このブログでは、20名規模のモノづくりメーカーを想定して作成した、「品質マニュアルと関連規定」やISOならではのマネジメントレビューの活用「実はやっているマネジメントレビュー」や内部監査の資料(内部監査ガイド、チェックリストの作り方)などISO9001を積極的に活用するための資料を公開しています。
ISO9001のQMS改善のヒントになればと思い、ISO9001:2015版品質マニュアルをISO9100:2016に対応させた品質マニュアルを作っていきます。
ISO9001の品質マニュアルの作り方については、以下をご参照ください。
Amazonへ:「わかりやすい品質マニュアルの作り方」
[ISO9100:2016版品質マニュアル]
10.改善
10.1 一般
組織は、顧客要求事項を満たし、顧客満足を向上させるために、改善の機会を明確にし、選択しなければならず、また、必要な取組みを実施しなければならない。
これには、次の事項を含めなければならない。
a) 要求事項を満たすため、並びに将来のニーズ及び期待に取り組むための、製品及びサービスの改善
b) 望ましくない影響の修正、防止又は低減
c) 品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性の改善
- 注記:改善には、例えば、修正、是正処置、継続的改善、現状を打破する変更、革新及び組織再編が含まれ得る。
10.2 不適合及び是正処置
追加要求事項があります。ISO9001と比べて、人的要因に関する不適合原因や外部提供者の不適合に関する是正要求などが求められています。
10.2.1 苦情から生じたものを含め、不適合が発生した場合、組織は、次の事項を行わなければならない。
a)その不適合に対処し、該当する場合には、必ず、次の事項を行う。
1)その不適合を管理し、修正するための処置をとる。
2)その不適合によって起こった結果に対処する。
b)その不適合が再発又は他のところで発生しないようにするため、次の事項によって、その不適合の原因を除去するための処置をとる必要性を評価する。
1)その不適合をレビューし、分析する。
2)該当する場合には、必ず、人的要因(human factors)に関する原因を含む、その不適合の原因を明確にする。
3)類似の不適合の有無、又はそれが発生する可能性を明確にする。
c)必要な処置を実施する。
d)とった全ての是正処置の有効性をレビューする。
e)必要な場合には、計画の策定段階で決定したリスク及び機会を更新する。
f)必要な場合には、品質マネジメントシステムの変更を行う。
g)外部提供者に不適合の責任があると判定する場合、外部提供者への是正処置要求を展開する。
h)適時及び効果的な是正処置がとられていない場合、特別な処置をとる。
是正処置は、検出された不適合のもつ影響に応じたものでなければならない。
組織は、不適合及び是正処置の管理プロセスを定める、文書化した情報を維持しなければならない。
組織には、自社(当社)だけでなく協力会社なども考慮する必要があると考えています。
10.2.2 組織は、次に示す事項の証拠として、文書化した情報を保持しなければならない。
a)不適合の性質及びそれに対してとったあらゆる処置
b)是正処置の結果
10.3 継続的改善
組織は、品質マネジメントシステムの適切性、妥当性及び有効性を継続的に改善しなければならない。
組織は、継続的改善の一環として取り組まなければならない必要性又は機会があるかどうかを明確にするために、分析及び評価の結果並びにマネジメントレビューからのアウトプットを検討しなければならない。
組織は、改善活動の実施状況を監視し、その結果の有効性を評価しなければならない。
- 注記:継続的改善の機会の例には、教訓(lessons learned)、問題解決事例及び最善の慣行のベンチマーキングを含み得る。
ISO9100では、継続的な改善活動と、有効性の評価について、ISO9001よりも具体的に求められています。
まとめ
ISO9001のQMS改善のヒントになればと思い、ISO9001:2015版品質マニュアルをISO9100:2016に対応させた品質マニュアルを作りはじめました。
ここでは、ISO9100:2016版対応の品質マニュアルの以下の項目についてまとめています。
ISO9100追加要求事項もあり、規定類の見直しも必要になります。
- 10.改善
- 10.1 一般
- 10.2 不適合及び是正処置
- 10.2.1 苦情から生じたものを含め、不適合が発生した場合、組織は、次の事項を行わなければならない。
- 10.2.2 組織は、次に示す事項の証拠として、文書化した情報を保持しなければならない。
- 10.3 継続的改善