営業は、お客様から直接お話(要望、やりたいこと)を聞き、自社に持ち帰り技術などの関係者に伝え、回答をお客様に伝える、まさにお客様と社内の橋渡しだと思います。
お客様からすれば、担当営業のイメージがその会社のイメージに大きな影響を与えますし、トラブルをこじらせるのも未然に防ぐのもある意味営業にかかっているともいえます。
ここでは、営業の役割と顧客満足、営業の目標と活動の確認について説明します。
営業の役割と顧客満足
営業はお客様と直接接する窓口であり、会社の(現場)の顔です。
営業同行でお客様を訪問することもありましたが、営業次第で問題が大きくなったり収まったり、ビジネスが広がることもあれば、技術支援とかプレセールスとか言って持ち出しが増えることもあります。
お客様からすれば、比較する商品や会社が増え、機能・性能が大差ないとなれば、コストとサポートの比較になりがちです。 そこを何とかしてしまう営業は、やはりすごいと素直に思います。
顧客満足について考えた場合、営業が考え続けるのは営業予算の達成なのでしょうか?
営業スタイルは人によって様々ですが、予算達成最優先、受注すればよいという姿勢では、やはり長続きしないのは確かなようです。
圧倒的な商品力がある場合には、(実際には見えない、気付かない様々な仕掛けが施され、場合によっては無意識のうちに影響を受けいると思いますが、)営業とういう人を介すより、実用化が進み始めたAI(Artificial Intelligence:人口知能)の方が優秀、効率的なだけでなく、お客様が営業に嫌な思いを持たずに済むのかもしれません。
輸入品でしたが国内独占販売の商品が必要となり、「挨拶はいいから速く見積書を送ってくれればいいのにな。」と思ったこともありました。
今振り返れば、独占販売の商品だからこそ自分の使い方だけでなく、他の使われ方などを聞くよい機会だったのになと思うことがあります。この場合は、営業のスキル(ISOで言う力量)が問われることになリますが、営業個人が優秀でなければならないということではなく、営業のスキルに応じたサポートを会社あるいはチームで提供できるかがポイントになります。
それほど多くの営業に出会ってきたとは思いませんが、S級の営業(社内でぶっちぎりNo.1の営業)は、社会人しての基本はもちろんのこと、商品知識や気配り、そしてお客様のやりたいこと、実現したいことを聞き取る力が、まさにスゴイのです。「そこまでやるのか、できるのだな。」と思ったものです。当然、お客様からも信頼されており、おそらく様々な相談も受けているのでしょう。
営業が技術的な商品説明や、お客様の専門的な内容について対応するため、技術を同行させることがあります。例えばお客様の開発拠点に技術を同行させる際、お客様とのアポイント(面談の約束)をぎっしり入れ、技術が参ったと疲れるほどに技術同行のチャンスを活用する。これも優秀な営業の1人です。
営業なのに技術サポートよりもレベルが上で、お客様のやりたいことができるかどうかを判断できる営業もいました。自分でやることと技術サポートがやることを明確に意識して仕事をしているようで、これも優秀な営業の一人です。
営業の目標管理は、予算と活動の確認
営業の目標が予算達成とすると、目標の予算をどのように積み上げていくかが計画になります。ややもすると計画というよりも、希望予算を1年12か月に割り振っただけとなりがちなようですが、裏付けのある目標値であることが当然よく、裏付けがないのであれば短い周期でPDCAを回すのも1つの手段であると思います。
営業の評価、日々の活動の何を記録し評価するのかは、会社により様々だと思いますが、ここでは、これから目標管理に取り組むような場合をイメージして説明します。
営業活動のチェック項目は、顧客訪問件数、訪問時間、商談内容(見積、受注)からだと思います。
- 顧客訪問件数から、訪問したお客様、回数(頻度)が分かります。
- 訪問時間と訪問内容から、商談の進捗なども分かります。
これらの結果を上司が判断して、指示を出す、同行するなどの活動(Action)につながります。
営業活動の報告について思うこと
営業活動の報告についてですが、例えば毎週定例ミーティングをしている場合、営業に活動結果を報告させるのではなく、「先週の報告内容と指示事項」を上長が確認することがポイントです。その理由は、営業自らの報告では当たり障りのないことに終始し、実際の活動内容を知るための情報として内容が薄い、上長の知りたいことや報告者が知りたいことが分からない伝わらないと思うからです。
「指示をしたら結果(実施したこと)を確認する」ことは、仕事の基本の一つだと思います。
評価云々の話になると会社の評価制度(結局のところ報酬)も関係してくるため、現場側でできることが限られてしまいます。現場を速く回し、お客様と直接接する営業から、お客様の要望や動向を知り、必要があれば自ら確認する。これが、基本だと考えています。
トラブルは発生するものなので、これをゼロにする目標は現実的ではないのですが、トラブルになる前にその原因を知り対策することはできます。トラブルの兆候は意外に早い段階でお客様から担当営業に発信されているのですが、当の営業には伝わっていないこともままあります。
このため、機会を見つけて上長自ら確認することは、トラブルの早期解決だけでなく、新たなビジネス展開の観点からも大切なポイントになると考えています。
余談ですが、新規顧客開拓と担当顧客の割り当てについての1つの考え方を紹介します。
- 新規顧客開拓は優秀な営業でも難しく、成果が出る(新規受注獲得)までには時間がかかる。
- 優秀な営業は、そうでない営業よりも多くの顧客を担当することができる。
ここで、営業一人一人の勤務時間を考えると、担当顧客の割り当て方も変わってくるのではないでしょうか。著書名は忘れてしまったのですが、株式会社武蔵野 小山社長の「成績優秀な営業には楽なルート営業を割り当てる。」という主旨の考え方にはなるほどと思いました。
まとめ
営業は、お客様から直接お話(要望、やりたいこと)を聞き、自社に持ち帰り技術などの関係者に伝え、回答をお客様に伝える、まさにお客様と社内の橋渡しです。
また、担当営業のイメージがその会社のイメージに大きな影響を与えますし、トラブルをこじらせるのも未然に防ぐのもある意味営業にかかっているともいえます。
ここでは、以下について説明しました。
- 営業の役割と顧客満足
- 営業の目標管理は、予算と活動の確認
- 営業活動の報告について思うこと