、お客様と直接接する営業部署は、

(顧客満足の向上)=(予算達成)

と考えます。

営業以外の部署は、

予算達成につながること、例えば支援すること

が、目標となります。

品質目標と教育・訓練の役割

目標達成に必要だけれど現在力不足している、あるいは、もっと伸ばしたい力量を向上させるために、教育・訓練を行います。

説明内容としては、以下の通りです。

  • ○○さんの力量を評価します。(力量マップや星取表などを使います)
  • ○○さんの力量から、今期向上させる力量(評価項目)を明確にし、個人目標を設定します。
  • 目標達成のために必要な教育・訓練を計画します。
  • 計画にそって、教育・訓練を実施、評価します。

なお、教育・訓練には、OJTも含まれますが、OJTにも教育・訓練の記録は必要です。記録が無いと、教育・訓練の成果が分からないし残りません。記録があれば、教育・訓練そのものを改善することもできます。

スポンサーリンク

まとめ

管理責任者になったからといって、ISO9001の要求事項などのJIS規格についての理解が必要だとは思いませんが、内部監査や外部審査、あるいは、日々の業務の中でISO9001について質問された時に、できれば自分の言葉で説明できるようにしておいた方がよいと考えています。

ここでは、ISO9001の要求事項やQMS(品質マネジメントシステム)について、管理責任者として知っておいた方がよいことの続きで、以下の項目について説明しました。

  • 会社のルールと品質マニュアルとの関係
  • QMSや品質マニュアルの理解を深める手順
    • 品質マネジメントシステムの理解を深めるために
    • 個人目標と品質目標との関係
    • 品質目標と教育・訓練の役割
タイトルとURLをコピーしました