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新入社員研修:DoからはじめるPDCAによる品質改善と業務改善

DoからはじめるPDCA 教育・訓練

モノづくりメーカーの新メンバーとして仲間に加わると、新入社員研修を受けます。

まずは、いわゆる人事や総務から会社員として最低限知っていないと困るルールや手続きから始まり、その会社の基本的な社員教育、そして、営業や技術など各職場向けの教育と段階的に進んでいきます。

新入社員計画の内容や進め方は、それこそ会社により様々です。

ISOや品質改善(業務改善)というとおなじみのPDCAです。PDCAはモノづくり以外にも応用できる実用性の高い仕事の進め方の仕組みです。

ここでは、DoからはじめるPDCAについて説明します。

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PDCAによる仕事の進め方

PDCAとは、次の4つの工程(プロセス)、計画、実行、確認、改善を回すことです。

業務改善のために、PDCAを回して仕事がスムーズに流れるようにしたりします。

Plan(計画) 計画を立てる。
Do(実行) 計画を実行する。行動する。
Check(確認) 計画との差異がないか、計画通り進んでいるか確認する。
Action(改善) 計画通り進んでいない、うまくできていないなら改善。必要なら目標を見直す、計画を見直す。

例えば、新しい業務を覚えることにPDCAに適用してみます。

ここでは、製品出荷を例に「ミスなく製品を保管場所から取り出し、梱包できるようになること」を例にPDCAを回します。

目標は、当社の代表的な製品Aを、1人で保管場所から取り出し、梱包することです。

計画(P)というと、計画の書式があって、上司の承認をもらって実行するもののようなイメージがありますが、ここで説明している仕事を覚えるためのPDCAのPは、誰が何をいつまでにできるようになることか明確です。

計画(P)の内容は、「新入社員が、1週間で製品Aを1人で保管場所から取り出し梱包できる。」ことです。

つまり、すぐに実行(D)できます。

実行(D)の内容は、次の2つのことです。

  • 製品Aを保管場所から取り出す。
  • 取り出した製品Aを梱包する。

実際にやることは、次の4つです。

  • やってみせる
  • 説明する
  • 一緒にする
  • 1人でやらせる

実際にやる(実行する)ことで、次の様な確認(C)や改善(A)をします。

はかせ
はかせ

この時、確認と改善を明確に分けようとすると、時間ばかりかかることがありますので、確認と改善のようにまとめてしまってもよいと考えています。

仕事を覚えるためにPDCAを使うのであって、PDCAのために仕事を教えているのではありません。

  • やってみせて、説明した後で質問や疑問があるか聞いて、説明する。
  • 一緒にやってみて、質問等があるか聞いて、説明する。

そして、1人でやらせてみます。この時、次のことを確認します。

  • まずは、口を出さずに観察し、気づいたことはメモする。
  • 再度の説明が必要か聞いて、求められれば説明する。
  • 何度かやらせてみて、合格点かどうか判断し、伝える。

PDCAとは何をすることかイメージできたでしょうか?

ここまでの説明をまとめると次の様になります。

「新入社員が、1週間で製品Aを1人で保管場所から取り出し梱包できる」ようになるために、まず1回目のPDCAを回します。

【1回目のPDCA】

  • 製品Aの取り出しと梱包作業を教える。
  • 教えたことが1人でできるか確認する。

【2回目のPDCA(訓練)】

  • 1人でできるようになったら、繰り返し練習(訓練)する。この時、必要なら手順や注意点などを説明を加える。

【3回目のPDCA(OJT)】

  • 製品Aの取り出しは任せる(1人でやらせる)。製品Aの取り出し後に正しくできているか確認する。
  • 取り出した製品Aの梱包を任せる(1人でやらせる)。製品Aの梱包前に(封をする前に)正しく梱包できているか確認する。

ここまでできるようになれば、「新入社員が、1週間で製品Aを1人で保管場所から取り出し梱包できる」ようになったと判断し、作業を任せることになります。

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品質マニュアルとPDCA

ISO9000、品質マネジメントというとPDCAを連想される方も多いと思います。

品質マニュアルの構成を独自に作成している場合は別ですが、ISO9001要求事項準じて作成している場合の、品質マニュアルとPDCAとの関係について説明します。

品質マニュアル(ISO9000シリーズの要求事項)の項目番号とPDCAの関係は次の様になっています。

4. 組織の状況(社内外の環境、QMSの概要)

5. リーダーシップ

6. P(Plan) 計画

7. D(Do) 支援

8. D(Do) 運用

9. C(Check) パフォーマンス評価

10. A(Action) 改善

目標達成とPDCA

PDCAは、目標達成にも使えます。

  1. 目標は、会社の目標、部署の目標、個人の目標があります。
  2. 個人目標を達成することで、部署の目標が達成されます。
  3. 部署の目標が達成されることで、会社の目標が達成されます。

ISOであれば、品質目標実施計画を作って、目標の進捗を確認していくことになりますが、個人目標についても同様に考えることができます。

例えば、新入社員には、指示された仕事を早くできるようになることが求められます。

この時、目標にする仕事について「何を、何時までに、何々をできる(どのような状態になる)」かをできるだけ具体的にイメージすることが重要です。

「何々できる」ということがあいまいなままでは、何をすればよいかもぼやけてきますし、当然進捗も判断(評価)しようがないからです。

具体的な目標にすることと同じように重要なのが、PDCAを回す時間(期間)を短くすることを意識することです。

「PDCAを小さく速く回すこと」を重視することがポイントです。

以下の記事は、忘れ物をする新入社員さんの個人目標設定の例です。

PDCAという言葉にとらわれず、目標達成のために、DoからはじめるPDCAを実際にやってみることが重要です。

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まとめ

モノづくりメーカーの新メンバーとして仲間に加わると、新入社員研修を受けます。

新入社員計画の内容や進め方は、それこそ会社により様々です。

ここでは、ISOや品質改善(業務改善)というとおなじみのPDCAについて以下の項目で説明しました。

PDCAはモノづくり以外にも応用できる実用性の高い仕事の進め方の仕組みです。

  • PDCAによる仕事の進め方
  • 品質マニュアルとPDCA
  • 目標達成とPDCA
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