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新人社員研修:たかが記録、されど記録。ミスを防ぎピンチの助けに

はじめての品質教育

モノづくりメーカーの新メンバーとして仲間に加わると、新入社員研修を受けます。

まずは、いわゆる人事や総務から会社員として最低限知っていないと困るルールや手続きから始まり、その会社の基本的な社員教育、そして、営業や技術など各職場向けの教育と段階的に進んでいきます。新入社員計画の内容や進め方は、それこそ会社により様々です。

新入社員研修というより、社会人として必要なこととして「記録を残すことの大切さと報連相」について、教えられ、練習することは、広く行われています。

ここでは、記録がなぜ重要なのか、たかが記録、されど記録、ミスを防ぎピンチの助けにもなる記録について説明します。

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記録が重要な理由

記録、ISOではエビデンス(客観的証拠)といいますが、一般的に仕事をしたらやったことを記録に残るようにすることが重要です。

記録を録ることがことが当たり前(普通)になっている職場では、記録を録っていることや残していることを意識していない場合もあります。だからといって記録が必要ないかということにはなりません。

記録が重要な理由として、次の2つがあります。

  • 失敗やミス、不具合や不適合などが発生した際の記録が役立つこと
  • 失敗やミス、不具合や不適合などの発生を防ぐために記録が役立つこと

モノづくりメーカーの製品は、引き合いから始まり、受注、設計、製造、出荷まで様々なプロセス(工程)を得て、お客様の元に製品が届きます。

これらの各プロセスにおいて、記録は必要です。営業だから記録はいらないといったことはありません。

例えば、クレーム発生時に必要な記録(不具合の原因調査に必要な記録)には、次の様なものがあります。

  • 営業関連:受注内容(製品の種類、数量、納期、特別な要求)
  • 設計:図面や仕様書、標準品でない場合には、それに関する検討結果
  • 製造:製品としての製造ロット、使用した材料、各工程での記録(工程内検査記録等)
  • 出荷前の検査:検査記録
  • 出荷:出荷記録(出荷した製品のロット、数量、梱包日時、運送会社への引き渡し日)

上述のような記録が無い場合、残念ながら実際に確認していたとしても、お客様からは確認したとは認めて頂けません。

各工程で確認した記録があることで、決められた手順通りに確認したことを客観的に証明できますし、記録に残すことで忘れずに確認することができます。

モノづくりの各工程で、決められたことを実施したことを証明するのは、記録しかありません。

ヒューマンエラーというと、「誰が原因で」を問題にする例もあるようですが、ヒューマンエラーをゼロにすることはできません。だからこそ、担当者個人に起きうるミスであれば、ミスを少なくすることだけでなく、仕組み(確認方法)でミスを見つけやすくする視点も必要になります。

理由があれば、記録を残さなくてよい?

ルールに記録を残すようになっているにもかかわらず、「忙しいから・・・。」とか「急に別の依頼を受けたので・・・。」など、何か理由があれば、記録として残さなくてよいと思いますか?

モノづくりの現場では、ルール通りの対応が難しい場合があります。

ここでは、2つのケースについて説明します。

緊急で処理するためルール通りの対応をしない

例えば、営業の受注確認において、

  • 受注は、文書(注文書)で受けること

というルールで受注処理をしているとします。

いつものお客様から営業担当者に、次の様な電話があったとします。

  • 急ぎで発注したいが、注文書発行担当が別件で、注文書をすぐに出せない。

この時、いつもの案件だからと言って、注文書を受けた場合と同じやり方を注文書なしで進めてはいけません。

具体的には次の様に対応します。

  • 電話でいただいた注文内容について、確認メールを送り、注文書の代用とする。
  • 注文書は、別途送って頂く。

ここまでしておくことで、m注文書なしで受注手続きを進めたことに対して、

  • 言葉はよくありませんが、社内的に言い訳できる。
  • 電話で注文案件で問題が起きた場合でも、受注内容については確認とりましたと言うことができます。

仮に、確認メールをせず電話での口頭だけであれば、結局言った言わないの水掛け論になってしまいます。

教えられた通りやらず自己流でやる

新しいことをする場合、教えられた手順通りにやらず、自己流でやる人がいます。

ミスをすると、自分用の手順書に注意点を加えているようですが、自己流をやめません。結果、ミスが繰り返されることになります。

職場での手順は、これまでの教え方や、ミスの対策などを含めて現在の手順となっています。

現在までの上手くいくやり方や、失敗しにくいやり方などの知識や経験は、個人の経験よりも圧倒的に多いものです。

ますは、素直に言われたとおりにやってみること(守破離の守の段階)が重要です。

  • 手順(やり方)があったら素直にその通りやってみる。
  • 改善すべきことやアイディアが浮かんだら、同僚や上長に話してみる。

仕事は1人でやっているのではありません。決められた作業のやり方を変えるのは、その作業をする全員ができるようになってからです。作業手順を変える前に、新しい手順で作業する人全員ができるようになることが重要です。

つまり、新しい手順に自己判断で変えてしまうのは、ルール違反です。

繰り返しますが、仕事は1人でやっているのではありません。チームや会社の中で様々な人が担当業務を確実に行わないと、品質を保証し、お客様の満足を実現することはできません。

たった1つの工程で、10点満点中9点の仕事をしてしまうと、残り1点をカバーすることはできないのです。

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まとめ

モノづくりメーカーの新メンバーとして仲間に加わると、新入社員研修を受けます。新入社員計画の内容や進め方は、それこそ会社により様々です。

新入社員研修というより、社会人として必要なこととして「記録を残すことの大切さと報連相」について、教えられ、練習することは、広く行われています。

ここでは、記録がなぜ重要なのか、たかが記録、されど記録、ミスを防ぎピンチの助けにもなる記録について以下の項目で説明しました。

  • 記録が重要な理由
  • 理由があれば、記録を残さなくてよい?
    • 緊急で処理するためルール通りの対応をしない
    • 教えられた通りやらず自己流でやる
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