コミュニケーションという言葉、便利に使っていますが、人により意味するところが違うこともあり、あいまいな言葉でもあります。
ここでは、
- 私が考えているコミュニケーションのイメージ
- 説明が上手い・下手
- 内部監査員とコミュニケーション
について、私の経験などを交えまとめています。
コミュニケーションの意味(イメージ)
コミュニケーションの上手・下手についての言葉を列挙してみます。
- コミュニケーションをとるのが上手(うまい)。
- コミュニケーションをとるのが下手。
- コミュニケーションが取れない
- 何を言っているのか分からない。
- 言いたいことが伝わらない。
- 話が上手(うまい)
- 説明が上手(うまい)
コミュニケーションは、仕事に限った話ではありません。
私事ですが、職場では説明が上手いと言われていても、家に帰ると「何をいっているのか分からない」と言われることも珍しくありません。
どうやら、聞かれたたことに対して、視点(見る目)や考え方が違い過ぎているようです。
これまでを振り返ってみると多い当たることがあります。
ある職場での昇任試験で小論文を書く試験がありました。
模擬試験のときからその傾向はあったのですが、本番の試験で小論文2問の評価が最高と最低だったことがあります。小論文の採点は複数の試験官が行いますが、誰の回答かは分からないにもかかわらず、評価が両極端に分かれたわけです。
小論文では自分の主張がぶれないようにして回答しているつもりでしたが、このような評価(採点結果)が出てしまうと、試験対策をしようと思い悩むこともありましたが、結局もどうにもならないことが分かり、指導してくださった先輩と頭を抱えたことがあります。
小論文とは言え、試験なので問題に対し期待される回答を想像して回答すればよいのですが、問題に対し素直に自分で考えて答えることを続けていたので、受験資格のある期間内での修正(補正)ができなかった結果だと考えています。
これは、コミュニケーションが人と人との意思疎通を図るための手段とすれば、小論文の試験において、問題作成側と受験者である私の意思疎通が全くできていなかったとも言えると思います。
少々話が脱線しましたが、「ISO(品質マネジメント)に関する27の質問に回答します」で参考にしたベイジさんのブログに、「話が上手な人と下手な人の違い」についての記事がありましたので、これを例に、コミュニケーションについて私の考えを交えて説明します。
話が上手な人と下手な人の違い
ベイジさんの「話が上手な人と下手な人の違い」の記事は、以下のページです。よく整理されていると思いますので、ご参照ください。
ベイジさんでは、話が上手な人と下手な人の違いとして、以下の12項目が挙げられています。
- 1.結論を最初に言う / 結論をなかなか言わない
- 2.前提を説明する / 前提を省略する
- 3.質問に答える / 質問に答えない
- 4.全体から体系立てる / 各論から列挙する
- 5.具体的な話が多い / 抽象的な話が多い
- 6.主語を省略しない / 主語を省略しすぎる
- 7.会話を要約する / 会話を再現する
- 8.事実と解釈が明快 / 事実と解釈がごちゃ混ぜ
- 9.自分の意見を言う / 自分の意見を言わない
- 10.話をまとめる / 話を広げる
- 11.会話量のバランスを取る / 自分ばかり話す
- 12.事前準備をする / 事前準備をしない
この中で、これまにで私が主に意識してきたのは、次の4つです。
- 1.結論を最初に言う / 結論をなかなか言わない
- 3.質問に答える / 質問に答えない
- 8.事実と解釈が明快 / 事実と解釈がごちゃ混ぜ
- 12.事前準備をする / 事前準備をしない
結論を最初に言う / 結論をなかなか言わない
これについては、技術系のマネージャーしていた時に、突然担当役員が私の席まで来られて質問された時に、いきなり状況説明を始めてしまい、
「ちょっとまって、結果から教えて。」
と言われたことを思い出します。
この経験をしてから、取締役などの偉い人や忙しい人に質問された時には、
「まず、質問に答える。」
ことを意識しています。
当時のやりとりの内容は忘れてしまいましたが、その時反省したことは今でも時々思い出しています。
質問に答える / 質問に答えない
上記の「結論を最初に言う」ことと重なる部分もありますが、
「質問に答える。」
ことについては、誰の質問であってもそうするように心がけています。
良かれと思い込み、
「答えの理由から説明する。」
のは、誰にも喜ばれない自己満足だということに気づいてから注意するようにしています。
事実と解釈が明快 / 事実と解釈がごちゃ混ぜ
事実と解釈(自分の理解や考え)を明確に分けることは、ずいぶんと前から意識していたと思います。
例えば、お客様からの技術的な質問の答えとして、営業であれば許される回答と同じことを技術が回答してしまうと、技術としてのレベルが低いと判断されがちで、後で苦労することになります。(お客様が技術にもとめる回答には、技術的な根拠が必要だということです。)
これは、営業とお客様(技術)とのコミュニケーションが取れていないことにも一因はあるのですが、それを営業に理解しろというのは、商品にもよりますが難しいことが多いのではないでしょうか。
「何々ができる」といった仕様のようなものは、営業が思っている意味と、お客様(技術)が言っている意味とは違うことが普通です。
事実と自分の解釈を明確に分けて説明することは、話の上手・下手以前にコミュニケーションが成立するための前提としても重要です。
お客様(技術)の言っていることに対し、事実で回答できる営業は営業成績もよかったように思います。
分からないことはもちろん、疑問に思ったことは一々技術に確認していた光景を思い出します。
事前準備をする / 事前準備をしない
これは、仕事、ビジネスをする上での心構えややって当然のことと考えています。
もちろん、時間等の制約があるのが常で、すべての場合に完璧な準備をすることは難しいのが現実ですし、準備したところでそれが役に立つとは限らないことも少なくありません。
自分の限界もあり、事前準備については、唐突に聞かれるような場合も想定して、日々の心がけとしています。
- 備えあれば憂いなし
- 準備しなければチャンスはつかめない(来ない)
というのも、これまでの経験からそういうものだと考えています。
内部監査員とコミュニケーション
内部監査員は、コミュニケーションが取れないことには形式的な内部監査しかできませんので、話が上手いに越したことはありませんが、それよりもこれまで説明した次の4点が重要です。
- 結論を最初に言う。
- 質問に答える。
- 事実と解釈が明快(事実に基づき話をする)
- 事前準備をする。
一言で言えば「良好なコミュニケーション」をとりながら監査するということなのですが、これは、人それぞれです。
私が監査する場合には、監査部署の組織構成やトピックなどを、雑談の様に聞き始めることで、「敵ではないんですよ」というメッセージを出しながら監査を進めるようにしています。
これも、「業務改善に役立つ内部監査」を目指しているからで、何か改善を求めなければいけないような場合には、それをどうやっていつ質問するかなどを様子を探りながら進めています。
そして、「自分でやるのと教えるのとは大違い」に毎回悩んでいます。
まとめ
私もコミュニケーションという言葉を便利に使ってしまいますが、人により意味合いが異なり、あいまいな言葉でもあります。
ここでは、以下の項目について説明しました。
- コミュニケーションの意味(イメージ)
- 話が上手な人と下手な人の違い
- 結論を最初に言う / 結論をなかなか言わない
- 質問に答える / 質問に答えない
- 事実と解釈が明快 / 事実と解釈がごちゃ混ぜ
- 事前準備をする / 事前準備をしない
- 内部監査員とコミュニケーション