このブログでは、20名規模のモノづくりメーカーを想定して作成した、「品質マニュアルと関連規定」やISOならではのマネジメントレビューの活用「実はやっているマネジメントレビュー」や内部監査の資料(内部監査ガイド、チェックリストの作り方)などISO9001を積極的に活用するための資料を公開しています。
ISO9001のQMS改善のヒントになればと思い、ISO9001:2015版品質マニュアルをISO9100:2016に対応させた品質マニュアルを作っていきます。
ISO9001の品質マニュアルの作り方については、以下をご参照ください。
Amazonへ:「わかりやすい品質マニュアルの作り方」
[ISO9100:2016版品質マニュアル]
1. 総則
1.1 目的(ビジョン)
株式会社○○(以下、当社という)は、顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を満たす製品を提供し、顧客満足の向上を実現するために、品質マネジメントシステム規格JIS Q 9100に準拠した品質保証体制を確立し、品質マネジメントシステムの継続的な改善活動を全社員で実行する。
ここには、会社のビジョンを書くとよいと思います。
以下の記事の「何のために会社を作ったのかこそビジョン」、
「具体的なビジョンがPDCAに与えるメリット」をご参照ください。
1.2 適用範囲
(1)対象製品/サービスの適用範囲
当社の航空機用部品の製造
当社の航空機用組立部品の製造及びサービス提供(オーバーホール)
適用範囲はISO9001の場合よりも具体的(限定的)な表現になります。
協力会社についても自社と同様の品質管理を要求・実施することを明確に意識しておく必要があります。
品質マニュアルを作り始めると「何をどこまでやるか」は、一貫性を保つためにも重要です。
(2)対象組織
株式会社 ○○
上記対象製品/サービスの製造及びサービス提供
対象組織(拠点)と適用範囲との関係を明確にします。
ここでは、本社=自社工場としています。
(3)要求事項の除外
要求事項についての適用除外はない。
上述の適用範囲において、以下、ISO9100の品質マニュアルを作成します。
2. 適用規格
(1)この品質マネジメントシステムは、次の規格に準拠する。
JIS Q 9100 品質マネジメントシステム - 航空、宇宙及び防衛分野の組織に対する要求事項
JIS Q 9001 品質マネジメントシステム - 要求事項
JIS Q 9000 品質マネジメントシステム - 基本及び用語
JIS Q 9100は、JIS Q 9001の要求事項に対して、航空宇宙及び防衛産業の要求事項、定義及び注記について追加したものなので、ここに入れています。
(2)参考規格
JIS Q 9004 組織の継続的成功のための運営管理 - 品質マネジメントアプローチ
JIS Q 9004については、なくてもよいのですが、マネジメントシステムを理解するための参考になると考えているため、参考規格としています。
ISO9100では二者監査も審査同様に行うことが想定されるので、追加しています。
【参考】JIS規格の詳細は、ネットで見ることができます。
以下の日本産業標準調査会(JISC)の「JIS検索」のリンク先を参照してください。
3. 用語の定義
本品質マニュアルで使用する用語は、JIS Q 9001に規定される定義による他、下表による。
用語 | 定義 |
---|---|
品質文書 | 品質マネジメントシステムに関する文書の総称 |
規定等 | 品質マニュアル、規定、標準をいう。 |
JISQ9100の用語及び定義で、追加された以下の5つの用語については、自社内で具体的な例を加えて説明した方がよいと考えています。
- 模倣品(counterfeit part)
- クリティカルアイテム(critical items)
- キー特性(key characteristic)
- 製品安全(product safety)
- 特別要求事項(special requirements)
例えば、以下の品質マネジメント用語の補足説明のようなイメージですが、ISO9100の場合には正確性についても考慮が必要と考えています。
ISO9100では、ISO9001よりも言葉の定義を意識する必要があります。
乱暴な例えになりますが、「できる範囲で済ませるISO9001と義務の履行を求められるISO9100」というイメージを持っています。
まとめ
ISO9001のQMS改善のヒントになればと思い、ISO9001:2015版品質マニュアルをISO9100:2016に対応させた品質マニュアルを作りはじめました。
ここでは、ISO9100:2016版対応の品質マニュアルの以下の項目についてまとめています。
「適用範囲」は、ISO9100で追加されている用語の定義を意識しつつ、段階的に具体化(詳細化)を進めていくことになると考えています。
- 1. 総則
- 1.1 目的(ビジョン)
- 1.2 適用範囲
- 2. 適用規格
- 3. 用語の定義