就業規則は会社のルールの1つで、法律(労働基準法)では、常時10人以上の従業員がいる場合には、就業規則を作成し、外部(労働基準監督署)に提出しなければなりません。
ちなみに、ISOというと何か特別なルールのように思っている場合もある様ですが、品質マニュアルや関連規定は会社のルールの一部です。
ここでは、厚生労働省のモデル就業規則を使って、本ブログで公開している品質マニュアル同じ様に、20名規模のモノづくりメーカーを想定した就業規則の1例について説明します。
就業規則の情報:厚生労働省の「モデル就業規則(令和2年11月)」
2021年3月現在、「就業規則(令和2年11月)」は、厚生労働省のWebサイトに「モデル就業規則」が公開されています。
Word形式のファイルもダウンロードできますので、これを元に会社のルールを当てはめていき、不足する部分は新たなルールを作り、就業規則としてまとめていくことになると考えています。
厚生労働省の「モデル就業規則」については、以下のリンク先をご覧ください。この記事は、以下のWebサイトの情報を引用しています。
「就業規則」が法的に求められる場合
以下、上述の厚生労働省Webサイトのモデル就業規則のページから引用します。
常時10人以上の従業員を使用する使用者は、労働基準法(昭和22年法律第49号)第89条の規定により、就業規則を作成し、所轄の労働基準監督 署長に届け出なければならないとされています。
就業規則を変更する場合も同様に、所轄の労働基準監督署長に届け出なければなりません。
次に掲載しております「モデル就業規則」の規程例や解説を参考に、各事業場の実情に応じた就業規則を作成・届出してください。
引用先:厚生労働省Webサイト 「モデル就業規則について」
就業規則の意義など
「労働者が安心して働ける明るい職場を作る」ために、次の様なルール(決まり事)を明確にして、労使(経営者と労働者)間でトラブルが生じないようにするために、「就業規則」を定めるということです。
次の様な労働者の労働条件や待遇の基準をはっきり定める。
- 労働時間
- 賃金
- 人事・服務規律
就業規則の記載事項や、作成・変更の手続き、周知などについては、以下をご参照ください。
「モデル就業規則(令和2年11月)」の使い方
厚生労働省のWebサイトからダウンロードできるWord形式のモデル就業規則には、使う際の注意点と使い方まで記載されています。
丁寧だと感じた点や注意点を列挙します。
- 「モデル就業規則(令和2年11月)」には、令和2年11月現在の関係法令との規定を踏まえ、規定例と解説が示されています。
- 就業規則の内容は事業場に合ったものにしなければならないので、各事業場での労働時間、賃金などの内容を十分検討するように注意喚起されています。
- 文中の下線部分(「 株式会社」など)には、社名や具体的な数字を入れればよいようになっています。
なお、「モデル就業規則(令和2年11月)」の想定(前提)として次の事に留意する必要があります。
- 主として通常の労働者への適用を想定して作成されている。
- パートタイム労働者や有期雇用労働者等を雇用している場合、本規則の各条項についてパートタイム労働者や有期雇用労働者等への適用の可否について必ず検討し、必要に応じて別個の就業規則を作成する。
また、パートタイム労働者や有期雇用労働者について「就業規則」を作成したり変更する場合には、代表者の意見を聞くことが(努力目標ですが)求められています。
- その事業場において雇用するパートタイム労働者や有期雇用労働者の過半数を代表すると認められる者の意見を聴くように努めなければならない。
就業規則:「モデル就業規則(令和2年11月)」を使って
以下、「モデル就業規則(令和2年11月)」を使って作った就業規則の1例について説明します。
第1章 総則
就業規則作成の目的や適用範囲について記載します。
第1条 目的
この就業規則(以下「規則」という 。)は、 労働基準法(以下「労基法」とい
う 。)第89条に基づき、 ◯◯株式会社(以下「当社」という。)の労働者の就業に関する事項を定めるものである。
2 この規則に定めた事項のほか、就業に関する事項については、労基法その他の法令の定めによる。
パートタイム労働者や有期雇用労働者について注意が必要です。
第2条 適用範囲
この規則は、当社の労働者に適用する。
2 パートタイム 労働者の就業に関する事項については、別に定めるところによる。
3 前項については、別に定める規則に定めのない事項は、この規則を適用する。
第3条 規則の遵守
会社は、この規則に定める労働条件により、 労働者に就業させる義務を負う。
また、 労働者 は、この規則を遵守しなければならない。
第2章 採用、異動等
採用に際しての手続に関する事項、試用期間、労働条件の明示、人事異動、休職に関すること等について記載します。
個人情報の扱いや個人のプライバシーに関係することが含まれています。
経営者だけでなく、管理職も注意しないといけない内容が含まれています。説明しても分からない理解できない場合には、リスクの1つにもなる可能性があります。
第4条 採用手続
会社は、入社を希望する者の中から選考試験を行い、これに合格した者を採用する。
第5条 採用時の提出書類
労働者として採用された者は、採用された日から2週間以内に次の書類を提出しなければならない。
①住民票記載事項証明書
②自動車運転免許証の写し(ただし、自動車運転免許証を有する場合に限る。)
③資格証明 書の写し(ただし、何らかの資格証明書を有する場合に限
る。)
④その他会社が指定するもの
2 前項の定めにより提出した書類の記載事項に変更を生じたときは、速やかに書面で会社に変更事項を届け出なければならない。
第6条 試用期間
労働者として新たに採用した者については、採用した日から3か月間を試用期間とする。
2 前項について、会社が特に認めたときは、使用期間を短縮し、又は設けないことがある。
3 試用期間中に労働者として不適格と認めた者は、解雇することがある。ただし、入社後14日を経過した者については、第51条第2項に定める手続によって行う。
4 試用期間は、勤続年数に通算する。
試用期間については、経験上3ヵ月のケースが多いと思いますが、「3ヵ月では分からないから採用後半年間は他の社員と同等の待遇で一緒に仕事をしたうえで継続採用かどうか決めている。」と説明を受けたことがあります。
「合わないのに仕事を続けるのは当人にとっても受け入れる側にとってもよいことがない」という考え方を実践している会社もあるのだなと思いました。
第7条 労働条件の明示
会社は、労働者を採用するとき、採用時の賃金、就業場所、従事する業務、労働時間、休日、その他の労働条件を記した労働条件通知書及びこの規則を交付して労働条件を明示するものとする。
第8条 人事異動
会社は、業務上必要がある場合に、労働者に対して就業する場所及び従事する業務の変更を命ずることがある。
2 会社は、業務上必要がある場合に、 労働者 を在籍のまま関係会社へ出向させることがある。
3 前2項の場合、労働者は正当な理由なくこれを拒むことはできない。
第9条 休職
労働者が、次のいずれかに該当するときは、所定の期間休職とする。
①業務外の傷病による欠勤が6か月を超え、なお療養を継続する必要があるため勤務できないとき
1年以内
②前号のほか、特別な事情があり休職させることが適当と認められるとき
必要な期間
2 休職期間中に休職事由が消滅したときは、原則として元の職務に復帰させる。ただし、元の職務に復帰させることが困難又は不適当な場合には、他の職務に就かせることがある。
3 第1項第1号により休職し、休職期間が満了してもなお傷病が治癒せず就業が困難な場合は、休職期間の満了をもって退職とする。
第3章 服務規律
服務規律は、文例の通り
「労働者は、職務上の責任を自覚し、誠実に職務を遂行するとともに、会社の指示命令に従い、職務能率の向上及び職場秩序の維持に努めなければならない。」
なのでしょうが、指示命令に従わないようなことが起きた際の対応を誤ると悪い影響がじわじわと広がっていく様なケースもあります。
どうしてそうなってしまうのかと思いつつ転職する人もいれば、静かにお仕事をしている人もいます。
第10条 服務
労働者は、職務上の責任を自覚し、誠実に職務を遂行するとともに、会社の指示命令に従い、職務能率の向上及び職場秩序の維持に努めなければならない。
服務指導と言いますが、なかなか難しい。言わなくて分かればそもそも問題はでないし。
第11条 遵守事項
労働者は、以下の事項を守らなければならない。
①許可なく職務以外の目的で会社の施設、物品等を使用しないこと。
②職務に関連して自己の利益を図り、又は他より不当に金品を借用し、若しくは贈与を受ける等不正な行為を行わないこと。
③勤務中は職務に専念し、正当な理由なく勤務場所を離れないこと。
④会社の名誉や信用を損なう行為をしないこと。
⑤在職中及び退職後においても、業務上知り得た会社、取引先等の機密を漏洩しないこと。
⑥酒気を帯びて就業しないこと。
⑦その他労働者としてふさわしくない行為をしないこと。
服務指導とも関連しますが、何らかの問題があるとき、就業規則の文章では定義があいまいなので苦労することになるようです。正解はないとも思っています。
第12条 職場のパワーハラスメントの禁止
職務上の地位や人間関係などの職場内の優越的な関係を背景とした、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により、他の労働者の就業環境を害するようなことをしてはならない。
ハラスメントかどうかは、受けた側が判断するのだということを理解しているかどうかがポイントだと考えています。
第13条 セクシュアルハラスメントの禁止
性的言動により、他の労働者に不利益や不快感を与えたり、就業環境を害するようなことをしてはならない。
第14条 妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメントの禁止
妊娠・出産等に関する言動及び妊娠・出産・育児・介護等に関する制度又は措置の利用に関する言動により、他の労働者の就業環境を害するようなことをしてはならない。
第15条 その他あらゆるハラスメントの禁止
第12条から前条までに規定するもののほか、性的指向・性自認に関する言動によるものなど職場におけるあらゆるハラスメントにより、他の労働者の就業環境を害するようなことをしてはならない。
第16条 個人情報保護
労働者は、会社及び取引先等に関する情報の管理に十分注意を払うとともに、自らの業務に関係のない情報を不当に取得してはならない。
2 労働者は、職場又は職種を異動あるいは退職するに際して、自らが管理していた会社及び取引先等に関するデータ・情報書類等を速やかに返却しなければならない。
「個人情報って何?」から、労働者個人、それを管理する人事や管理職、知らないですむなら知りたくないし扱いたくもないものでもありますが、10人以上の労働者がいたら管理することが法的に要求される時代ということです。
第17条 始業及び終業時刻の記録
労働者は、始業及び終業時にタイムカードを自ら打刻し、始業及び終業の時刻を記録しなければならない。
第18条 遅刻、早退、欠勤等
労働者は遅刻、早退若しくは欠勤をし、又は勤務時間中に私用で事業場から外出する際は、事前に上長に対し申し出るとともに、承認を受けなければならない。ただし、やむを得ない理由で事前に申し出ることができなかった場合は、事後に速やかに届出をし、承認を得なければならない。
2 前項の場合は、第43条に定めるところにより、原則として不就労分に対応する賃金は控除する。
3 傷病のため継続して5日以上欠勤するときは、医師の診断書を提出しなければならない。
第4章 労働時間、休憩及び休日
労働時間、休憩及び休日に関することは、就業規則の絶対的必要記載事項に当たります。労働時間、休憩及び休日について細かく定められています。
ここでは、1日の労働時間8時間、交替勤務なし、完全週休2日制としています。
第19条 労働時間及び休憩時間
労働時間は、1週間については40時間、1日については8時間とする。
2 始業・終業の時刻及び休憩時間は、次のとおりとする。ただし、業務の都合その他やむを得ない事情により、これらを繰り上げ、又は繰り下げることがある。この場合、前日までに労働者に通知する。
始業・終業時刻 | 休憩時間 |
---|---|
始業 9時00分 終業 17時30分 |
12時00分から13時00分まで |
第20条 休日
休日は、次のとおりとする。
①土曜日及び日曜日
②国民の祝日(日曜日と重なったときは翌日)
③年末年始(12月30日~1月3日)
④夏季休日(8月で会社の指定する連続する3日間)
⑤その他会社が指定する日
2 業務の都合により会社が必要と認める場合は、あらかじめ前項の休日を他の日と振り替えることがある。
第21条 時間外及び休日労働
業務の都合により、第19条の所定労働時間を超え、又は第20条の所定休日に労働させることがある。
2 前項の場合、法定労働時間を超える労働又は法定休日における労働については、あらかじめ会社は労働者の過半数代表者と書面による労使協定を締結するとともに、これを所轄の労働基準監督署長に届け出るものとする。
3 妊娠中の女性、産後1年を経過しない女性労働者(以下「妊産婦」というであって請求した者及び18歳未満の者については、第2項による時間外労働又は休日若しくは深夜(午後10時から午前5時まで)労働に従事させない。
4 災害その他避けることのできない事由によって臨時の必要がある場合には、第1項から前項までの制限を超えて、所定労働時間外又は休日に労働させることがある。ただし、この場合であっても、請求のあった妊産婦については、所定労働時間外労働又は休日労働に従事させない。
第5章 休暇等
年次有給休暇等法定の休暇だけでなく、会社で設けている休暇については就業規則に必ず定めます。
第22条 年次有給休暇
採用日から6か月間継続勤務し、所定労働日の8割以上出勤した労働者に対しては、10日の年次有給休暇を与える。その後1年間継続勤務するごとに、当該1年間において所定労働日の8割以上出勤した労働者に対しては、下の表のとおり勤続期間に応じた日数の年次有給休暇を与える。
勤続期間 | 6か月 |
1年 6か月 |
2年 6か月 |
3年 6か月 |
4年 6か月 |
5年 6か月 |
6年 6か月以上 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
付与日数 | 10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
2 前項の規定にかかわらず、週所定労働時間30時間未満であり、かつ、週所定労働日数が4日以下(週以外の期間によって所定労働日数を定める労働者については年間所定労働日数が216日以下)の労働者に対しては、下の表のとおり所定労働日数及び勤続期間に応じた日数の年次有給休暇を与える。
週所定 労働日数 |
1年間の 所定労働日数 |
勤続期間 | ||||||
6か月 |
1年 6か月 |
2年 6か月 |
3年 6か月 |
4年 6か月 |
5年 6か月 |
6年 6か月以上 |
||
4日 | 169日~216日 | 7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 12日 | 13日 | 15日 |
3日 | 121日~168日 | 5日 | 6日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 |
2日 | 73日~120日 | 3日 | 4日 | 4日 | 5日 | 6日 | 6日 | 7日 |
1日 | 48日~72日 | 1日 | 2日 | 2日 | 2日 | 3日 | 3日 | 3日 |
3 第1項又は第2項の年次有給休暇は、労働者があらかじめ請求する時季に取得させる。ただし、労働者が請求した時季に年次有給休暇を取得させることが事業の正常な運営を妨げる場合は、他の時季に取得させることがある。
4 前項の規定にかかわらず、労働者代表との書面による協定により、各労働者の有する年次有給休暇日数のうち5日を超える部分について、あらかじめ時季を指定して取得させることがある。
第23条 年次有給休暇の時間単位での付与
労働者代表との書面による協定に基づき、前条の年次有給休暇の日数のうち、1年について5日の範囲で次により時間単位の年次有給休暇(以下「時間単位年休」という。)を付与する。
(1)時間単位年休付与の対象者は、すべての労働者とする。
(2)時間単位年休を取得する場合の、1日の年次有給休暇に相当する時間数は、以下のとおりとする。
①所定労働時間が5時間を超え6時間以下の者…6時間
②所定労働時間が6時間を超え7時間以下の者…7時間
③所定労働時間が7時間を超え8時間以下の者…8時間
(3)時間単位年休は1時間単位で付与する。
(4)本条の時間単位年休に支払われる賃金額は、所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金の1時間当たりの額に、取得した時間単位年休の時間数を乗じた額とする。
(5)上記以外の事項については、前条の年次有給休暇と同様とする。
第24条 産前産後の休業
6週間(多胎妊娠の場合は14週間)以内に出産予定の女性労働者から請求があったときは、休業させる。
2 産後8週間を経過していない女性労働者は、就業させない。
3 前項の規定にかかわらず、産後6週間を経過した女性労働者から請求があった場合は、その者について医師が支障ないと認めた業務に就かせることがある。
第25条 母性健康管理の措置
妊娠中又は出産後1年を経過しない女性労働者から、所定労働時間内に、母子保健法(昭和40年法律第141号)に基づく保健指導又は健康診査を受けるために申出があったときは、次の範囲で時間内通院を認める。
①産前の場合
妊娠23週まで・・・・・・・・4週に1回
妊娠24週から35週まで・・・2週に1回
妊娠36週から出産まで・・・・1週に1回
ただし、医師又は助産師(以下「医師等」という。)がこれと異なる指示をしたときには、その指示により必要な時間
②産後(1年以内)の場合
医師等の指示により必要な時間
2 妊娠中又は出産後1年を経過しない女性労働者から、保健指導又は健康診査に基づき勤務時間等について医師等の指導を受けた旨申出があった場合、次の措置を講ずる。
①妊娠中の通勤緩和措置として、通勤時の混雑を避けるよう指導された場合は、原則として時間の勤務時間の短縮又は 時間以内の時差出勤を認める。
②妊娠中の休憩時間について指導された場合は、適宜休憩時間の延長や休憩の回数を増やす。
③妊娠中又は出産後の女性労働者が、その症状等に関して指導された場合は、医師等の指導事項を遵守するための作業の軽減や勤務時間の短縮、休業等の措置をとる。
第26条 育児時間及び生理休暇
1歳に満たない子を養育する女性労働者から請求があったときは、休憩時間のほか1日について2回、1回について30分の育児時間を与える。
2 生理日の就業が著しく困難な女性労働者から請求があったときは、必要な期間休暇を与える。
第27条 育児・介護休業、子の看護休暇等
労働者のうち必要のある者は、育児・介護休業法に基づく育児休業、介護休業、子の看護休暇、介護休暇、育児・介護のための所定外労働、時間外労働及び深夜業の制限並びに所定労働時間の短縮措置等(以下「育児・介護休業等」という。)の適用を受けることができる。
2 育児・介護休業等の取扱いについては、「育児・介護休業等に関する規則」で定める。
ここでは、育児・介護休業、子の看護休暇等に関する事項について、就業規則本体とは別に定める形式をとっています。以下をご参照ください。
第28条 慶弔休暇
労働者 が申請した場合は、次のとおり慶弔休暇を与える。
①本人が結婚したとき 休日を除き 5日
②妻が出産したとき 同上 3日日
③配偶者、子又は父母が死亡したとき 同上 5日
④兄弟姉妹、祖父母、配偶者の父母又は兄弟姉妹が死亡したとき 同上 2日
慶弔休暇を特別休暇と呼ぶ場合もあります。
上記の他、永年勤続表彰などの場合を含める場合もあります。
第29条 病気休暇
労働者が私的な負傷又は疾病のため療養する必要があり、その勤務しないことがやむを得ないと認められる場合に、病気休暇を5日与える。
第30条 裁判員等のための休暇
労働者が裁判員若しくは補充裁判員となった場合又は裁判員候補者となった場合には、次のとおり休暇を与える。
①裁判員又は補充裁判員となった場合 必要な日数
②裁判員候補者となった場合 必要な時間
第6章 賃金
この例では、賃金に関する事項を就業規則に含めています。
賃金に関する事項については、就業規則本体とは別に定めることもできます。その場合、別に定めた規程も就業規則の一部になりますので、所轄労働基準監督署長への届出が必要となります。
第31条 賃金の構成
賃金の構成は、次のとおりとする。
賃金 | 基本給 | |
手当 |
家族手当 通勤手当 役付手当 技能・資格手当 精勤手当 |
|
割増賃金 |
時間外労働割増賃金 休日労働割増賃金 深夜労働割増賃金 |
第32条 基本給
基本給は、本人の職務内容、技能、勤務成績、年齢等を考慮して各人別に決定する。
第33条 家族手当
家族手当は、次の家族を扶養している労働者に対し支給する。
①18歳未満の子
1人につき 月額 ◯◯円
②65歳以上の父母
1人につき 月額 ◯◯円
第34条 通勤手当
通勤手当は、月額◯◯円までの範囲内において、通勤に要する実費に相当する額を支給する。
第35条 役付手当
役付手当は、以下の職位にある者に対し支給する。
部長 月額 ◯◯円
課長 月額 ◯◯円
係長 月額 ◯◯円
2 昇格によるときは、発令日の属する賃金月から支給する。この場合、当該賃金月においてそれまで属していた役付手当は支給しない。
3 降格によるときは、発令日の属する賃金月の次の賃金月から支給する。
中小企業に限った話ではないのですが、役職に応じた給料テーブルでは評価する際に実態と不整合が出てしまうケースも少なくないのではないでしょうか。
第36条 技能・資格手当
技能・資格手当は、次の資格を持ち、その職務に就く者に対し支給する。
安全・衛生管理者(安全衛生推進者を含む。) 月額 ◯◯円
食品衛生責任者 月額 ◯◯円
調理師 月額 ◯◯円
栄養士 月額 ◯◯円
諸手当に関しては、本規程例で示したもののほか住宅手当、職務手当、単身赴任手当、営業手当等を様々なものがあります。
全体的な傾向としては手当は種類を含め削減方向にあるのではないでしょうか。
第37条 精勤手当
精勤手当は、当該賃金計算期間における出勤成績により、次のとおり支給する。
①無欠勤の場合 月額 ◯◯円
②欠勤1日以内の場合 月額 ◯◯円
2 前項の精勤手当の計算においては、次のいずれかに該当するときは出勤したものとみなす。
①年次有給休暇を取得したとき
②業務上の負傷又は疾病により療養のため休業したとき
3 第1項の精勤手当の計算に当たっては、遅刻又は早退回をもって、欠勤1日とみなす。
第38条 割増賃金
時間外労働に対する割増賃金は、次の割増賃金率に基づき、次項の計算方法により支給する。
(1)1か月の時間外労働の時間数に応じた割増賃金率は、次のとおりとする。この場合の1か月は毎月1日を起算日とする。
①時間外労働45時間以下 25%
②時間外労働45時間超 ~60時間以下 35%
③時間外労働60時間超 50%
④③の時間外労働のうち代替休暇を取得した時間 35 %(残り15%の割増賃金は代替休暇に充当する。)
(2)1年間の時間外労働の時間数が360時間を超えた部分については、40%とする。この場合の1年は毎年4月1日を起算日とする。
(3)時間外労働に対する割増賃金の計算において、上記(1)及び(2)のいずれにも該当する時間外労働の時間数については、いずれか高い率で計算することとする。
2 割増賃金は、次の算式により計算して支給する。
(1)月給制の場合
①時間外労働の割増賃金
②休日労働の割増賃金(法定休日に労働させた場合)
③深夜労働の割増賃金(午後10時から午前5時までの間に労働させた場合)
第39条 1年単位の変形労働時間制に関する賃金の精算
1年単位の変形労働時間制の規定(第19条及び第20条)により労働させた期間が当該対象期間より短い労働者に対しては、その 労働者 が労働した期間を平均し1週間当たり40時間を超えて労働させた時間(前条の規定による割増賃金を支払った時間を除く。)については、前条の時間外労働についての割 増賃金の算式中の割増率を0.25として計算した割増賃金を支払う。
第40条 代替休暇
1か月の時間外労働が60時間を超えた 労働者 に対して、労使協定に基づき、次により代替休暇を与えるものとする。
2 代替休暇を取得できる期間は、直前の賃金締切日の翌日から起算して、翌々月の賃金締切日までの2か月とする。
3 代替休暇は、半日又は1日で与える。この場合の半日とは、午前(9:00~13:00)又は午後(13:00~17:30)のことをいう。
4 代替休暇の時間数は、1か月60時間を超える時間外労働時間数に換算率を乗じた時間数とする。この場合において、換算率とは、代替休暇を取得しなかった場合に支払う割増賃金率50%から代替休暇を取得した場合に支払う割増賃金率35%を差し引いた15%とする。また、労働者が代替休暇を取得した場合は、取得した時間数を換算率(15%)で除した時間数については、15%の割増賃金の支払を要しないこととする。
5 代替休暇の時間数が半日又は1日に満たない端数がある場合には、その満たない部分についても有給の休暇とし、半日又は1日の休暇として与えることができる。ただし、前項の割増賃金の支払を要しないこととなる時間の計算においては、代替休暇の時間数を上回って休暇とした部分は算定せず、代替休暇の時間数のみで計算することとする。
6 代替休暇を取得しようとする者は、1か月に60時間を超える時間外労働を行った月の賃金締切日の翌日から5日以内に、会社に申し出ることとする。代替休暇取得日は、労働者の意向を踏まえ決定することとする。
7 会社は、前項の申出があった場合には、支払うべき割増賃金額のうち代替休暇に代替される割増賃金額を除いた部分を通常の賃金支払日に支払うこととする。ただし、当該月の末日の翌日から2か月以内に取得がなされなかった場合には、取得がなされないことが確定した月に係る賃金支払日に残りの15%の割増賃金を支払うこととする。
8 会社は、第6項に定める期間内に申出がなかった場合は、当該月に行われた時間外労働に係る割増賃金の総額を通常の賃金支払日に支払うこととする。ただし、第6項に定める期間内に申出を行わなかった 労働者 から、第2項に定める代替休暇を取得できる期間内に改めて代替休暇の取得の申出があった場合には、会社の承認により、代替休暇を与えることができる。この場合、代替休暇の取得があった月に係る賃金支払日に過払分の賃金を精算するものとする。
第41条 休暇等の賃金
年次有給休暇の期間は、所定労働時間労働したときに支払われる通常の賃金を支払う。
2 産前産後の休業期間、育児時間、生理休暇、母性健康管理のための休暇、育児・介護休業法に基づく育児休業期間、介護休業期間、子の看護休暇期間及び介護休暇期間、裁判員等のための休暇の期間は、通常の賃金を支払うこととする。
3 第9条に定める休職期間中は、原則として賃金を支給しない3か月までは5割を支給する)。
第42条 臨時休業の賃金
会社側の都合により、所定労働日に労働者を休業させた場合は、休業1日につき労基法第12条に規定する平均賃金の6割を支給する。この場合において、1日のうちの一部を休業させた場合にあっては、その日の賃金については労基法第26条に定めるところにより、平均賃金の6割に相当する賃金を保障する。
第43条 欠勤等の扱い
欠勤、遅刻、早退及び私用外出については、基本給から当該日数又は時間分の賃金を控除する。
2 前項の場合、控除すべき賃金の1時間あたりの金額の計算は以下のとおりとする。
(1)月給の場合
基本給÷1か月平均所定労働時間数
(1か月平均所定労働時間数は第36条第3項の算式により計算する。)
(2)日給の場合
基本給÷1日の所定労働時間数
第44条 賃金の計算期間及び支払日
賃金は、毎月20日に締め切って計算し、翌月25日に支払う。ただし、支払日が休日に当たる場合は、その前日に繰り上げて支払う。
2 前項の計算期間の中途で採用された労働者又は退職した労働者については、月額の賃金は当該計算期間の所定労働日数を基準に日割計算して支払う。
第45条 賃金の支払と控除
賃金は、労働者に対し、通貨で直接その全額を支払う。
2 前項について、労働者が同意した場合は、労働者本人の指定する金融機関の預貯金口座又は証券総合口座へ振込により賃金を支払う。
3 次に掲げるものは、賃金から控除する。
①源泉所得税
②住民税
③健康保険、厚生年金保険及び雇用保険の保険料の被保険者負担分
④労働者代表との書面による協定により賃金から控除することとした社宅入居料、財形貯蓄の積立金及び組合費
第46条 賃金の非常時払い
労働者又はその収入によって生計を維持する者が、次のいずれかの場合に該当し、そのために労働者から請求があったときは、賃金支払日前であっても、既往の労働に対する賃金を支払う。
①やむを得ない事由によって1週間以上帰郷する場合やむを得ない事由によって1週間以上帰郷する場合
②結婚又は死亡の場合結婚又は死亡の場合
③出産、疾病又は災害の場合出産、疾病又は災害の場合
④退職又は退職又は解雇により離職した場合解雇により離職した場合
第47条 昇給
昇給は、勤務成績その他が良好な労働者について、毎年4月1日をもって行うものとする。ただし、会社の業績の著しい低下その他やむを得ない事由がある場合は、行わないことがある。
2 顕著な業績が認められた労働者については、前項の規定にかかわらず昇給を行うことがある。
3 昇給額は、労働者の勤務成績等を考慮して各人ごとに決定する。
第48条 賞与
賞与は、原則として、下記の算定対象期間に在籍した労働者に対し、会社の業績等を勘案して下記の支給日に支給する。ただし、会社の業績の著しい低下その他やむを得ない事由により、支給時期を延期し、又は支給しないことがある。
算定対象期間 | 支給日 |
---|---|
4月1日から9月30日まで | 10月10日 |
10月1日から3月31日まで | 4月10日 |
2 前項の賞与の額は、会社の業績及び労働者の勤務成績などを考慮して各人ごとに決定する。
第7章 定年、退職及び解雇
退職に関する事項とは、任意退職、解雇、契約期間の満了による退職等労働者がその身分を失うすべての場合に関する事項になります。
第49条 定年等
労働者の定年は、満60歳とし、定 年に達した日の属する月の末日をもって退職とする。
2 前項の規定にかかわらず、定年後も引き続き雇用されることを希望し、解雇事由又は退職事由に該当しない労働者については、満65歳 までこれを継続雇用する。
第50条 退職
前条に定めるもののほか、労働者が次のいずれかに該当するときは、退職とする。
①退職を願い出て会社が承認したとき、又は退職願を提出して14日を経過した
とき
②期間を定めて雇用されている場合、その期間を満了したとき
③第9条に定める休職期間が満了し、なお休職事由が消滅しないとき
④死亡したとき
2 労働者が退職し、又は解雇された場合、その請求に基づき、使用期間、業務の種類、地位、賃金又は退職の事由を記載した証明書を遅滞なく交付する。
第51条 解雇
労働者 が次のいずれかに該当するときは、解雇することがある。
①勤務状況が著しく不良で、改善の見込みがなく、労働者としての職責を果たし得ないとき。
②勤務成績又は業務能率が著しく不良で、向上の見込みがなく、他の職務にも転換できない等就業に適さないとき。
③業務上の負傷又は疾病による療養の開始後3年を経過しても当該負傷又は疾病が治らない場合であって、労働者が傷病補償年金を受けているとき又は受けることとなったとき(会社が打ち切り補償を支払ったときを含む。)。
④精神又は身体の障害により業務に耐えられないとき。
⑤試用期間における作業能率又は勤務態度が著しく不良で、労働者として不適格であると認められたとき。
⑥第66条第2項に定める懲戒解雇事由に該当する事実が認められたとき。
⑦事業の運営上又は天災事変その他これに準ずるやむを得ない事由により、事業の縮小又は部門の閉鎖等を行う必要が生じ、かつ他の職務への転換が困難なとき。
⑧その他前各号に準ずるやむを得ない事由があったとき。
2 前項の規定により労働者を解雇する場合は、少なくとも30日前に予告をする。予告しないときは、平均賃金の30日分以上の手当を解雇予告手当として支払う。ただし、予告の日数については、解雇予告手当を支払った日数だけ短縮することができる。
3 前項の規定は、労働基準監督署長の認定を受けて労働者を第66条第65条第1項第4号に定める懲戒解雇にする場合又は次の各号のいずれかに該当する労働者を解雇する場合は適用しない。
①日々雇い入れられる労働者(ただし、1か月を超えて引き続き使用されるに至った者を除く。)
②2か月以内の期間を定めて使用する 労働者 (ただし、その期間を超えて引き続き使用されるに至った者を除く。)
③試用期間中の 労働者 (ただし、14日を超えて引き続き使用されるに至った者を除く。)
4 第1項の規定による労働者の解雇に際して労働者から請求のあった場合は、解雇の理由を記載した証明書を交付する。
第8章 退職金
退職金については、別途退職金規定を定める場合もあります。
第52条 退職金の支給
勤続3年以上の労働者が退職し又は解雇されたときは、この章に定めるところにより退職金を支給する。ただし、自己都合による退職者で、勤続3年未満の者には退職金を支給しない。また、 第65条 第2項により懲戒解雇された者には、退職金の全部又は一部を支給しないことがある。
2 継続雇用制度の対象者については、定年時に退職金を支給することとし、その後の
再雇用については退職金を支給しない。
第53条 退職金の額
退職金の額は、退職又は解雇の時の基本給の額に、勤続年数に応じて定めた下表の支給率を乗じた金額とする。
勤続年数 | 支給率 |
---|---|
5年未満 | 1.0 |
5年~10年 | 3.0 |
11年~15年 | 5.0 |
16年~20年 | 7.0 |
21年~25年 | 10.0 |
26年~30年 | 15.0 |
31年~35年 | 17.0 |
36年~40年 | 20.0 |
41年~ | 25.0 |
2 第9条により休職する期間については、会社の都合による場合を除き、前項の勤続
年数に算入しない。
ここでは、退職金の額の算定は、退職又は解雇の時の基本給と勤続年数に応じて算出しています。
第54条 退職金の支払方法及び支払時期
退職金は、支給事由の生じた日から1か月以内に、退職し 労働者(死亡による退職の場合はその遺族)に対して支払う。
第9章 無期労働契約への転換
期間の定めのある労働契約(有期労働契約)で働く従業員に適用される就業規則を別に作ることもあります。
第55条 無期労働契約への転換
期間の定めのある労働契約(有期労働契約で雇用する従業員のうち、通算契約期間が5年を超える従業員は、別に定める様式で申込むことにより、現在締結している有期労働契約の契約期間の末日の翌日から、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)での雇用に転換することができる。
2 前項の通算契約期間は、平成25年4月1日以降に開始する有期労働契約の契約期間を通算するものとする。ただし、契約期間満了に伴う退職等により、労働契約が締結されていない期間が連続して6ヶ月以上ある従業員については、それ以前の契約期間は通算契約期間に含めない。
3 この規則に定める労働条件は、第1項の規定により無期労働契約での雇用に転換した後も引き続き適用する。ただし、無期労働契約へ転換した時の年齢が、第49条に規定する定年年齢を超えていた場合は、当該従業員に係る定年は、満60歳とし、定年に達した日の属する月の末日をもって退職とする。
無期転換ルール全般の詳細は、パンフレット「労働契約法改正のあらまし」4~7頁や、「有期契約労働者の無期転換ポータルサイト」をご参照ください。
第10章 安全衛生及び災害補償
安全衛生及び災害補償に関する事項は、必ず就業規則に記載しなければなりません。
第56条 遵守事項
会社は、労働者の安全衛生の確保及び改善を図り、快適な職場の形成のために必要な措置を講ずる。
2 労働者は、安全衛生に関する法令及び会社の指示を守り、会社と協力して労働災害の防止に努めなければならない。
3 労働者は安全衛生の確保のため、特に下記の事項を遵守しなければならない。
①機械設備、工具等の就業前点検を徹底すること。また、異常を認めたときは、速やかに会社に報告し、指示に従うこと。
②安全装置を取り外したり、その効力を失わせるようなことはしないこと。
③保護具の着用が必要な作業については、必ず着用すること。
④20歳未満の者は、喫煙可能な場所には立ち入らないこと。
⑤受動喫煙を望まない者を喫煙可能な場所に連れて行かないこと。
⑥立入禁止又は 通行禁止区域には立ち入らないこと。
⑦常に整理整頓に努め、通路、避難口又は 消火設備のある所に物品を置かないこと。
⑧火災等非常災害の発生を発見したときは、直ちに臨機の措置をとり、上長に報告し、その指示に従うこと。
受動喫煙対策に取り組むべき例は、従業員対策ガイドライン(仮称)を御参照ください。
第57条 健康診断
労働者 に対しては、採用の際及び毎年1回(深夜労働に従事する者は6か月ごとに1回)、定期に健康診断を行う。
2 前項の健康診断のほか、法令で定められた有害業務に従事する労働者に対しては、特別の項目についての健康診断を行う。
3 第1項及び前項の健康診断の結果必要と認めるときは、一定期間の就業禁止、労働時間の短縮、配置転換その他健康保持上必要な措置を命ずることがある。
第58条 長時間労働者に対する面接指導
会社は、労働者の労働時間の状況を把握する。
2 長時間の労働により疲労の蓄積が認められる労働者に対し、その者の申出により医師による面接指導を行う。
3 前項の面接指導の結果必要と認めるときは、一定期間の就業禁止、労働時間の短縮、配置転換その他健康保持上必要な措置を命ずることがある。
第59条 ストレスチェック
労働者に対しては、毎年1回、定期に、医師、保健師等による心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)を行う。
2 前項のストレスチェックの結果、ストレスが高く、面接指導が必要であると医師、保健師等が認めた労働者に対し、その者の申出により医師による面接指導を行う。
3 前項の面接指導の結果必要と認めるときは、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等、必要な措置を命ずることがある。
第60条 健康管理上の個人情報の取扱い
事業者は労働者の心身の状態に関する情報を適正に取り扱う。
第61条 安全衛生教育
労働者 に対し、雇入れの際及び配置換え等により作業内容を変更した場合、その従事する業務に必要な安全及び衛生に関する教育を行う。
2 労働者は、安全衛生教育を受けた事項を遵守しなければならない。
個人としては健康第一、職場では安全第一と考えています。
第62条 災害補償
労働者 が業務上の事由又は通勤により負傷し、疾病にかかり、又は死亡した場合は、労基法及び労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)に定めるところにより災害補償を行う。
第11章 職業訓練
職業訓練について定める場合には、必ず就業規則に記載します。
第63条 教育訓練
会社は、業務に必要な知識、技能を高め、資質の向上を図るため、労働者に対し、必要な教育訓練を行う。
2 労働者は、会社から教育訓練を受講するよう指示された場合には、特段の事由がない限り教育訓練を受けなければならない。
3 前項の指示は、教育訓練開始日の少なくとも2週間前までに該当労働者に対し文書で通知する。
第12章 表彰及び制裁
表彰及び制裁について、その種類及び程度に関する事項について定める場合には、必ず就業規則に記載します。
ハラスメントについての言動を行った者について厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等の文書に規定し、管理・監督者を含む労働者に周知する必要があります。
第64条 表彰
会社は、労働者が次のいずれかに該当するときは、表彰することがある。
①業務上有益な発明、考案を行い、会社の業績に貢献したとき。
②永年にわたって誠実に勤務し、その成績が優秀で他の模範となるとき。
③永年にわたり無事故で継続勤務したとき。
④社会的功績があり、会社及び労働者の名誉となったとき。
⑤前各号に準ずる善行又は功労のあったとき。
2 表彰は、原則として会社の創立記念日に行う。また、賞状のほか賞金を授与する。
第65条 懲戒の種類
会社は、 労働者 が次条のいずれかに該当する場合は、その情状に応じ、次の区分により懲戒を行う。
①けん責 | 始末書を提出させて将来を戒める。 |
---|---|
②減給 | 始末書を提出させて減給する。ただし、減給は1回の額が平均賃金の1日分の5割を超えることはなく、また、総額が1賃金支払期における賃金総額の1割を超えることはない。 |
③出勤停止 | 始末書を提出させるほか、2日間を限度として出勤を停止し、その間の賃金は支給しない。 |
④懲戒解雇 | 予告期間を設けることなく即時に解雇する。この場合において、所轄の労働基準監督署長の認定を受けたときは、解雇予告手当(平均賃金の30日分)を支給しない。 |
第66条 懲戒の事由
労働者が次のいずれかに該当するときは、情状に応じ、けん責、減給又は出勤停止とする。
①正当な理由なく無断欠勤が5日以上に及ぶとき。
②正当な理由なくしばしば欠勤、遅刻、早退をしたとき。
③過失により会社に損害を与えたとき。
④素行不良で社内の秩序及び風紀を乱したとき。
⑤第11条、第12条、第13条、第14条、第15条に違反したとき。
⑥その他この規則に違反し又は前各号に準ずる不都合な行為があったとき。
2 労働者が次のいずれかに該当するときは、懲戒解雇とする。ただし、平素の服務態度その他情状によっては、第51条に定める普通解雇、前条に定める減給又は出勤停止とすることがある。
①重要な経歴を詐称して雇用されたとき。
②正当な理由なく 無断欠勤が5日以上に及び、出勤の督促に応じなかったとき。
③正当な理由なく無断でしばしば遅刻、早退又は欠勤を繰り返し、5回にわたって注意を受けても改めなかったとき。
④正当な理由なく、しばしば業務上の指示・命令に従わなかったとき。
⑤故意又は重大な過失により会社に重大な損害を与えたとき。
⑥会社内において刑法 その他刑罰法規の各規定に違反する行為を行い、その犯罪事実が明らかとなったとき(当該行為が軽微な違反である場合を除く。)。
⑦素行不良で著しく社内の秩序又は風紀を乱したとき。
⑧数回にわたり懲戒を受けたにもかかわらず、なお、勤務態度等に関し、改善の見込みがないとき。
⑨第12条、第13条、第14条、第15条に違反し、その情状が悪質と認められるとき。
⑩許可なく職務以外の目的で会社の施設、物品等を使用したとき。
⑪職務上の地位を利用して私利を図り、又は取引先等より不当な金品を受け、若しくは求め若しくは供応を受けたとき。
⑫私生活上の非違行為や会社に対する正当な理由のない誹謗中傷等であって、会社の名誉信用を損ない、業務に重大な悪影響を及ぼす行為をしたとき。
⑬正当な理由なく会社の業務上重要な秘密を外部に漏洩して会社に損害を与え、又は業務の正常な運営を阻害したとき。
⑭その他前各号に準ずる不適切な行為があったとき。
第13章 公益通報者保護
いわゆる内部告発に関する事項です。
第67条 公益通報者の保護
会社は、労働者から組織的又は個人的な法令違反行為等に関する相談又は通報があった場合には、別に定めるところにより処理を行う。
第14章 副業・兼業
内容は実情にあったものとしなければならず、労使間で十分な検討が必要とされています。モデル就業規則では、事例(判例)が多数紹介されています。
第68条 副業・兼業
労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。
3 第1項の業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合には、会社は、これを禁止又は制限することができる。
①労務提供上の支障がある場合
②企業秘密が漏洩する場合
③会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
④競業により、企業の利益を害する場合
副業・兼業については、モデル就業規則の解説を参考に、事前に十分検討し慎重な判断が必要だと考えています。
附則
第1条 施行期日
この規則は、2021年4月1日から施行する。
まとめ
会社のルールの1つに、就業規則があります。法律(労働基準法)では、常時10人以上の従業員がいる場合には、就業規則を作成し外部(労働基準監督署)に提出しなければならないものです。
ここでは、厚生労働省のモデル就業規則(令和2年11月)から20名規模のモノづくりメーカーを想定して就業規則の一例を作成し、ポイント等を説明しました。
- 就業規則の情報:厚生労働省の「モデル就業規則(令和2年11月)」
- 「就業規則」が法的に求められる場合
- 就業規則の意義など
- 「モデル就業規則(令和2年11月)」の使い方
- 就業規則:「モデル就業規則(令和2年11月)」を使って
- 第1章 総則
- 第2章 採用、異動等
- 第3章 服務規律
- 第4章 労働時間、休憩及び休日
- 第5章 休暇等
- 第6章 賃金
- 第7章 定年、退職及び解雇
- 第8章 退職金
- 第9章 無期労働契約への転換
- 第10章 安全衛生及び災害補償
- 第11章 職業訓練
- 第12章 表彰及び制裁
- 第13章 公益通報者保護
- 第14章 副業・兼業