内部監査員教育のためにハンドブックを作成しました。
2020年11月、複数のページに分かれていた内部監査ガイドを1つにまとめました。
内部監査ガイド:ISO9001:2015版対応
内部監査責任者として監査員を育て始めてみると、プレゼンやスピーチの様に人前で話をしなければならないときのメモのような心の支えの様なものが必要だろうと考え、「内部監査ガイド」としてまとめ始めました。 「内部監査ガイド」は、初めて内部監査を担当...
ここでは、内部監査のプロセスと計画について説明します。
内部監査ガイドは、教科書的な内容も含め以下の項目となっています。
内部監査のプロセス
内部監査のプロセスについて説明します。
内部監査計画作成
- チェックリストを準備します。
- 内部監査計画を通知します。内部監査スケジュールは、あまり早くても変更が多くなりがちですが、遅くとも1か月前には案内するようにしています。
内部監査実施
- チェックリストによる確認
- 慣れてきてもなかなか難しく、記録を残さないと報告書をまとめる時に困ることになります。
- エビデンス(客観的証拠)の収集
- 不適合内容の確認と指摘。「不適合あり」の場合、是正処置に進みます。
- 「不適合なし」の場合
- 実施した内部監査の結果を報告します。
- 内部監査報告書を作成し、監査責任者、管理責任者の承認を得ます。
- 内部監査報告書を送付します。
是正処置
- 是正処置報告書発行(内部監査時)
- 不適合内容を具体的に記載します。
- 是正処置検討
- 不適合の除去
- 不適合原因の特定
- 是正処置の決定
- 是正処置の実施
- フォローアップ
- 是正処置の実施状況などを確認します。ここでもエビデンスが必要になります。
- 最終確認
- 是正処置が有効か確認・評価します。ここでもエビデンスが必要になります。
内部監査報告書の作成
- 各部署の内部監査結果をまとめます。
- 社長への報告(マネジメントレビューのインプット)のため、全社の内部監査結果をまとめた報告書(総括)を作成します。
監査の計画
内部監査計画に含める内容を列挙します。
①監査目的
例えば、次の様なイメージになります。
品質マネジメントシステム(品質マニュアル)の運用状況について振り返り、今後の活動に資するため以下について確認する。
・外部審査指摘・観察事項、前回内部監査指摘事項に関する運用状況とその有効性
・各部署長の定めた品質目標についてのパフォーマンス(品質目標の進捗管理等)
②監査項目と対象部署
各部署が関係する品質マニュアルの項目の一覧表で明確にしています。
③監査スケジュール
④内部監査チームの編成
内部監査計画作成時の考慮事項
管理責任者は、内部監査を計画する際、以下について考慮します。
- 監査目的を明確にする。
- 各部署の業務プロセス
- 複数の監査員で監査する場合には、監査責任者を指名します。
内部監査チーム編成にあたっての注意点
- 内部監査員は、内部監査員の資格者であり、内部監査の客観性及び公平性を確保するため、被監査部署以外の者とします。
- 内部監査員は原則複数(2名以上)とします。
- 監査責任者は内部監査を取りまとめます。
監査計画の通知
被監査部署に、監査日時、場所、監査員等を連絡します。
まとめ
ここでは、以下について説明しました。
- 内部監査のプロセス
- 内部監査の計画
内部監査ガイドは、続きます。