このブログでは、20名規模のモノづくりメーカーを想定して作成した、「品質マニュアルと関連規定」やISOならではのマネジメントレビューの活用「実はやっているマネジメントレビュー」や内部監査の資料(内部監査ガイド、チェックリストの作り方)などISO9001を積極的に活用するための資料を公開しています。
ISO9001のQMS改善のヒントになればと思い、ISO9001:2015版品質マニュアルをISO9100:2016に対応させた品質マニュアルを作っていきます。
ISO9001の品質マニュアルの作り方については、以下をご参照ください。
Amazonへ:「わかりやすい品質マニュアルの作り方」
[ISO9100:2016版品質マニュアル]
4.組織の状況(当社全体に関すること)
4.1 組織及びその状況の理解(当社を取り巻く状況)
社長は、当社の目的及び戦略的な方向性と一致して持続的に発展するために、品質マネジメントシステムを適用し、外部及び内部の課題をマネジメントレビューにおいて明確にし、監視する。
4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解(利害関係者の要求事項)
社長は、品質マネジメントシステムの運用に密接に関連する利害関係者及びその要求事項について、マネジメントレビューにおいて明確にし、それらに関する情報を監視し、レビューする。
4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定(QMSで管理する仕事の範囲)
社長は、次の事項を考慮した品質マネジメントシステムの適用範囲をマネジメントレビューにおいて決定する。
a)4.1に規定する外部及び内部の課題
b)4.2規定する、密接に関連する利害関係者の要求事項
c)当社の製品及びサービス(1.2適用範囲)
4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス(QMSの概要)
4.4.1 品質マネジメントシステム(QMSの基本的な考え方)
当社は、JIS Q 9100の要求事項に従い確立した品質マネジメントシステムを、実施し、維持し、かつ、継続的に改善する。
当社の品質マネジメントシステムは、顧客及び適用される法令・規制上の品質マネジメントシステム要求事項も取り扱う。
文章にすれば1行ですが、「顧客及び適用される法令・規制上のQMS要求事項」を含めるため、品質マニュアルの適用範囲について、顧客や製品などを具体的にイメージすることが重要になってきます。
適用範囲が狭すぎるのも問題ではありますが、適用範囲が広すぎたり、あいまいになってくると、規格要求に対し何をするかがぼやけてきて、品質マニュアルはまだしも、規定や標準等を作る際にそのボリュームに圧倒されてしまうのではないかと考えています。
ひとまずゴールを目指し、形ができたら適用範囲を広げていくのがよいと考えています。
「品質マネジメントシステム体系図」に示す品質マネジメントシステムに必要なプロセスについて、次の事項を実施する。
「品質マネジメントシステム体系図」は、ひとまず先送りして、品質マニュアル本文の完成を優先します。
a)プロセスに必要なインプット、プロセスから期待されるアウトプット、及び各プロセスの順序及び相互作用を「品質マネジメントシステム体系図」に示す。
b)プロセスの効果的な運用及び管理を確実にするために必要な判断基準及び方法(監視、測定及び関連するパフォーマンス指標を含む)を「9 パフォーマンス評価」に示す。
c)プロセスに必要な資源を「7.1資源」に明確にし、それが利用できるようにする。
d)プロセスに関する責任及び権限を「表1 主要業務の責任と権限」に示す。
「表1 主要業務の責任と権限」については、ひとまず先送りして、品質マニュアル本文の完成を優先します。
e)「6.1 リスク及び機会への取組み」により決定したとおりにリスク及び機会に取り組む。
f)意図した結果を確実に達成するために、プロセスの評価と必要な変更を実施する。
g)プロセス及び品質マネジメントシステムを改善する。
4.4.2 品質マネジメントシステムのプロセス(QMSの文書と記録)
当社は、文書化した情報(文書・記録)について「品質文書管理規定」に定める。
様々なプロセスを正しく行うために必要な情報を、必要に応じ改定し適切な状態を保ち、その事を証明する記録を適切に保管する。(7.5参照)
当社は、次の事項を含む、文書化した情報を作成し、維持する。
- 密接に関連する利害関係者の全般的記述(4.2参照)
- 境界及び適用可能性を含む、品質マネジメントシステムの適用範囲(4.3参照)
- 品質マネジメントシステムに必要なプロセス及びそれらの組織全体への適用の記述
- これらのプロセスの順序及び相互関係
- これらのプロセスに関する責任及び権限の割当て
文書化された情報について、具体的に決めていくことになりますが、ISO9001に比べると考慮する範囲が広くなり、取り決めもより具体的になります。
検討範囲と深さを考慮して進めていくとよいと考えています。
まとめ
ISO9001のQMS改善のヒントになればと思い、ISO9001:2015版品質マニュアルをISO9100:2016に対応させた品質マニュアルを作りはじめました。
ここでは、ISO9100:2016版対応の品質マニュアルの以下の項目についてまとめています。
- 4.組織の状況(当社全体に関すること)
- 4.1 組織及びその状況の理解(当社を取り巻く状況)
- 4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解(利害関係者の要求事項)
- 4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定(QMSで管理する仕事の範囲)
- 4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス(QMSの概要)
- 4.4.1 品質マネジメントシステム(QMSの基本的な考え方)
- 4.4.2 品質マネジメントシステムのプロセス(QMSの文書と記録)