モノづくりメーカーの新メンバーとして仲間に加わると、新入社員研修を受けます。
まずは、いわゆる人事や総務から会社員として最低限知っていないと困るルールや手続きから始まり、その会社の基本的な社員教育、そして、営業や技術など各職場向けの教育と段階的に進んでいきます。新入社員計画の内容や進め方は、それこそ会社により様々です。
会社には社是や経営方針がありますが、ISOの品質方針や品質目標とも関連があります。
ここでは、以下について関連性を含めて説明します。
- 経営方針
- 品質方針、品質目標
- 部署目標と個人目標
経営は社長の思い
社是、経営理念、経営方針など、会社によって呼び方は様々ですが、「どの様な会社にしたいか」や「どのような社員になって欲しいか」といった社長の思いを表したのが、経営方針です。
モノづくりメーカーであれば、経営方針は自社のモノづくりについても当然反映されています。
ISOの要求(品質マネジメントシステムの7原則)の1つ顧客満足を向上させる、つまり、お客様が満足する製品やサービスを提供するための考え方を示したのが経営方針であるともいえます。
もっとも、経営方針と聞いても、自分の担当業務や役割との関係、新入社員として何をすべきなのか(個人目標として個人が目指すこと)について説明します。
方針と目標とは
方針と目標については、以下の様に考えています。
- 方針とは、仕事に対する考え方や進め方
- 目標とは、具体的に達成することそのもの
経営方針と経営目標
経営方針は、会社としてどの様に仕事を行い、製品やサービスを提供するかの考え方です。
経営方針に基づき、中期目標(3年後)や中期計画を作成し、中期計画を達成するために、年度目標と計画を作成します。
例えば、会社の年度目標として予算を決めます。
営業、技術、製造、管理部門は、年度目標を達成するために、それぞれの役割に応じた年度目標を立て計画を作成します。
部門目標と個人目標
例えば、営業の場合、営業部門全体の年度目標を立て、これを営業個人に割り当てていきます。
営業の個人目標を達成することで、部署の目標を達成し、会社目標達成につながると考えます。
どの様な営業活動をするかは、経営方針や経営目標から営業部門、営業個人に対し展開していきます。
営業部門以外の場合、営業の部門目標が営業予算達成であれば、営業予算達成のために何をすればよいかを考え目標を設定し計画を立てます。
製造部門(工場)であれば、工場としての目標、工場の各現場での目標、作業担当者の目標とします。技術についても同様です。
管理部門の場合は、会社の目標を達成するために、各部門が活動しやすくしたり、ムダなどをなくす活動が対象になります。
目標設定のポイント:重要度と緊急度
「優先順位をつけて仕事をするように」と言うのは簡単ですが、実際に優先順位は難しいと考えている方も少なくないようです。
実際には、大なり小なり優先順位をつけて仕事をしているのですが。
今日やることの数と何から始めるか(優先順位)について考えてみます。
- 今日やることが1つだけなら、何時から始めるか考え実行します。
- 今日やることが2つ以上あると、どちらを先にやるか優先順位をつけます。
この優先順位をつけるときによく使われているのが、下図に示す重要度と緊急度による分類です。
図1 重要度と緊急度による分類イメージ
上図で分類が4つありますが、次の様に考えられます。
- 分類Aは、「重要かつ緊急」なので、すぐにやることです。
- 分類Bが、「重要だが緊急ではない」ことなので、最も重要なことです。
- 分類CとDは、「重要度が低い」ことなので、やらなくてよいことです。
言葉を変えて説明すると、次の様になります。
- 忙しいからと目の前のことだけやるのではなく、急ぎではないが重要なことを始めなさい。
仕事に追われて、考える時間などないと思うかもしれませんが、「緊急ではないが重要なこと」について考えてみることが重要です。
そして、PDCAを回す場合は、計画(P)からではなくまずやってみる(Do)ことがポイントです。
PDCAの考え方や事例などは以下をご参照ください。
まとめ
モノづくりメーカーの新メンバーとして仲間に加わると、新入社員研修を受けます。新入社員計画の内容や進め方は、それこそ会社により様々です。
会社には社是や経営方針がありますが、ISOの品質方針や品質目標とも関連があります。
ここでは、経営方針、品質方針と品質目標、部署目標と個人目標について以下の項目で説明しました。
- 経営は社長の思い
- 方針と目標とは
- 経営方針と経営目標
- 部門目標と個人目標
- 目標設定のポイント:重要度と緊急度