「はじめてのモノづくり ここからはじめる品質管理」を出版しました。
ISOがはじめてなら、「わかりやすい品質マニュアルの作り方」
内部監査がはじめてなら、「ISO内部監査の取扱説明書」
自分で教育しなければならない必要性から作り始めたので、当たり前と言われてしまえばその通りなのですが、自分の知識を整理したり実際に教える時にも役になっています。
それでは、
「モノづくりの仕事がはじめてなので、品質や品質管理について教えてください。」
と頼まれてしまったら、皆さんならどうしますか?
さらに、偉い人から、
「モノづくりはじめの社員向けにQC検定を受験させるのはどうだろうか?」
と相談されてしまったら、皆さんならどうしますか?
私の場合、「これはモノづくり初めての方向けに品質や品質管理について教えろということか。」と思いやる気になったものの、「さて、何からどう教えたら???」となってしまいました。
こうして、ブログ記事としてまとめ始めましたが思っていた以上に難しく、初めては中断そしてリセットが続き、ようやく形になりました。
いろいとろありましてでき上ったのが「はじめてのモノづくり ここからはじめる品質管理」です。思いのほかボリュームが大きくなりましたので、テキスト形式にまとめたものを付録として収録しています。
内部監査ができるようになった監査員に、品質や品質管理について教える際にも使えそうです。本書が、モノづくりの品質や品質管理について自ら学びたい、あるいは、教える立場になったが何から説明すればよいのか悩んでいる方などの参考になれば幸いです。
「はじめてのモノづくり ここからはじめる品質管理」の紹介
モノづくり初心者からの意外に難しい質問があります。
「モノづくりの職場は初めてです」という方から、「品質ついて教えてください」、「品質管理とは何をするんですか?」と聞かれたことはありませんか?
もし聞かれたら、「モノづくり初心者に品質管理について何から、どの様に説明しますか?」
自分が知っているように思えることでも、人に説明するとなると意外に難しいものです。しかもモノづくりの経験そのものがほとんどない場合だと、何かに例えて説明するののかなり難しくなってきます。
品質や品質管理の考え方は、モノづくり以外の職場にも役立つものだと考えています。
「はじめてのモノづくり ここからはじめる品質管理」をヒントに、皆様の会社や職場に合わせたり、実際の事例を加えて品質や品質管理についての教育の助けになれば幸いです。
本書の構成
第1章は、「品質について教えてください」と題して、初めてモノづくりに携わる方を想定して、品質や品質管理とはどの様なものなのかについて説明します。
第2章は、「品質と品質管理で良いモノづくり」と題して、品質を優先する考え方や品質維持・改善活動、PDCAや標準化、検査では品質が上がらないことについて説明します。
第3章は、「より良いモノづくりのための心構えと行動」と題して、報告・連絡・相談(ほうれんそう)、現場重視の考え方、モノづくりのマナーや5Sについて説明します。
第4章は、「モノづくりのデータ収集と分析」と題して、品質を改善するデータの収集・分析・評価、QC7つ道具、品質マネジメントの7原則について説明します。
第5章は、「モノづくりのミスを少なくする取り組み」と題して、人によるミス(ヒューマンエラー)少なくするための取り組みについて説明します。
最後の付録は、初めて品質や品質管理について教育する際、本書ではボリュームが大きすぎるので、「はじめての品質管理」について5回で教育する際のテキストとしてまとめなおしたものです。
「はじめてのモノづくり ここからはじめる品質管理」の目次
長いですが、目次を紹介します。
はじめに
本書の構成
ISO9000品質マネジメントについての私の考え方
ISOとの出会い
ビジョンで回す品質マネジメントシステム
第1章 品質について教えてください
1.1 品質とはなんだろう?
製品(モノ)やサービスの品質について
製品(サービス)の品質の例
モノづくりのおける3つの品質
品質の定義
1.2 品質管理とは何をすること?
品質にはどの様な問題や課題があるの?
品質管理活動の始まりと現在求められていること
品質管理の基本:PDCA
改善のポイント:ムリ・ムラ・ムダをなくす
【参考】総合的な品質
第2章 品質と品質管理で良いモノづくり
2.1 品質を優先する考え方
マーケットインとプロダクトアウト
2.2 品質を維持する活動と改善する活動
品質を維持するための活動
品質を改善するための活動
2.3 PDCAのDoから始める仕事の進め方と標準化
PDCAによる仕事の進め方とは
PDCAという言葉の説明
標準化とPDCA
2.4 QCストーリーと改善(KAIZEN)とPDCA
改善(KAIZEN)とQCストーリー
QCストーリーとPDCA
QCサークル(小集団改善活動)
2.5 重要度と緊急度による重点思考の考え方
同時並行(マルチタスク)、本当にできるのでしょうか?
重要度と緊急度
仕事の優先順位は個人より会社を優先する
2.6 標準化と標準化する理由
身近にある標準化の例
なぜ標準化をするのか?
規格と標準
標準化とPDCA
2.7 検査で品質は上がらないのですか?
検査と試験・計測との違い
3段階の検査と検査の仕方・種類
検査の基本機能と品質情報のフィードバック
2.8 検査で品質は良くならない理由と検査業務
第3章 より良いモノづくりのための心構えと行動
3.1 報告・連絡・相談(ほうれんそう)は仕事の基本
報告・連絡・相談(ほうれんそう)とは何か
報告のポイント
連絡のポイント
相談のポイント
3.2 結論から話す5W1H
5W1Hとは何か
5W1Hの使い方の例
3.3 現場重視の考え方(三現主義と5ゲン主義)
なぜ現場
三現主義:現場、現物、現実
5ゲン主義:三現主義+原理、原則
まずは、三現主義を実践できるようにするために
3.4 モノづくりのマナーと躾(しつけ)と教育・訓練
マナー、躾(しつけ)、教育・訓練の違い
ルールとマナー
モノづくりのマナー
3.5 5Sの取り組み、まずは3S整理・整頓・清掃から
5Sとは
5Sの前に、まずは3Sの徹底から
整理とは
整頓とは
清掃とは
清潔とは
躾(しつけ)とは
3.6 安全活動はヒヤリハットとハインリッヒから
職場での安全に関する取り組み
工場での安全活動
ハインリッヒの法則
【参考】氷山の例え「氷山の海上部分は全体の約10%」
3.7 オムライスで考える工程(プロセス)と4M
工程(プロセス)とは
4M(ヒト・モノ・設備・方法)について
3.8 整理・整頓・清掃とは違うやってはいけない3S
先送り(問題の対策の先送り)
仕損(工程不良品)
仕掛り(つくりかけの製品)
第4章 モノづくりのデータ収集と分析
4.1 データの収集や分析・評価の目的は明確に
データとばらつき(母集団とサンプル)について
データの種類(計量値と計数値)
サンプルの取り方
4.2 事実とデータを活用した品質管理とQC7つ道具
データのまとめ方の基本的な流れ
データの収集と分析の注意点
QC7つ道具
4.3 品質マネジメントシステムの7原則(ISO9001:2015)
品質マネジメントシステム(ISO9001:2015)の時代背景
品質マネジメントシステムの7原則
第5章 モノづくりのミスを少なくする取り組み
5.1 口頭による指示は避けてテキスト化する
口頭での指示や依頼は意外に伝わっていない
それでも口頭で指示するなら、顔を見ながら
顔が見えない電話では、受け取りやすい言葉で
メール(文章)の場合、読みやすいように
SNSやチャットでの注意点
口頭、電話、メール、SNSやチャットの使い分け
5.2 いきなり話し始めない、主語を抜かない話し方
いきなり話し始めない、主語を抜かない
上司や部下に話しかけるタイミング
話しかけられる環境(雰囲気)づくり
5.3 マルチタスク、同時並行作業はやらない・やらせない
マルチタスク、同時並行作業をやらせない理由
その指示がマルチタスクの原因(意外な落とし穴)
依頼側はマルチタスクになるような指示はしない
5.4 ダブルチェックやクロスチェックを利用する
ダブルチェックとクロスチェック
作業手順書は作業者が作ると効果的
ミスの対策(再発防止策)がなぜ続かないのか?
クレーム発生時の注意喚起について
ミスが繰り返される現場の共通点
5.5 ミスを見つけたら即報告がトラブル防止の最良手段
ミスが起きてしまったら最速で報告
ダブルチェックは対策ですか?
ミスが発生した場合の対応について考える
失敗を繰り返さない対策は、個人ではなく仕組みを見直す
5.6 連絡や報告モレを減らす書式化(フォーマット作成)
連絡ミスや報告モレを減らす書式化
報告用書式の作り方の例
報告用書式によるメリット
書式作成のワンポイント:言葉の定義と表記ゆれ
5.7 探しやすいファイル管理と変更履歴の残し方
ファイルの管理方法を統一して探しやすくする
最新版の管理(バックアップ)
個人のファイル管理が必要な理由
書類(データファイル)の変更箇所を分かりやすく
5.8 プロジェクト終了後、即振り返ってから一息つく
終わったらすぐに振り返らずに忘れたい
なぜ悪い情報をすぐに報告しないのか
5.9 難しく考えないプロジェクト管理とリスクマネジメント
身近にあるプロジェクト
プロジェクト成功にはリスク管理と察知力がポイント
リスクを事前に検討するメリット
【付録】「はじめての品質管理」のテキスト
第1章 品質管理とは
1-1 製品(モノ)やサービスの品質とQCD
1-1-1 お客様にとって良い品質
1-1-1 モノづくりのおける3つの品質
1-2 品質管理とは
1-2-1 品質管理活動における問題解決の流れ
1-2-2 品質管理活動に求められていること
1-2-3 品質管理の基本:PDCA
1-2-4 改善のポイント:ムリ・ムラ・ムダをなくす
1-2-5 総合的な品質(QCDとPSME)
1-2-6 品質を優先する考え方
1-2-7 品質を維持する活動と改善する活動
1-3 重要度と緊急度による重点指向の考え方
1-3-1 重要度と緊急度
1-3-2 割り込み作業への対応
1-4 標準化とは
1-4-1 モノづくりの標準化
1-4-2 なぜ標準化をするのか
1-4-3 規格と標準
1-4-4 標準化とPDCA
1-5 検査で品質は良くならない理由
1-5-1 3段階の検査と検査の仕方・種類
1-5-2 検査で品質は良くならない理由
1-5-3 検査と品質情報のフィードバック
第2章 より良いモノづくりのための心構えと行動
2-1 報告・連絡・相談(ほうれんそう)は仕事の基本
2-1-1 報告・連絡・相談(ほうれんそう)のポイント
2-1-2 5W1H
2-2 現場重視の考え方(三現主義)
2-2-1 三現主義のポイント:現場で、現物を見ながら、現実的に検討
2-2-2 人はミスをする
2-3 モノづくりの8つのマナー
2-3-1 社会人としての自覚と責任
2-3-2 時間を守る(時間厳守)
2-3-3 挨拶をする
2-3-4 言葉遣いに気をつける
2-3-5 きちんとした服装をする(身だしなみ)
2-3-6 公私混同をしない
2-3-7 整理・整頓をする
2-3-8 環境に配慮する
2-4 5Sの取り組みは3S(整理・整頓・清掃)から
2-4-1 まずは3Sの徹底から
2-4-2 整理とは:5Sの始めは整理から
2-4-3 整頓とは
2-4-4 清掃とは
2-4-5 清潔とは
2-4-6 躾(しつけ)とは
2-5 安全活動はヒヤリハットから
2-5-1 職場での安全に関する取り組み(安全衛生活動)
2-5-2 工場での安全活動
第3章 品質管理活動に関する基礎知識
3-1 モノづくりの工程(プロセス)と4M
3-1-1 プロセスのインプットとアウトプット
3-1-2 プロセスに対する考え方
3-1-3 「次工程はお客様」について
3-1-4 4M(ヒト・モノ・設備・方法)について
3-2 品質を管理するためのデータ収集と分析・活用
3-2-1 データ活用の基本的な流れ
3-2-2 データとばらつき(母集団とサンプル)について
3-2-3 QC7つ道具はグラフとチェックシートから
おわりに
参考:Kindle出版について
Kindle出版の手順については、以下の記事をご参照ください。