製造に関するプロセスの妥当性とは、溶接、半田付け、めっきや塗装などのプロセスにおいて、溶接などのプロセスの結果が妥当であったかどうかを確認することです。
例えば、溶接の品質の妥当性を確認する、図面等で指定された溶接が適切に行われている(溶接部位の金属が溶け込んでいる)ことを確認する基準になります。
溶接の場合、モノによっては工業用レントゲンで溶接されているか確認する場合もありますが、通常の溶接であれば溶接の資格を持っている、サンプル品の溶接品を検査(カラーチェック、浸透探傷試験)で検査したりします。
以下、製品の識別とトレーサービリティ管理についてのルール(標準)の一例です。
妥当性確認は技術的にも難しいです。例えば溶接資格の有無は客観的な証拠(エビデンス)にはなりますが、溶接が上手いということとは必ずしも一致しません。
モノづくり全般に共通する話ですが、例えばSUSのスポット溶接は、素材や材料力学の知識も必要で奥が深いです。
1. 目的
本基準は、製造に関するプロセスの妥当性確認に係わる基準を明確にすることを目的とする。
2. 適用範囲
本基準は、当社工場における製造業務に適用する。
また、「外注・購買管理規定」で規定する委託加工にも適用する。
3. 製造に関するプロセスの妥当性確認
3.1 特殊工程
「製造業務規定」で定める以下の特殊工程について、妥当性確認を実施する。
- 半田付け工程
- 溶接
- めっき
- 塗装
3.2 プロセスレビュー及び承認のための明確な基準
当該プロセスが定められた方法及び手順、設備、要員により、所期の結果を出せるかを判定するプロセスレビューについて、その判定基準を下表に示す。
プロセスレビューは当該所管部署長が承認する。
また、このレビューの結果を記録し維持する。
表 製造に関するプロセスの妥当性確認(プロセスレビュー判定基準)
半田付け工程
項目 | 判定基準 |
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要員の適格性 |
要員は以下を満足するか (委託の場合、作業員名簿、資格の写しで確認)
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設備 |
設備は溶接の仕様を満足するか
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方法 |
方法は溶接の仕様を満足するか 以下を確認
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手順 |
手順は整備されているか
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作業結果の評価 |
半田付けの結果は仕様を満足するか 試作品について以下の検査で確認
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溶接
項目 | 判定基準 |
---|---|
要員の適格性 |
要員は以下を満足するか (委託の場合、作業員名簿、資格の写しで確認)
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設備 |
設備は溶接の仕様を満足するか
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方法 |
方法は溶接の仕様を満足するか 以下を確認
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手順 |
手順は整備されているか
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作業結果の評価 |
溶接の結果は仕様を満足するか 試作品について以下の検査で確認
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めっき(溶融亜鉛めっき)
項目 | 判定基準 |
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要員の適格性 |
要員は以下を満足するか 作業員名簿、資格の写しで確認
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設備 |
設備は溶接の仕様を満足するか
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方法 |
方法は溶接の仕様を満足するか 以下を確認
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手順 |
手順は整備されているか
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作業結果の評価 |
めっきの結果は仕様を満足するか 試作品について以下の検査で確認
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塗装
項目 | 判定基準 |
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要員の適格性 |
要員は以下を満足するか 作業員名簿、資格の写しで確認
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設備 |
設備は溶接の仕様を満足するか
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方法 |
方法は溶接の仕様を満足するか 以下を確認
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手順 |
手順は整備されているか
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作業結果の評価 |
塗装の結果は仕様を満足するか 試作品について以下の検査で確認
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3.3 妥当性の再確認
最初に確認されたプロセスの妥当性確認がその後も維持されていることを確認する。
妥当性の再確認は、設備が変更される場合、作業員が変わる場合、所定の方法及び手順が変更となる場合などに行う。
妥当性の再確認を行った際には、その結果を記録し維持する。
まとめ
製造に関するプロセスの妥当性とは、溶接、半田付け、めっきや塗装などのプロセスにおいて、溶接などのプロセスの結果が妥当であったかどうかを確認することです。
ここでは、製造に関するプロセスの妥当性確認についてのルール(標準)の一例について説明しました。