2022年4月現在、ISO9001:2015の改訂は先送り(現時点で必要なし)となっています。
仮に、ISO9001:202xに改訂されたとしても、2015年版と大きな違いはないだろうと考えていますが、ISO9001:2015の改訂についてまとめました。
なお、ISO9001改訂に関するユーザー調査結果については、以下の記事をご参照ください。
ISO9000改訂情報
ISO9001は、ISO(国際標準化機構)に設置された技術専門委員会の一つであるTC176(品質管理及び品質保証)において作成されています。
TCとは専門部会のようなものです。
ISO/TC176では、
- ISO9001
- ISO9000(用語)
- ISO 9004(持続的成功のための運営管理)
- ISO/TS 9002(ISO 9001の適用に関する指針)
上記のコア規格と、
- 品質マネジメントシステムをさらに有効に運用するための支援規格(品質計画書、構成管理、顧客満足など)
を作成しています。
また、これらの規格群は、ISO 9000ファミリー規格と呼ばれています。
日本規格協会では、以下の事を行っています。
- ISO/TC176の国内委員会の運営
- ISO 9000ファミリー規格原案などに対する国内のコメントのとりまとめ
- 対応するJIS原案の作成
2020年現在、ISO9001:2015の次の改訂については、2020年末までの予定でユーザー調査が行われています。
ISO9001(要求事項)は、1995年、2000年、2008年、2015年と、基本5年サイクルで改訂されていますので、次は、2022年か2023年になるのでしょうか。
以下、日本規格協会のWebサイトの情報を元に紹介します。
審査機関や審査員向けの内容ですが、管理責任者やISO事務局としては、改訂状況について四半期に1回程度ざっと目を通す程度で十分だと考えています。
2020年8月18日から2020年12月末の予定で、ISO9000ファミリーに関するユーザー調査が始まっています。ISO規格そのものに興味のある方は覗いてみてはいかがでしょうか。
ISO9001の時期改訂状況について、以下列挙します。
- ISO/TC176(品質保証及び品質管理)/SC2(品質システム)では、ISO9001(品質マネジメントシステム-要求事項)の次期改訂の検討が始まっている。
- ISO9001定期見直し完了に合わせて、ISO9001ユーザー調査を実施している。
- 定期見直しは、ISOメンバーである国家標準化団体の投票により、改訂(または追補)、確認(変更なし)、廃止のいずれが望ましいかを決定する。
次期ISO9001への期待?
次期ISO9001がどのようなものになるかわ分かりませんが、ISO9001の2015版に対応した品質マニュアルの大幅な変更が必要になるとは今のところ考えていません。
品質マニュアルに関連する規定等についても、社内外の環境の変化やこれに伴う社内業務フローの見直しなどによる改訂を適時進めておけばよいと考えています。
個人的には、小規模のメーカー向けに、ISO9001の優れていると言われる設計・開発の部分がもう少し軽くならないかと考えていますが、ISO9001の要求事項を読み直しても大きな変化はないだろうと判断しています。
20名規模のメーカーでは、営業、技術、製造の組織割でモノづくりが進むというよりは、プロジェクトチームの様な形でモノづくりをしているのが現実です。
自社の規模や仕組みにあわせてISO9001を導入したメーカーはよいのですが、コンサル主導で大手のコピペで品質マネジメントシステムを構築してしまうと、
- 審査前にISO審査のための準備が必須だったり、
- 形式的な品質文書(記録)を作るだけで使われなかったり、
と、
- ISOの認証を維持するためだけの作業が増えた分だけ余計な仕事が増えた。
と現場や管理責任者は感じていることも少なくないようです。
せっかく導入するISO9001の品質マネジメントシステムなのですから、よくできている仕組みを積極的に利用し、うまく使いこなしたいものだと考えています。
マネジメントレビューやPDCAをISO認証維持だけではなく、会社や社員をよりよくするために活用したいものです。
まとめ
ISO9001の2015版が発行されて5年が過ぎ、現在次期ISO9001改訂作業が進められています。2015版と大きな違いはないだろうと思っていますが、現在の状況について以下の項目で説明しました。
- ISO9000改訂情報
- 次期ISO9001への期待?