ISO9100(日本語版はJISQ9100)は、航空、宇宙及び防衛分野向けの品質マネジメントシステム(ISO9001)のセクター規格です。
JIS Q 9100:2016
品質マネジメントシステム− 航空,宇宙及び防衛分野の組織に対する要求事項
ISO9001(JISQ9001)品質マニュアル類の改訂を進めたり、内部監査などを利用して会社全体の品質マネジメントシステムを改善するヒントになるのではと思い、JISQ9100について学び始め、ISO9001:2015との違いについてまとめてきました。
ISO9001とISO9100は、規格番号の「1の位置」が違うだけで、どちらも品質マネジメントシステムに関する要求事項ですが、ISO9100は航空、宇宙や防衛分野向けの品質マネジメントなであるため、次の様な違いがあります。
- ISO9001では要求事項の実現方法について、認証取得組織(会社)が決めた方法でよい。
- ISO9100では要求事項の実現方法について、ISO9001より一歩踏み込んだ具体的な要求を追加している。
そこで、このブログで公開しているISO9001の品質マニュアルをベースに、ISO9100の品質マニュアルを作りはじめ、ひとまずマニュアル本文が完成しました。
2023年2月、ISO9100版品質マニュアルと規定作成の進め方について追記しました。
ISO9100の品質マニュアル作成状況
品質マニュアルだけではなく、規定類も見直しが必要なのですが、まずは、品質マニュアルの完成を優先させています。
8.運用
QM9100版品質マニュアルと規定類の作成方針
2023年2月、QM9100版品質マニュアルと規定類作成の進め方について次の様にしようと考えています。
品質マニュアルを仕上げる
- 現在分割しているQM9100版品質マニュアルを1つにする。
- 品質マニュアルの本文以外の図表などの修正
- QM9100の要求事項によりISO規定類の修正
関連規定類の修正
見直しが必要な規定等は、以下の通りです。
修正しやすいモノから進めていきたいと考えています。
- 方針管理規定
- 教育・訓練規定
- 文書管理規定
- 内部監査規定
- 不適合品処理規定
- 苦情処理規定
- 是正処置規定
- 営業管理規定
- 外注・購買管理規定
- 設計・開発管理規定
- 製造管理規定
- 検査業務規程
- 監視・測定機器管理規定
- 標準
- 製造管理規定:製造設備等の管理
- 識別及びトレーサビリティ
- 製造に関するプロセスの妥当性確認
ISO9001とISO9100との違い
以下は、「JISQ9100:2016」と「JISQ9001:2015」の違いについてまとめています。
品質マネジメントシステムとしての違い
「4 組織の状況」「5 リーダーシップ」「6 計画」
「7 支援」
「8 運用」
「9 パフォーマンス評価」「10 改善」
リスクに基づく考え方
ISO9100では、運用リスクをマネジメントする正式なプロセスが、 8.1.1で要求されています。
以下、「日本工業規格(日本産業規格) JIS Q 9100:2016 品質マネジメントシステム− 航空,宇宙及び防衛分野の組織に対する要求事項」の付属書Aから引用します。
航空、宇宙及び防衛分野では、リスクは、プロセス、製品、サービス、顧客又はエンドユーザに潜在的な好ましくない影響を与える重大性及び発生確率の組合せとして表現する。
航空、宇宙及び防衛のプロセス、製品及びサービスの複雑さ、並びに起こり得る失敗の結果の重大性によって、運用リスクをマネジメントする正式なプロセスを8.1.1で要求している。
運用リスクマネジメントのプロセスは、箇条8全体にわたって特定の要求事項によって支援され、次の事項に対する焦点をはっきりさせることを目的としている。
- リスクが運用プロセスに与える影響を理解する。
- 起こり得る望ましくない影響をマネジメントする(例えば、予防し、軽減し、管理する)ための運用プロセス及び取組みの決定をする。
引用先:「日本工業規格(日本産業規格) JIS Q 9100:2016 品質マネジメントシステム− 航空,宇宙及び防衛分野の組織に対する要求事項」より
まとめ
この記事は、ISO9001の品質マニュアルをISO9100に対応させる品質マニュアルの作成記録です。
ISO9001とISO9100との違いについての記事もまとめています。