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ISO9000における設計・開発への要求と適用除外について

教育・訓練

ISO9000シリーズは、品質マネジメントの中でも設計・開発の部分が優れていると言われています。

ここでは、お客様からだけではない設計・開発への要求と、製造を含めた広い範囲で設計・開発について振り返ります。

あわせて、ISO:9001での設計・開発を適用除外の例を紹介します。

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設計・開発への要求と製造を含めた流れ

品質マニュアル(ISO9001の要求事項)の項番レベルでも、PDCAがあります。

ISO9001:2015版品質マニュアルとPDCA
ISO9001:2015の品質マニュアルと関連規定、品質マニュアルの目次を使い、ISO9000シリーズの要求事項にPDCAが組み込まれていることを説明しています。

設計・開発という言葉からは、製造(モノづくり)とは関係はあるが別と思われていることもあるようなので、ISO9001の要求事項「 8.3 設計・開発」について、少しだけ範囲を広げて振り返ってみます。

まず、要求事項とその内容については、

  • 「8.2 製品およびサービスに関する要求事項(受注・契約)」
    • 顧客の要求事項を理解する。
    • 顧客要求を実現するために追加すべきことを考える。
  • 「8.5 製品およびサービスの提供(製造工程・サービス提供)」
    • 製造段階で試行錯誤しながら製造基準を検討する。

と考えることができ、これも設計・開発と言えます。

新規開発に限りませんが、プロジェクトが始まってしまうと、計画通りに進めることが目的となり、何のためのプロジェクトだったかを忘れてしまう、忘れているように見えてしまうことが多いようです。

「設計・開発」という言葉からは製品開発のイメージが強いと思います。顧客満足を追い求めるために、言葉を変えるとお客様の期待を超えるために、「設計・開発に実際のモノづくりである製造を含めて何をするのか」を考えてみてはいかがでしょうか。

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設計・開発の適用除外について

ISO9000の話の中でこんな説明を聞いたことはありませんか?

弊社ではモノづくりをしていますが、お客様の設計したものを指示通り作っているだけで、設計・開発はしておりません。

設計したモノを作る製造委託先を探している時や、品質保証について触れた時などに聞くことがあるように思います。

特にISO9001:2015に改訂されてからは、「適用除外は原則ないな」と考えているので、良い悪いではなくモノづくりという視点から、私は違和感を感じています。

10名程度の工場でISO9000やISO14000の認証取得・維持が必要で、QMS(品質マネジメントシステム)やEMS(環境マネジメントシステム)の審査対策と考えれば、設計・開発を適用除外とするのも分からなくはないのですが、どうもすっきりしません。

例えば、「お客様が設計したものを指示通り作っている」場合でも、モノづくりをしていれば、材料(素材)や加工する機械設備があり、実際に加工する人、加工していればその時の状況により修正もあるでしょうし、ムダ・ムラ・ムリを減らすための改善もしていると思うからです。

サービスを提供する会社であれば、どの様なサービスをするか、顧客要求を分析し、どの様なサービスを提供するか、提供するサービスをいかにして実現するかなど、当然やっているのではないでしょうか?

この様に考えると、ISO9001に適用除外はまずないと思うのです。

ISOブームとは限りませんが、認証取得目的でISOを導入してしまい、形式的に運用し審査対策で認証維持を継続するだけではもったいないと思います。

使ってこそ、その良さが分かる品質マネジメントシステムです。

しかし、「ISOを持っていないと注文が取れない」現実を目の前にすると、何も変わらないことを受け入れるしかなく、少々寂しさを感じる自分もいたりします。

まとめ

ここでは、ISO9000の設計・開発について、以下の項目について振り返っています。

  • 設計・開発への要求と製造を含めた流れ
  • 設計・開発の適用除外について
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