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新入社員研修:品質方針・品質目標と部署の品質目標計画と教育・訓練

ビジョンとISO 教育・訓練

モノづくりメーカーの新メンバーとして仲間に加わると、新入社員研修を受けます。

まずは、いわゆる人事や総務から会社員として最低限知っていないと困るルールや手続きから始まり、その会社の基本的な社員教育、そして、営業や技術など各職場向けの教育と段階的に進んでいきます。

新入社員計画の内容や進め方は、それこそ会社により様々です。

ここでは、会社のビジョンと品質方針・品質目標、教育・訓練との関係について、説明します。

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ビジョンと品質方針と品質目標:会社から部署に展開

品質マネジメントとは、「社長が自らのビジョンを実現するためにリーダーシップをとり、顧客を重視し、業務を改善し続けること」です。

品質マネジメントというとモノづくりや製造業に限った話ではありません。また、ISOだからと言って何か特別なことを要求されているわけでもありません。

「ISOって何ですか?」と聞かれると、次の様に答えています。

はかせ
はかせ

品質マネジメントシステムとは、ビジョン(ありたい姿、イメージ)があり、「顧客満足」を高めるために、「継続的に改善」していくことです。

そのための取り組み方として「プロセスアプローチ」を使っています。

ビジョンとは、会社のWebサイトに経営理念、社是、社訓といった難しいタイトルで書かれている内容を、社外だけでなく社員が具体的にイメージできる言葉のことです。社長の思いや会社として何を目的にして経営しているかといったことです。

ISO9001の「品質マネジメントシステムの7原則」を以下に列挙しますが、優先順位があるわけではありません。

  • 顧客重視
  • リーダーシップ
  • 人々の積極的な参加
  • プロセスアプローチ
  • 改善
  • 客観的事実に基づく意思決定
  • 関係性管理

「品質マネジメントシステムの7原則」を分かりやすくまとめたのが以下のことです。

  • 品質マネジメントシステムとは、ビジョン(ありたい姿、イメージ)があり、「顧客満足」を高めるために、「継続的に改善」していくことです。
  • そのための取り組み方として「プロセスアプローチ」を使っています。

品質方針・品質目標と部署の品質目標計画と教育・訓練計画

社長は、会社の経営方針や経営目標に沿った内容で、ISO9001の品質方針と品質目標を定めます。品質方針と品質目標は、Webサイトに公開している会社もあります。

営業、技術、製造などの各部署では、会社の品質方針と品質目標を受けて、自部署の品質目標を定め、品質目標計画を立て目標達成のための活動をします。

品質マネジメントシステムや品質方針・目標というと難しく考えがちですが、例えば、営業予算を達成することは、製品が売れた(購入して頂けた)のは、製品に満足していると考えられるとすれば、

(顧客満足を高めること)=(営業予算達成)

となります。このように考えると、

営業部署の品質目標は、営業予算を達成するための具体的な活動などを品質目標として設定する。

技術は、営業予算を達成するために、技術としてやるべきことを品質目標とする。製造などの他部署についても同様に考えることができます。

各部署内では、部署の品質目標を達成するために、部署一人一人の目標を設定します。品質目標を達成するために必要な力量を、力量マップで明らかにし、伸ばす力量や現時点で不足している力量については、教育・訓練の計画を立て実施することになります。

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マネジメントレビューと内部監査

ISO9001が要求事項として会社に求めていることは、ほとんどが会社として当然やるべき内容です。

ISO9001の認証を維持するために必要な活動としては、マネジメントレビューと内部監査があります。

品質マネジメントからみた1年間の活動は、次の様になります。

  • 社長が品質方針・品質目標を定める。
  • 各部署は品質目標を設定し、必要な教育・訓練を計画する。
  • 実業務と同時に、品質目標計画と教育・訓練計画を実行する。
  • 内部監査で、各部署の品質目標の達成状況や教育・訓練の進捗を確認する。
  • 外部審査(更新審査、サーベイランス)を受ける。
  • ISOの管理責任者は、各部署の内部監査の結果やクレームなどの情報をまとめてマネジメントレビューのインプットとする。
  • 社長は、マネジメントレビューを行い、品質マネジメントシステムの変更や品質方針・品質目標などを含め、指示(アウトプット)する。

この様に、ISO9001では、1年に1回、社長の示す品質目標の達成のために、各部署でどのような活動をしたかどうか確認する仕組みとなっています。

全社的な業務フローは組織図とQMS体系図で

全社的な大きな流れは、品質マニュアルの組織図とQMS体系図を使って説明します。

本当は、新入社員に品質マニュアルと関連規定を読んでもらえば、どの様な仕事の進め方をしているか分かるのですが、これは少々大変です。

そこで、新入社員に対しては、組織図とQMS体系図についての説明をします。

組織図、QMS体系図、及び、参考までに機能別組織図について示します。

「品質マニュアル3.0」:組織図
20名程度の会社であれば、案件に応じ担当者を指名してチームを作り、プロジェクトを進めていくイメージになると思います。管理責任者、営業、技術、管理の主な役割・業務について説明しています。この組織をもとに、品質マニュアルと規定を作ります。
「品質マニュアル3.0」:品質マネジメントシステム体系図
「品質マニュアル3.0」で想定した組織における、品質マネジメントシステム体系について説明しました。なお、規定を作る際には機能組織図とこれに基づく品質マネジメントシステム体系をベースにまとめていきます。
「品質マニュアル3.0」:機能別組織図と品質マネジメント体系図
20名程度の組織(会社)では、実際の仕事はプロジェクト形式で進めることが多いと考えています。「品質マニュアル3.0」の規定等を作るにあたり、実組織ではなく役割で動く機能別組織とその役割、品質マネジメントシステム体系図について説明しています。

なお、営業、技術、製造などの業務フローは、各規程の業務フローが使えます。

品質マニュアルの例と作り方については、以下をご参照ください。

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まとめ

モノづくりメーカーの新メンバーとして仲間に加わると、新入社員研修を受けます。

新入社員計画の内容や進め方は、それこそ会社により様々です。

ここでは、会社のビジョンと品質方針・品質目標、教育・訓練との関係について、以下の項目で説明しました。

  • ビジョンと品質方針と品質目標:会社から部署に展開
  • 品質方針・品質目標と部署の品質目標計画と教育・訓練計画
  • マネジメントレビューと内部監査
  • 全社的な業務フローは組織図とQMS体系図で
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