製造設備等管理標準:作業安全心得:機械作業の安全心得

品質マネジメントのうち製造については、ISO9000シリーズの要求事項に関することは、「製造管理規定」にまとめています。

「製造設備等管理標準(ガイドライン)」の作業安全心得の「機械作業の安全心得」についてまとめています。

はかせ
はかせ

ここにまとめているのは基本的なことばかり、ちょっとした加工する際にも、当たり前の事を当たり前に行うことが重要です。

事故が起きる時にはいくつかの要因が重なっていることが多いものですが、当たり前のことを当たり前に実行し続けるようになること、その状態を維持することが難しいようです。

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3. 機械作業の安全心得

3.1 機械作業の一般的安全の心得(事前対策)

(1)服装について

  • 機械に巻き込まれない服装で作業する。だらしなくシャツを出す、首や腰にタオルを下げる、露出したネクタイや首に掛けたタオルなどは非常に危険である。
  • 作業時には安全靴を着用すること。安全靴は、誤って重いものを落としたり、工具や切屑を踏んだときの保護用具でもある。
  • 作業時には帽子をかぶること。作業内容によりマスク、保護眼鏡なども使用する。不明な場合には、作業管理者の指示に従う。
  • 機械工作作業では手袋は巻き込まれ易いため使用しない。

(2)工作物の取り付け・取り外し

  • 機械への取り付け・取り外し作業は、手指を挟んだり刃物による接触のケガを起こし易いので十分注意する。
  • 重い品物の取り付け・取り外し作業は、無理に一人で行わず複数で行う。
  • 複雑な形状や不安定な形態の物品を加工するときは、ジグや適切な締め付け具を用いて確実な取り付けを行う。

(3)機械の運転:※機械毎の安全注意事項を厳守

  • 品物の取り付けが終了し機械を運転する際には、不必要な工具類などを片付け周辺を安全にしてから作業を始める。
  • 作業開始時には機械を空転して、工作物と工具の取り付けの良否や機械の調子を見定める。
  • 運転の際には、機械の運動方向、回転面内又は危険区域内に立ち入らない。
  • 機械の運転中は作業に専念し機械の周辺から離れない。
  • 機械から離れる場合はメインスイッチを必ず切る。
  • 自動送りを設定したまま機械を停止したり、工具と加工物を接触したまま機械の停止を行ってはならない。
  • 機械の音や振動や熱などには常に注意を払い、異常があったら直ちに運転を停止し作業管理者に申し出る。
  • 機械の慣性運動を、手・足・工具などで止めてはならない。
  • 共同作業は自分自身の安全を図ると共に、声をかけるなど相手にもケガをさせないよう、周囲に気遣いながら作業を進める。
  • 機械を故障させたり、異常を発見した場合は、速やかに作業管理者に連絡し指示を受ける。
  • 過労時の機械作業は極力避ける。また、長時間の連続作業は、適宜休憩を取る。
  • 機械操作にあたっては、事前に必要な教育・訓練を受け、手順等を確認してから作業に入る。
  • 加工中に突然停電した場合は、使用している機械の主電源を切り、その後は作業管理者の指示に従う。
  • 機械上で測定を行う場合は、安全を十分に確保してから行う。

(4)切屑について

  • 切粉や切屑は刃物のように鋭利である。素手で処理せず、ハケやペンチなど適切な道具を用いて処理する。
  • 切屑が長くなると工作物に巻き付き易くなる。工作物を傷付けたり、作業者等に危険であるため、短いうちに処理する。
  • 床上に散乱した切粉や切屑は、足裏に刺さったり、つまづき・滑りの要因となる。作業の区切りごとに掃除をする。
  • 切粉が飛散して目に入りやすい作業(砥石作業など)は、適切なカバーを使用したり、保護眼鏡を着用する。

3.2 工具を取り扱う作業

工具を使ったまま放置したり、使い方を間違えると、思わぬケガにつながります。

工具を使う時の注意点を以下に示します。

  • 使う前にまず点検し、壊れていないか確認する。
  • 工具類は床、落ちやすいところ(機械の上、作業台の端等)に置かない。
  • 工具に付着した油は、工具がすべりやすくなるため、必ず拭き取る。
  • 使用した工具は、元の場所(定位置)に返す。
  • 使いみちの違う使い方をしない。用途に適した工具を使用する。
    • 誤った仕様例1:スパナをハンマー代わりにする。
    • 誤った仕様例2:ドライバーをタガネ代わりにする。

3.3 各種工作機械類の取扱いに関する注意事項(作業前に確認)

(1)旋盤

  • 機械に巻き込まれないよう袖や裾の締った作業服を着用する。
  • 切屑が目に入らないような作業姿勢をとる。切粉が飛散するような材料の加工には、保護眼鏡を着用する。
  • チャックやフラットなどの取り付け・取り外し作業には、万一落としてもケガや機械を損傷することのないよう、あらかじめベッド上に板などを敷いて作業する。
  • やむを得ずチャックの爪を張り出して作業する場合は、手でスピンドルを廻し、爪がベッドや刃物台に接触しないことを確認してから運転を開始する。
  • チャックやフラットに、ハンドルや締め付け具を取り付けたままにしておかない。用が済んだら直ちに外す。
  • 工具・工作物の取り付け・取り外し作業や、工作物の測定は、機械を停止し、ギアニュートラルか電源をOFFにして行うこと。
  • 回転中の機械や工作物を手で触ったり布で拭いたりしてはいけない。特に粗い加工面は、布を巻き込んだり指先を切ったりする危険がある。
  • 刃物や工作物に巻き付いた切屑は、機械を停止して適切な道具を用いて処理する。
  • ベッド上に必要でない工具や素材などを置かない。
  • バイトはできるだけ短く取り付ける。長い突き出しは食い込み現象を起こしやすい。チャックやチャックの爪の精度を悪化させるような取り付け作業をしない。
  • 細くて長い加工物は、取り付けや切削条件に十分な配慮が必要である。

(2)フライス盤

  • 工作物の取り付け・取り外し作業や加工部の測定は、機械を停止して行う。
  • 刃物の回転中に、ウエスや手で加工物の面を拭いたり、切屑を払ってはいけない。
  • 刃物の回転方向を考え危険のない作業位置を取る。
  • 刃物の特性を考え無理のない加工を心がける。
  • 主軸や送りの変換は、回転を止めて確実に行う。
  • 早送りは、刃物の位置、工作物の状態など見極めて行うこと。
  • バイスに工作物を挟むとき、口金の中央部を使用するように心がける。

(3)ボール盤

  • 工作物が振り回されないよう、固定したテーブルに確実な取り付けを行う。
  • 小さな加工物・薄板・やわらかい材料の穴あけは、振り回されないよう注意する。
  • 振り回される危険が高いのは、穴の貫通するときとドリルを戻すときである。深穴加工の切屑の詰まりや、切れにくいドリルの使用もその原因になりやすい。
  • 振り回された工作物を無理に手で押えたりしない。直ちに機械を止めた後処置する。
  • 回転中のドリルや巻き付いた切屑に手で触れたりしてはならない。
  • 手袋は巻き込みの原因になるので使用しない。袖口のほつれなどにも注意する。
  • ドリルやスリーブはテーパー部のあったものをきれいな布でよく拭いて使用する。
  • 大きな穴を貫通させるときは板材などを下に敷き、工作物をバイスやテーブルに確実に取り付けておく。
  • 加工物の材質や穴の大きさに合ったドリル形状、穴あけ工具を選び適切な加工条件で加工を行う。
  • 締め付け工具はチャックから必ず外す。

(4)電気ハンドドリルを使っての作業

  • 電気ハンドドリルでの穴あけは、腕の力や体の重みを使って強く押し付けるため、穴が貫通する際大きなトルクで体が振られバランスを崩し危険である。加工物が回転することもある。力の配分を考えて行うこと。
  • 回転中のドリルに曲げモーメントが働くと折れやすく危険である。ドリルが加工面に対し垂直になるようにする。

(5)グラインダー

※砥石の取替え又は取替え時の試運転は、労働安全衛生法に定める特別教育が必要です。
  • 高速で回転する砥石は、バランスの狂いや表面の変形は危険である。気づいたら、すぐに作業管理者に申し出る。
  • 始動から1~2分前後は砥石の正面に立たない。
  • 砥石の使用面のみを使用し、それ以外の面を使っての作業はしない。
  • 砥石と刃物台との隙間は、1~2㎜以内で使用する。
  • 加工物を無理に押し付けるような状態は、加工条件が間違っており、危険である。
  • 小さな加工物は飛ばされないよう十分注意する。
  • 手袋をしたり加工物に布を巻いたりして作業をしない。巻き込みの原因になる。
  • 飛んでくる砥粒や切屑から眼を守るため、保護眼鏡を使う。

(6)鋸盤

  • 加工物をバイスに挟むとき、確実に取り付ける。不安定な材料の取り付けは、特に注意する。
  • 加工物の形状や材質に適した刃や加工条件を選んで作業する。選択が難しい場合は、作業管理者に確認する。
  • 切削油は適量を流し、周りを汚さないようにする。
  • 刃の交換が必要な場合は、作業管理者に申し出る。

(7)帯鋸盤

  • 刃の溶接部は時々点検し、安全であるか確かめる。
  • 刃の交換が必要な場合は、作業管理者に申し出る。
  • 切断面が安定しないなど、異常を発見した場合は、作業管理者に申し出る。
  • 小さな加工物の切断には、備え付けの押し具などを使用する。
  • 無理に加工物を刃に押し付けたりしないで、適切な切断速度で加工する。

(8)プレス、シャーリング

※プレス、シャーリング作業は、労働安全衛生法に定める講習等が必要です。
  • プレス、シャーリング作業は、指先の切断事故をはじめケガの多い作業のひとつである。慎重に行うこと。
  • シャーで板金を切断するときは、押え金具など、適切な道具を用いて確実に取り付ける。刃や押え具のそばには手を出さない。
  • 機械の切断能力を超えている材料は扱わない。

(9)研削盤

※研削砥石の取替え又は取替え時の試運転は、労働安全衛生法に定める特別教育が必要です。
  • 砥石回転のスイッチを入れる際は、砥石回転方向の正面には立たない。
  • 砥石回転のスイッチを入れてから1~2分間は空転させる。砥石が割れて飛ぶような事態はこの間に起きることが多い。
  • 砥石表面の凹凸や目詰まりやバランスの狂いは非常に危険であるので、気づいたら早急に作業管理者に申し出る。
  • 接触面の小さなものや背の高いものなど、不安定な加工物の磁気チャックへの取り付けは、ブロックやバイス、イケールなどを使い確実な取り付けを行う。
  • 早送りを使用するときは砥石と加工物の位置関係をよく見極めてから行う。
  • 適切な切り込みで加工し、決して無理な研削をしてはならない。
  • 工作物の取り付け取り外しや測定作業は、回転を停止させ砥石より十分離して安全な場所で行う。
  • 必ず保護眼鏡をかける。
  • 使用後は、砥石に吸収された研削液を残さないよう必ず5分前後空転させる。

(10)NC工作機械(マシニングセンター等)

  • NCプログラムを十分に確認する。
  • NCプログラム経路に工具干渉がないように十分確認する。
  • 運転中に機械稼働範囲内に手を出さない。
  • 工作物の材質にあった工具を選択し、適正加工条件で加工を行う。
  • トラブル発生時には非常停止ボタンを押し、速やかに作業管理者へ報告する。

(11)ガス溶接・溶断

※可燃性ガスと酸素を使用した金属の溶接、溶断、加熱の作業は、労働安全衛生法に定めるガス溶接技能講習が必要です。
  • 酸素容器、調整器、トーチ等は、油やグリスの付着した手や手袋のまま操作しない。
  • 調整器、トーチ、導管などの接合は、締め付け具を用いて確実に行う。各接合部に漏れがないか石けん水などを使い点検する。
  • 作業中逆火現象をおこしたら、直ちにトーチの酸素バルブを閉じ、次いでアセチレンバルブを閉める。
  • 逆火をおこした火口は点検し、異状がなければ再び点火する。続いて逆火現象をおこしたらその火口は取り替える。
  • 火口の掃除には備え付けの清掃棒を使用する。穴が大きくなったり変形すると逆火の原因になる。
  • ガス溶接や溶断は、高温溶金の飛散でヤケドをすることがある。保護眼鏡、手袋、帽子、前掛けなどを着用する。
  • 引火物のそばで作業してはならない。

(12)被覆アーク溶接

※アーク溶接は、労働安全衛生法に定める特別教育が必要です。
  • 電撃による障害の防止
    • 絶縁性の手袋及び履物を使用する。
    • 汗、水などで濡れた作業服を着用のまま作業しない。
    • 完全に絶縁されたホルダを使用する。
    • 作業を中止するときは、必ず溶接機の電源を切る。
  • 有害光線による障害の防止
    • アークの強烈な光線を見るときは遮光面を使用する。肉眼でアークを見ると電気性眼炎になる危険がある。
    • 作業にはハンドシールドや保護眼鏡を使用し、必要に応じ、ヘルメットや皮製のエプロン・腕あて・足カバーなども使用する。
    • 作業服の袖を捲ったり、胸の開いた服装で作業しない。
    • ついたてなどを使用し、他の作業者に害を与えないようアーク光の散乱を防ぐ。
  • 溶接煙による障害の防止
    • 作業室の換気を十分にする。
    • 乾燥した溶接棒を使用する。
  • その他の災害防止
    • 直接手で溶接部に触れるときは、ヤケドをしないよう温度を確かめて触れる。
    • 使い終わった溶接棒は、温度が下がったことを確かめてから、決められた場所に捨てる。
    • 可燃性ガスや引火性の高いものをそばに置いて作業しない。

3.4 各種工作機械等の不具合、ケガが発生したときの注意事項(事後対策)

(1)工作機械や作業機器等の不具合

  • 作業中に視覚、聴覚、臭覚などから得られる情報から、通常と少しでも異なるような違和感を感じたときは、些細なことでも作業管理者に連絡し指示を受ける。
  • 機械を故障させたり異常を発見した場合は、速やかに作業管理者に連絡し必要な指示を受ける。
  • 加工中に突然停電した場合は、使用している機械の主電源を切り、その後は作業管理者の指示に従う。
  • 寿命や突発的事故等ではなく、不注意で生じた不具合の場合は再発防止のために、不具合の理由、過程等の事情を詳細に作業管理者に伝える。

(2)怪我(けが)等

  • 作業中に怪我をした場合は作業管理者に連絡し、適任者(作業管理者が指示した人)から必要な応急措置、適確な治療、その他の指示を受ける。
  • 同等の事故再発を避けるため、治療完了後できるだけ速やかに作業管理者に怪我の理由、仮定、状況の報告をする。

機械加工において最も頻繁に起きる事故は「指先」のケガである。

旋盤、フライス盤、ボール盤、鋸盤などによる機械加工作業におけるケガの発生は、

  • 鋭利な刃物への不用意な接触
  • 素手による切屑の処理
  • 加工物の不安定なセッティングによる振回りや外れ

などによって生じる。

発生したケガの多くは救急絆創膏等で済む軽症もあるが、全治1か月の診断となるような大ケガもあり、いずれも指を切断する事故と紙一重と考えられる。

「安全第一」、ケガのないよう十分に留意し作業を行うようにすること。

まとめ

品質マネジメントのうち製造については、ISO9000シリーズの要求事項に関することは、「製造管理規定」にまとめています。

「製造設備等管理標準(ガイドライン)」の作業安全心得の「機械作業の安全心得」についてまとめました。

はかせ

ISOについて学ぶきっかけは、知り合いの社長さんからISOについて相談されたことでした。
品質マネジメントを知るほどに、チーム運営やプロジェクトにも使える意外に良い仕組みであることを再認識しています。

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