識別及びトレーサビリティ管理についてのルール(標準)

多品種少量生産が多い場合でも、繰り返し生産する場合にはロット管理が必要です。

トレーサビリティとは、出荷した製品について、材料、加工、組立、完成(検査)が、いつどこで行われたかを追跡できることですが、ロット管理ができていることが前提です。

ロット管理は、できているところ(会社)では当たり前のことですが、受注した数量を都度生産していてロット管理ができていない場合もあります。ロット管理を徹底するためには、まずはロット管理しやすい製品や部品から始めるのがよいと考えています。

ロット管理では識別とトレーサビリティが重要です。

以下、製品の識別とトレーサービリティ管理についてのルール(標準)の一例です。

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1. 目的

本標準は、製品の識別、及びトレーサビリティ管理に係わる基準を明確にすることを目的とする。

2. 適用範囲

本標準は、材料、部品、製品の受入、製造および引き渡しまでの製品の識別とトレーサビリティに適用する。

3. 製品の識別

製品の識別は、梱包表示で行う。

梱包表示には、品名、数量、製造ロット番号等を記載する。

また、加えて製品に直接識別を与える時は、刻印等容易に消えない方法で、製造ロット番号を表記する。

3.1 購入品の識別

(1)入荷時の識別

納品された材料、部品及び製品は、梱包表示により識別する。

(2)受入検査後の識別

受入検査後の識別は、検査結果を「検査記録書」に記載・表記する。

不合格品については、現品にスタンプ・札等で表示し、識別する。

不合格品は、「外注・購買管理規定」及び「不適合品処理規定」に従い処置する。

3.2 製造工程内での識別

製造工程内における識別は梱包表示または現品票にて行い、「日報」及び「工程内検査記録」に記録し管理する。

3.3 完成品の識別

製造工程が終了した製品は、品名、数量、製造ロット番号を記載した梱包表示、又は現品票等で識別する。

同時に検査前・後、合格・不合格をスタンプ・札等で識別し、「検査記録書」に記録管理する。

3.4 入庫品の識別

入庫品の識別は「棚札」または梱包表示による。

4. 出荷品の識別

出荷の際、「出荷案内書(控)」に実際に出荷する製品のロット番号を記録し保管する。

5. 製品のトレーサビリティ

顧客からのトレーサビリティの要求に対しては、受注した際の「受注番号」と出荷した際の「売上番号」から出荷履歴をたどり、以下のトレーサビリティを可能としている。

  • 製品の製品検査状況を「検査記録」によりたどることができる。
  • 工程状況、作業記録、設備管理状況をたどることができる。
  • 素材、部品の受入検査状況をたどることができる。
  • 同ロット番号の製品が他のどの顧客へ出荷されたかをたどることができる。

6. 製造ロット

製造ロットとは、製品の製造単位のことであり、連続して同一条件(同一の原料・機械・型など)で製造した製品の組をロットという。

6.1 ロットの定義

(1)一般的なロット

以下の条件について同一条件で製造された「製品」、「部品」、「半製品」の最小数量を「1ロット」とする。

  • 材料、素材
  • 加工設備、冶工具
  • 作業者
  • 加工方法、組立方法
  • 測定方法

(2)当社のロット

当社製品のロットは、「1日の生産を1ロット」を基本とする。

ただし、1日以上でも「6.1(1) 一般的なロット」の条件を満たす場合、または、1日の中で品質に大きな影響のある「6.1(1) 一般的なロット」の変更がある場合は、ロットサイズを変更することができる。

ロットを構成する場合には、その記録を残さなければならない。

ロットの例を下図に示す。

生産ロットの例

生産ロットの例

図 生産ロットの例

(3)上記以外のロット

上記以外のロットを下表に示す。

なお、下表に示すロットは、安定した同一生産工程で連続生産されたものであることを前提条件とする。

素材ロット
  • 素材の材料証明書毎の納入単位を1ロットとする。
  • 1発注単位に、複数の材料証明書がある場合は、それぞれ別のロットとして扱う。
製造(加工)ロット
  • 製造工程の中で、一連の流れ(同一数量)で生産される数量を1ロットとする。
  • 加工工程によっては、製造ロットが複数となる場合がある。
梱包ロット
  • 生産された製品を出荷可能な状態にする為、梱包作業の単位を1ロットとする。

6.2 製品に表示するロット番号

製品へのロット表示方法・場所については、「表示設計標準」による。

なお、顧客との取り決め、及び、仕様で識別表示等が決められている場合に、追加でロット表示をする場合は、顧客の承認を得た後、図面変更を行い実施する。

(1)ロット番号表示は、「年・月・日」を基本とする。

ロット番号の表示例を以下に示す。

例 製造年月日が「2021年2月1日」の場合

ロット番号ロット番号の意味
210201製造年(西暦下2桁)・製造月・製造日

(2)ロット番号表示の前後については、必要に応じて「生産場所(会社)表示」、「ライン番号」等を入れてもよい。

ただし、追加する「表示」体系については、明確に定め運用すること。

例1 ロット番号の後に追加した例

ロット番号ロット番号の意味
210301
  • 2021年3月1日製造
  • 末尾の「00」は、A工場の意味

 

例2 ロット番号の前に追加した例

ロット番号ロット番号の意味
A1210401
  • 2021年4月1日製造
  • 頭の「A1」は、製造A班ライン№1の意味

(3)製品へのロット番号表示の例外について

以下の場合、製品へのロット番号表示は、上記ロット番号表示に準じなくてもよい。

  • 製品自体の形状、材質、寸法(小さくて表示が困難)により、個々の製品に上記「年月日」を表示することが困難な場合、梱包単位(梱包箱、荷札、梱包袋)でロット表示する。
  • 図面により「年月等」指定されている場合

まとめ

ここでは、製品の識別とトレーサービリティ管理についてのルール(標準)の一例について説明しました。

はかせ

ISOについて学ぶきっかけは、知り合いの社長さんからISOについて相談されたことでした。
品質マネジメントを知るほどに、チーム運営やプロジェクトにも使える意外に良い仕組みであることを再認識しています。

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