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品質マネジメントシステムの7原則(ISO9001:2015)

品質マネジメントシステムの7原則(ISO9001:2015) 教育・訓練

ISO9001:2015年版で品質マネジメントシステムの原則は、これまでの8原則から7原則に改定となりました。

ISO9000:2015での変更点は1つ、

「プロセスアプローチ」と「マネジメントへのシステムアプローチ」が、「プロセスアプローチ」と1つになった。

ことです。

品質マネジメントシステムの7原則とは、「ISO9001:2015 品質マネジメントシステム -基本及び用語」に書かれている以下の7つです。

  • 顧客重視
  • リーダーシップ
  • 人々の積極的な参加
  • プロセスアプローチ
  • 改善
  • 客観的事実に基づく意思決定
  • 関係性管理
はかせ
はかせ

7原則が実際の業務においてどのようなことに相当するのかを、相手に合わせて分かりやすい言葉で説明する様に心がけています。

以下、あくまでも私が説明している時に使っている内容です。正確かと言われるとつらいところですが、品質マネジメントの理解を深めるヒントになれば幸いです。

品質マネジメントシステムの7原則のそれぞれは、どれが重要ということはないのですが、「品質マネジメントとは何ですか」と聞かれたとき、私は次のように説明しています。

はかせ
はかせ

品質マネジメントシステムとは、ビジョン(ありたい姿、イメージ)に向かって、「顧客満足」を高めるために、「継続的に改善」していくことです。そのための取り組み方として「プロセスアプローチ」を使っています。

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品質マネジメントシステム2015年版の時代背景

会社の社内外、国内外の環境(状況)は大きく変わり続けています。

ISO9000シリーズも、

  • 2000年版の改定(適用範囲の拡大)
  • 2008年版(環境マネジメントシステムとの整合性などマイナーチェンジ)
  • 2015年版(経営との一体化を含む大幅改定)

と改定されています。

しかしながら、時代は変わっても品質マネジメントシステムの本質的なものに変わりはなく、時の流れとともに、認証取得・維持をする企業に要求されるレベルが高くなっています。

品質の意味するところは、モノづくりの範囲にとどまらず、サービスへと拡大し、2015年版では経営との一体化が求められるようになっています。これは、ISOのための活動という考え方ではなく、事業活動の中に品質マネジメントを取り込んでしまうことだと理解しています。

品質問題が企業の評判に大きく影響を与えている事例をニュースで目にする機会も増えています。これを読んでいるあなたにも、思い浮かぶニュースがいくつかあるのではないでしょうか?

お客様の要求は、いわゆるカタログスペックで明確になっているものだけでなく、例えば静かであるといったより高いレベルの付加価値へと広がり続けています。商品を提供する企業にとっては、なかなか他社との差別化が難しく、大成功(ヒット作の発売)が難しくなっているように思います。

時代が変わり続けている現在、そしてこれから先も、品質マネジメントの考え方や以下に列挙する原則は、課題解決に役立つ力(仕組み)になると思います。

品質マネジメントの考え方と原則には、優先順位、どの原則が重要であるかといったものはなく、会社が置かれている環境などを考慮して、全体のバランスを見ながら適用するものです。顧客重視をしたら売上げが上がるとかいったものではないのです。

以下で品質マネジメントシステムの7原則について説明します。

品質マネジメントシステムの7原則

正確さより易しい言葉での説明を心がけていますので、ご注意ください。

顧客重視

品質マネジメントの主眼であり、お客様の要求を満たし続けることです。

通常、お客様の要求は増え、レベル(質)が上がっていくため、お客様の期待の半歩先、少し上を提供できる様に努力するということです。

現状維持ではない点に注意して下さい。

何のための顧客重視か、具体的で分かりやすいことが必要になります。

リーダーシップ

社長を含む全てのリーダーが、目的と目指す方向を一致させ、メンバーが会社やチームの目標達成に積極的に取り組むよう支援(サポート)し、目標達成のための各メンバーの取り組みを支援(サポート)することです。

これからやる、あるいは、今やっていることは何のためにやるのか、と言うことを繰り返し分かりやすい言葉で具体的に説明することが、リーダーには必要です。

人々の積極的な参加

付加価値を作りだしお客様に提供する会社、チームの能力を強化するために、メンバーが積極的に取り組むことです。

プロセスアプローチ

プロセス(工程)を明確にし、プロセスへのインプット(前工程)とアウトプット(後工程)の相互関係を把握して運営管理することに加え、一連のプロセスをシステム(プロセスの集まり)として運用すること。

  • 個々のプロセスを明確にし、各プロセス内で完結させ、一連の業務をスムーズに行う全体のシステムを構築、運用する考え方
  • システム(会社運営)は、各部署のプロセス(営業、開発、調達等の工程)からなり、各部署でさらに小さく分けられた業務がプロセスの最小単位
仕事を100点満点で表す場合、自分でやった仕事は100点満点で、次の担当者に渡して当たり前なのですが、これができていない組織は、言葉がよくないですが「次の担当者に放り投げて知らんぷり。最終的にお客様に一番近い担当者が減点分を埋めるのに苦労している」のではないでしょうか。

改善

顧客重視で説明した通り、お客様の要求に応え続けるためには、現状維持以上の取り組みが必要になります。

また、この現状を改善する取り組み、活動により、会社は社内外の変化に対応ができるようになり、チャンスをつかむことができます。(工場の工程改善よりももっと広い意味合いです)

準備が無ければ、せっかく作ったチャンスでさえ、つかむ、活かすことは難しいのです。

客観的事実に基づく意思決定

意思決定(評価、判断)をする場合には、客観的な事実、データを使い判断しましょうということです。

数値データは、目的によりその意味するものが変わるため、データそのものがどの様にして入手、分析してまとめられたのかは、判断の際の助けになることがあります。

また、経営者の第六感、現場の勘(カン)を否定するものではないと考えています。

関係性管理

持続的成功(目標達成)のために、密接に関連する利害関係者(顧客、協力会社、外注先、物流会社など)との関係を作り、維持すること

まとめ

品質マネジメントシステムの7原則について私なりの説明をしました。

  • 顧客重視
  • リーダーシップ
  • 人々の積極的な参加
  • プロセスアプローチ
  • 改善
  • 客観的事実に基づく意思決定
  • 関係性管理

品質マネジメントシステムの7原則のそれぞれは、どれが重要ということはないのですが、私なりにまとめると、次のようになります。

品質マネジメントシステムとは、ビジョン(ありたい姿、イメージ)があり、「顧客満足」を高めるために、「継続的に改善」していくことであり、取り組み方として「プロセスアプローチ」を使う仕組みのことです。

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