「安全衛生管理マニュアル」の補足資料です。
「安全管理の参考」のうち、危険物の取り扱いについてまとめています。
1. 危険物の取扱い
1.1 危険物取扱者について
(1)危険物取扱者を必要とする施設
一定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱う化学工場、ガソリンスタンド、石油貯蔵タンク、タンクローリー等の施設には、危険物を取り扱うために必ず危険物取扱者を置かなければいけません。
(2)危険物取扱者の業務
甲種危険物取扱者は全類の危険物、乙種危険物取扱者は指定の類の危険物について、取り扱いと定期点検、保安の監督ができます。
又甲種もしくは乙種危険物取扱者が立ち会えば危険物取扱者免状を有していない一般の者も、取り扱いと定期点検を行うことができます。
丙種危険物取扱者は、特定の危険物(ガソリン、灯油、軽油、重油など)に限り、取り扱いと定期点検ができます。
(3)危険物取扱者の受講義務
化学工場やガソリンスタンドなどで、危険物の取り扱い作業に従事している危険物取扱者は、危険物の取り扱い作業の保安に関する新しい知識、技能の習得のため、定められた期間内ごとに、都道府県知事が行う講習を受けなければなりません。
1.2 危険物取扱者免状の種類
免状の種類 |
取扱いのできる危険物 |
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甲種 |
全種類の危険物 |
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乙種 |
第1類 |
塩素酸塩類、過塩素酸塩類、無機過酸化物、亜塩素酸塩類、臭素酸塩類、硝酸塩類、よう素酸塩類、過マンガン酸塩類、重クロム酸塩類などの酸化性固体 |
第2類 |
硫化りん、赤りん、硫黄、鉄粉、金属粉、マグネシウム、引火性固体などの可燃性固体 |
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第3類 |
カリウム、ナトリウム、アルキルアルミニウム、アルキルリチウム、黄りんなどの自然発火性物質及び禁水性物質 |
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第4類 |
ガソリン、アルコール類、灯油、軽油、重油、動植物油類などの引火性液体 |
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第5類 |
有機過酸化物、硝酸エステル類、ニトロ化合物、アゾ化合物、ヒドロキシルアミンなどの自己反応性物質 |
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第6類 |
過塩素酸、過酸化水素、硝酸、ハロゲン間化合物などの酸化性液体 |
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丙種 |
ガソリン、灯油、軽油、重油など |
1.3 資格の必要性等について
有機溶剤、例えば、トルエン等を含む接着剤を使う場合には、危険物取扱者免状が必要かどうか確認します。
例えば、トルエンについては、以下のような理由により、危険物取扱者免状が必要となります。
トルエンは第4類の危険物なので、法で定める指定数量以上を貯蔵し又は取扱う施設(製造所等)において使用する場合には危険物取扱者免状が必要です。
指定数量については、危険物の規制に関する政令第1条の11に規定されていますが、詳細については、消防機関に確認します。
なお、危険物は、取扱いを間違えると、火災・爆発事故等の恐れがあります。
このため、事故の未然防止、適正管理を図るためには、危険物取扱者免状保有者の配置が望ましいので、取り扱う数量の多少にかかわらず危険物を取り扱う工場等においては、免状の取得することが推奨されているようです。
まとめ
ここでは、「安全衛生管理マニュアル」の補足資料として、「安全管理の参考」のうち、危険物の取り扱いについてまとめました。