製造設備等管理標準:作業安全心得:電気の安全心得

品質マネジメントのうち製造については、ISO9000シリーズの要求事項に関することは、「製造管理規定」にまとめています。

「製造設備等管理標準(ガイドライン)」の作業安全心得の「電気の安全心得」についてまとめています。

はかせ
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安全心得の内容は、1つ1つは特別なことではないのですが、当たり前のことを当たり前に実行し続けるようになること、その状態を維持することが難しいようです。

事故が起きる時にはいくつかの要因が重なっていることが多いようです。

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2. 電気の安全心得

2.1 電気事故にはどのようなものがあるか

(1)火災事故

漏電や接触不良、未保守や老朽化によるショート、機器の使用方法の誤りや過負荷運転、コンセントのホコリによるトラッキングなどにより起こる。

(2)感電事故

接地(アース)などの不完全、不適当な機器の使用、濡れた手での操作等の不注意などにより生じ、一瞬にして生命を失うことがある。

(3)爆発事故

コンデンサに過電圧を加えたり、劣化したコンデンサや電解コンデンサに逆電圧を加えると爆発することがある。油入変圧器を短絡した際も、爆発が起こることがある。

2.2 電気による火災事故

表1に、火災事故原因の具体例と予防対策を示す。

特に、下記について十分注意すること。

  • 電線(ケーブル)の銅線太さが小さいと過熱により火災を発生することがある。
  • ヒューズを使わずに結線したり、回路の容量を超える大容量のヒューズを付けたりしてはならない。機器(設備)をすぐ利用したい場合において、ヒューズが切れた原因を取り除いた後に、必ず、予備のヒューズを用意し使用する。
  • たこ足配線については、使用する電気容量に十分注意する。テーブルタップに差し込むプラグ数は原則差し込み口数以下とし、合計容量は使用するテーブルタップの容量以下とする。
  • 容量の大きな電気器具(電気ヒーター等等)は壁や床のコンセントに直接接続する。また、日常点検によりコンセントが埃まみれにならないようにする。
  • 法規違反の配線や機器の使用はしない。
  • 電気機械器具の故障対策・修理は、専門知識のある技術者か専門メーカーに依頼し、臨時応急処置のまま使用しない。
  • 電気設備の手入れを怠らない。常に手入れをし、清浄に保つ。
  • 配線等を行う時に試験盤やブレーカを切った場合には、感電事故を防ぐためにそれを明示するとともに、施錠して他の人が誤って通電しないようにする。
  • ドラムコードを使用する場合は、ドラムコードの許容電流を守ることはもちろん、ドラムにコードを巻いたままの使用は避ける。コードが過熱し、火災になった例がある。
  • コンセントにプラグをさしたまま力をかけたり、繰り返して乱暴に抜き差しをしたり、無理な曲げ方をすると、接触不良になる可能性がある。一度アークが発生すると金属が溶け、コンセント周辺も黒く炭化してますますアーク放電や漏電を起こしやすくなり、結果として火災につながる可能性が非常に大きい。
  • 特に大電流(15A以上)を使う場合は試験盤から配線する。この際、負荷容量に見合ったブレーカと配線を使用する。
  • やむを得ずコンセントから電源をとる場合にはコンセントの劣化や接触不良さらに周辺の状態に気を配り、早めに新しいものと取り替えるなど火災の防止に努める。
  • 火災が発生した場合は速やかに電源を遮断するとともに、電気火災に適合した消火器(粉末消火器等)を使って消火する。

表1 電気による火災の原因と予防対策

原因 予防対策
区分具体例 
接続の不完全電線の接続や、スイッチや器具の端子の締め付け不良常時点検して、完全な状態に保つ。
機器の不良絶縁の不良、短絡や漏電絶縁抵抗測定や回路試験をして、不良箇所は完全に修理する。
型式承認のない粗悪な電気用品の使用良品と交換する。
老化耐用年数により更新する。
機器の不良

手入れ不良(ごみやほこりがついて放熱を妨げたり、ほこりが焼けたりする。)

長期間コンセントに差し込まれているプラグの電極間にたい積した埃が空気中の湿気で導通状態となり短絡(トラッキング現象)

常時点検・手入れをして、完全整備状態に保つ。
 保護装置の不良(サーモスタットの故障、温度ヒューズなし)保護装置を修復する。
機器の誤用過負荷運転定格負荷以内で使用する。
許容電流以上の電流を流す。許容電流以内で使用する。
目的外使用正しい使用法で使う。
使用の不適短絡電源接続の前に回路を確認する。
使用環境不適(可燃物との接近など)環境に適合した使用法をする。
通電放置使用時の注意、使用後の確認
不注意による転倒使用時の注意

2.3 感電事故

個人差や感電部分に相異があるので一概にはいえないが、人体に対する影響は心臓を通る電流の大きさと時間に関係があり、指の間などは相当大電流が流れても死に至ることはないと言われる。

しかし、

  • 汗をかいているとき
  • 素足でコンクリート、または地上にいるとき
  • 手足が濡れているとき
  • 入浴中

などは、低い電圧でも危険である。

また、感電による転倒、墜落などの原因により、さらに事故を大きくすることがあるため、高所で電気設備を取扱う際には、必ずヘルメットや安全帯など保護用具を使用する。

2.4 感電を防止するには

感電を防止するための注意点を列挙する。

  • 直接電気の通じている部分(充電部)には触れない。
  • 通電中であるかどうかの確認は、検電器(ドライバの柄に仕組まれたものは使用しない)又はテスターを使用する。電圧が400Vを超える設備等を検電してはならない。
  • 機器には接地(アース)を施し、また、感電の恐れのある電源は30mA以下の漏電ブレーカを使用する。
  • 高圧は触れなくとも危険である。2,500V以上は30㎝以上、50,000V以上は1m以上離れる。
  • 電気機器は、水、特に塩水に濡らしてはならない。濡れている場合は、乾燥した後、絶縁抵抗計(メガテスター)で絶縁抵抗を測定後に使用する。
  • コンデンサを取り扱う際は、両端子を必ず短絡(放電)してから扱う。
    • 短絡する際は、直接短絡せず、抵抗器などを介して行う。コンデンサは、短絡してもその後時間がたつと、電圧を回復し、感電することがある。電解コンデンサ、高圧コンデンサの場合は、特に注意を要する。
  • スイッチの開閉のとき、ハンドルを握らない方の手は他の物、特に金属に触れない。
    • スイッチの操作は、右手で行う。左手で行うと、感電のとき心臓に電撃を受ける。
  • 電磁石のような大きなインダクタンスを有する回路のスイッチを切ると、火花が飛んでやけどや感電するおそれがあるため、感電保護具、防具を着用する。
  • 直流電動機の界磁電流を切るときは、素早くスイッチを切る。

2.5 その他電気によって発生する災害

感電以外の電気により発生する災害を列挙する。

  • 電熱器や投光器の使用は、細心の注意をはらう。ヒーター部で周辺を焦がしたりするほかに、近くに可燃物がある場合や本体の電線被覆を伝っての火災の危険性がある。また、感電による心配もあるので、使用にあたっては十分に注意する。
  • スイッチや電動機、分電盤・試験盤の近くには、燃えやすいものや、爆発しやすいものなどを置かない。ヒューズが飛んだときや開閉器が遮断した時の火花が元で火災や、やけどをすることがある。
  • 可燃性又は支燃性のガス、危険物、粉塵(粉じん)などの存在する場所では、機器の過熱、スイッチを開閉する際の火花、アークなどが点火源になり、爆発事故を起こす場合があるので防爆対策をとる。
可燃性又は支燃性のガス都市ガス、水素、アセチレン、アンモニア、一酸化炭素、酸素ガスなど
危険物アルコール、エーテル、ガソリン、シンナー、ベンジンなど
粉じん小麦粉、でんぷん、ココア、粉ミルク、硫黄
  • 漏電ブレーカの遮断やヒューズが切れたら必ずその原因を調べ、対策を講じた後に復旧する。

2.6 停電時の心得

停電を想定し対処しておく必要がある電気機器の対応策を以下に示す。

  • 試験装置、冷却が必要な設備など、不慮の停電により製造や試作等に支障をきたす機器等の電源は、電源の安定度や予備電源の設置等について、リスクに応じた対策を行う。
  • 古い排気装置などでは、停電後の再通電時に過負荷となり、回転機が自力で回転を開始できない場合がある。このような場合、発熱から火災を起こす恐れがある。
  • 夜間などに人のいない部屋で終夜運転の必要な装置(電気炉、排気ポンプなど)には、これら装置ごとに保護リレー等の安全回路を設置する。
  • 懐中電灯は、夜間突然に停電して暗闇となってもわかりやすい所に常置する。
  • 停電の時は、電動機のスイッチを切る。直流機、誘導機、同期機等は復電したとき焼損の恐れがある。また、コンデンサ等の電荷を確認の上使用する。

2.7 その他

その他の注意点について列挙する。

  • 電線を踏む、挟む、またはロープの代わりなどに使用してはならない。その恐れがあるときは、必ず所定の保護カバーをつける。
  • 高所作業においては、必ず命綱などを使用する。
  • 単独の電気作業は避ける。人のいない場所及び夜間においての作業は厳禁である。
  • 長い金属棒を持って、電気設備の近くを通るのは危険である。

まとめ

品質マネジメントのうち製造については、ISO9000シリーズの要求事項に関することは、「製造管理規定」にまとめています。

「製造設備等管理標準(ガイドライン)」の作業安全心得の「電気の安全心得」についてまとめました。

はかせ

ISOを学ぶきっかけは、知り合いの社長さんからのISO認証取得の相談からでした。
品質マネジメントは、会社をよくするツールであり、チームやプロジェクトにも使えるよくできた仕組みです。

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