内部監査員候補者は、内部監査責任者としてスカウトしてきましたが、技術部門から本人の希望により内部監査員教育をしています。
技術部門のCさんが内部監査員をやってみたいと思ったきっかけは、「会社全体のことを知ることができそうだと思ったから」ということです。
そこで、Cさんの内部監査員教育の時間を月1回、1時間もうけて半年ほど続けています。
内部監査員の目標は、
- 次の内部監査に内部監査員候補者として参加すること
として、次の2つのテーマで教育というよりは、現状説明や質疑応答を主にすすめています。
- 内部監査員教育(ISOの基礎から)
- 日頃の業務を通じて疑問に思っていることの回答
スカウトではなく本人の希望ではじめた内部監査員教育なので適性を含め手探りですすめています。
ここでは、意外な気づきなどを含め技術系内部監査員の育成について説明します。
なぜ内部監査員候補者をスカウトしてきたか
内部監査員候補者をスカウトする理由は、業務改善に役立つ内部監査を行うには、
- 内部監査員にとって重要なことは監査対象部署の部署長(責任者)や現場のメンバーとコミュニケーションがとれること
が最も必要かつ重要な力量だと考えているからです。
業務改善に役立つ内部監査をするためには、少なくとも内部監査対象部署の責任者が警戒したり気配りしたりすることなく、内部監査リーダーや内部監査メンバーと話ができる必要があります。
繰り返しになりますが、内部監査の目的はできていないことを指摘をすることではなく、困っていることや問題点がないか客観的な目で観察し、聞き出すことだからです。
ISO内部監査員にはじめて取り組む方や育成する立場の方は、以下のKindle本をご参照ください。Kidnle版とペーパーバック版もあります。
- ISO内部監査の取扱説明書

技術部門の内部監査員候補者の応募理由
技術部門のCさんが内部監査員をやりたいといってきた理由は、
- 内部監査員をすれば会社全体の流れがわかるのではないかと思ったこと
がきっかけとなったそうです。
Cさんは、日々の忙しく設計業務に追われ、何となく技術部門内の仕事の流れはわかってきたものの、会社全体の仕事の分担や流れ、お客様からの要求(注文)から納品までの具体的な流れがどうなっているかわからないので、どうすればよいか悩んでいたところでもあったそうです。
目の前の仕事の量が少なくないだけでなく、年間を通して忙しいこともあり、もう少し効率的に仕事を進めたい、事前にやっておくことでトータルの仕事をコントロールして進めたいという思いもあるようです。
内部監査員教育をすすめて気づいたこと
技術部門のCさんへの内部監査員教育は、これまでの内部監査員教育と同じ様に、内部監査員として必要なISOの基礎的な知識、品質マニュアルと関連規定を使い、営業部署の内部監査ができることを目標に進めることにしました。
ただし、Cさんの場合、会社全体の業務の流れも知りたいとのことでしたので、従来通りの内部監査員への教育内容に加え、質問に答える時間を含めることにしました。
日々の業務に負担をかけないように、毎月1回、1時間として半年ほど教育していますが、次のような質問がありました。
- 内部監査はどんなことをするのですか?
- 毎月技術会議をしていますが、これのISO規定類での位置づけは?
- 日々図面を作成していますが、図面作成手順(設計手順)のルールはないのですか?
- 製品の品質管理とは、具体的にどのようなことをしていますか?
- 品質保証部の仕事は、検査だけではないのですか?
聞かれても、うまく説明できないこともあります。
そんな時は、自分の宿題として次の教育の時に説明するようにしています。

教えることで、自ら学ぶこともあるということを、再認識するよい機会にもなっています。
まとめ
内部監査員候補者は、内部監査責任者としてスカウトしてきましたが、技術部門から本人の希望により内部監査員教育をしています。
技術部門のCさんが内部監査員をやってみたいと思ったきっかけは、「会社全体のことを知ることができそうだと思ったから」ということです。
そこで、Cさんの内部監査員教育の時間を月1回、1時間もうけて半年ほど続けています。
スカウトではなく本人の希望ではじめた内部監査員教育なので適性を含め手探りですすめています。
ここでは、意外な気づきなどを含め技術系内部監査員の育成について、次の項目で説明しました。
- なぜ内部監査員候補者をスカウトしてきたか
- 技術部門の内部監査員候補者の応募理由
- 内部監査員教育をすすめて気づいたこと