2023年1月のある日、年末年始には思いもしていなかったのですが、ふと自問自答することがありました。
経営に必要な知識とは何だろう?
経営者が経営コンサルに求める知識とは?
そういえば、中小企業診断士という資格があるな。
もしかすると、中小企業診断士の勉強(テキストを読む)ことで、経営に必要な知識を知り、自分に不足している分野が分かるかもしれない。
ということで、中小企業診断士について調べてみました。
ISO9001の2015年版では、品質マネジメントシステムの経営との統合をより強く求められていますし、経営コンサルに必要な知識の確認にも中小企業診断士は使えそうです。
中小企業診断士制度と中小企業診断士とは
中小企業診断士とは何か、まずは中小企業庁のWebサイトを調べてみると、中小企業診断士の関連情報まとめられています。
このページの「中小企業診断士制度」から引用します。
中小企業診断士は、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家です。
中小企業診断士制度は、「中小企業支援法及び、中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則に基づいて、経済産業大臣が登録する制度です。
引用先:中小企業庁Webサイト「相談・情報提供>中小企業診断士関連情報>中小企業診断士とは」から
つまり、中小企業診断士とは、日本の法律に基づく国家資格の1つということです。
さらに、中小企業診断士の業務と役割について引用します。
中小企業診断士は、企業の成長戦略策定やその実行のためのアドバイスが主な業務ですが、中小企業と行政・金融機関等を繋ぐパイプ役、また専門的知識を活用しての中小企業施策の適切な活用支援等幅広い活動が求められています。
(1)診断士の業務
診断士の業務は、支援法では中小企業者がその経営資源に関し適切な経営の診断及び経営に関する助言とされています。現状分析を踏まえた企業の成長戦略のアドバイスが主な業務ですが、その知識と能力を活かして幅広く活躍しています。
(2)診断士の役割
診断士は企業の成長戦略の策定について専門的知識をもってアドバイスします。また、策定した成長戦略を実行するに当たって具体的な経営計画を立て、その実績やその後の経営環境の変化を踏まえた支援も行います。このため、診断士は、専門的知識の活用とともに、企業と行政、企業と金融機関等のパイプ役、中小企業施策の適切な活用支援まで、幅広い活動に対応できる知識や能力が求められています。
引用先:中小企業庁Webサイト「相談・情報提供>中小企業診断士関連情報>中小企業診断士とは」から
私は、中小企業診断士とは次の様な仕事をすることと理解しました。
- 中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家
- 企業の成長戦略策定やその実行のためのアドバイスが主な業務
- 中小企業と行政・金融機関等を繋ぐパイプ役
- 専門的知識を活用しての中小企業施策の適切な活用支援等幅広い活動が求められている。
中小企業診断士とは、中小企業(日本の中小企業の定義は非常に幅広いのですが)の経営者に対し、現状分析を踏まえた企業の成長戦略についてのアドバイスが主な業務ですが、このアドバイスに必要な知識や能力を活かした幅の広い活動をする人と、私は考えています。
中小企業診断士についてのWebサイト
中小企業診断士は、法律に基づく国家資格なので、当然のことながらお役所があります。
Google先生に聞いてみたところ関連するWebサイトは、以下の3つに分類できます。
中小企業庁
中小企業庁の任務と中小企業診断士については、以下のリンク先をご参照ください。
中小企業の定義は、上記ページにリンク先があります。以下、中小企業の定義を一部抜粋します。
経営について学ぶのであれば、中小企業に関する法律についての知識も必要だと再認識しました。
言葉の定義は、業界や人によってもかなりイメージがちがうのではないでしょうか。
中小企業者の定義
業種分類 | 中小企業基本法の定義 |
---|---|
製造業その他 | 資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人 |
卸売業 | 資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人 |
小売業 | 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人 |
サービス業 | 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人 |
小規模企業者の定義
業種分類 | 中小企業基本法の定義 |
---|---|
製造業その他 | 従業員20人以下 |
商業・サービス業 | 従業員 5人以下 |
中小企業診断士協会
中小企業診断士について詳しい説明があります。
都道府県の協会
関東地方のみ確認しましたが、都道府県毎に中小企業診断士都道府県協会があるようです。
関東の都道府県協会のWebサイトをざっと見てみました。
東京都中小企業診断士協会は、さすがの情報量です。
埼玉、群馬、茨城、神奈川県については、今風のWebサイトですが、栃木県はいまだにセキュアなサイト(httpsでない)になっていないのは残念です。
中小企業診断士の試験内容(概要)
中小企業診断士の試験は、第1次試験と第2次試験があります。
第1次試験の内容(試験範囲)
第1次試験は、以下の7科目です。
- 経済学・経済政策
- 財務・会計
- 企業経営理論
- 運営管理(オペレーション・マネジメント)
- 経営法務
- 経営情報システム
- 中小企業経営・中小企業政策
第2次試験の内容
筆記試験4科目と口述試験があります。
- 【事例Ⅰ】組織(人事を含む)を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
- 【事例Ⅱ】マーケティング・流通を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
- 【事例Ⅲ】生産・技術を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
- 【事例Ⅳ】財務・会計を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
口述試験の内容は次の通りです。
- 中小企業の診断及び助言に関する能力について、筆記試験の事例などをもとに、個人ごとに面接
中小企業診断士試験の内容を知るために
今回、中小企業診断士に興味を持ったのは資格取得ではなく、経営コンサルのための資格とも言われる中小企業診断士の試験勉強をすることで、経営コンサルに必要な自分の知識の有無を確認することです。
このため、入門書をざっと読んでみることにしました。
Amazonで中小企業診断士の本を探すとたくさん出てきますが、試験範囲とざっくりとした内容が知りたかったので、以下の本を購入しました。
参考:中小企業診断士の英語名は?
Google先生に聞いてみましたが、「中小企業診断士」の統一された英語名はないようです。
中小企業庁、中小企業診断協会、都道府県の中小企業診断士協会のWebサイトで「中小企業診断士の英語名」を調べてみると、以下の様になものがあります。
【中小企業庁】
- Registered Smaller Enterprise Consultant
- Small and Medium Enterprise Management Consultant
【中小企業診断協会】
- Small and Medium sized Enterprise Consultant
- The Small and Medium Enterprise Management Consultant
- Registered Management Consultant
【東京都中小企業診断士協会】
- Small and Medium Enterprise Management Consultant
中小企業を「Small and Medium Enterprise」というのは違和感がありますが、日本の法律に基づく日本の国家資格なので、今後変わることはなさそうです。
中小企業診断士は国家資格なので、個人的な好みですが、Certified Management Consultantというよりは、Registered Management Consultantの方がよさそうだと思います。
まとめ
2023年1月のある日、年末年始には思いもしていなかったのですが、ふと自問自答することがありました。
「経営コンサルをするとした場合、経営に必要な知識とは何だろう?」
「経営コンサルに必要な知識、経営者に求められることは何だろう?」
「中小企業診断士という経営コンサルの資格があったな。」
ということで、中小企業診断士について調べてみました。
資格の取得ではなく、自分の知識の確認にも中小企業診断士のテキストは使えるのではと思い、入門書を購入し弱そうな部分から読んでみることにしました。
ここでは、中小企業診断士の資格について以下の項目で説明しました。
- 中小企業診断士制度と中小企業診断士とは
- 中小企業診断士についてのWebサイト
- 中小企業庁
- 中小企業者の定義
- 小規模企業者の定義
- 中小企業診断士協会
- 都道府県の協会
- 中小企業庁
- 中小企業診断士の試験内容(概要)
- 第1次試験の内容(試験範囲)
- 第2次試験の内容
- 中小企業診断士試験の内容を知るために
- 参考:中小企業診断士の英語名は?