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はじめての品質管理:検査で品質は上がらないのですか?

品質検査 品質管理入門

品質や品質管理(QC: Quality Control)、ISO9001なら品質マネジメントなど、普段何気なく使う言葉なのですが、「品質って何ですか?」、「品質管理について教えてください。」と聞かれると、答えにつまります。

品質や品質管理は、モノづくりだけでなく様々な業界や職種においても必要なことです。

ここでは、これから初めて品質や品質管理について学ぶ方を想定して、検査について説明します。

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検査と試験・計測との違い

お客様に喜ばれる(お客様が満足する)品質の製品やサービスを提供するためには、工程管理と検査が重要です。

  • 工程管理では、工程通り確実に実施しているかを確認します。
  • 検査では、製品やサービスそのものを事前に確認(チェック)し、不適切なモノ(不適合、不具合)を取り除き、お客様に提供することを防ぎます。

検査では、製品やサービスについて計測や試験を行い、製品やサービスが適切であるかどうか、規格などの条件を満たしているかどうかを判定します。

検査には判定という機能があり、これが単なる計測や試験と異なる点です。

検査とはどの様なものか列挙します。

  • 検査では、規格など定められた要求事項を満たしているものを適合品、満たしていないものを不適合品と呼びます。
  • 個々の製品やサービスではなく、複数個集まった一つのまとまり(製造ロット)に対して実施する検査もあります。
  • 検査基準(検査規格)を満たしていない場合、ロットアウト(検査対象の製造ロットのすべてが不合格)になります。
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3段階の検査と検査の仕方・種類

検査は一般的に次の3つの段階で行われます。

  • 原材料や一部加工品などを受け入れるときに行う受入検査・購入検査
  • 一連の工程の中で実施する工程内検査・中間検査、
  • 完成した製品について行う最終検査・出荷検査

それぞれの段階で、検査の内容も変わってきます。

検査の仕方で分類すると、次の様になります。

  • 対象全てを検査する全数検査
  • ロットからサンプルを抜き取ってロット全体の合否を判定する抜取検査
  • 自らは測定せず提出された資料だけで合否を判定する無試験検査(管理検査)

検査の種類も対象により次の様に様々です。

  • 長さ、重さ、性能、有効成分量など品質特性を計測機器を用いて計測する検査
  • 手触り、味覚、音、視覚など人間の五感によって計測し判定する官能検査
  • 計測により対象物の機能が失われてしまう破壊検査
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検査の基本機能と品質情報のフィードバック

検査の基本機能は、あくまで良否判定に基づく後工程への品質保証にありますが、良否判定の結果は、それ以前のプロセスの活動状況を表す代用特性ともなっています。

したがって、検査によって得られた品質情報を前工程にフィードバックしていくことで、プロセスの良し悪しを判定し改善につなげていくことも大切な活動です。

参考:検査で品質は良くならない理由と検査業務

検査の回数を増やしたり、検査対象数を増やしても製品の品質は上がりません。

品質が良くないということは、検査による不合格品が多い、つまり、製品の歩留まりが悪いということです。

このため、検査の頻度を増やしてもいわゆる不良品が市場やお客様に届くのを減らすことにはなりますが、肝心の製品品質は悪いままです。

このため、作り出す製品の品質を上げて、いわゆる不良品の数を減らし、不良品を作らないようにする活動なしには製品品質は上がらないのです。

多品種・少量・短納期を避けられず、ある程度の不良品を見込んだり、手直しを前提にモノづくりをしなければならない場合もあるようですが、本質的には「不良品を作らない」ことが重要です。

製品検査と検査業務については、以下の記事もご参照ください。

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まとめ

品質や品質管理(QC: Quality Control)、ISO9001なら品質マネジメントなど、普段何気なく使う言葉なのですが、「品質って何ですか?」、「品質管理について教えてください。」と聞かれると、答えにつまってしまいます。

これから初めて品質や品質管理について学ぶ方を想定して、検査について以下の項目で説明しました。

  • 検査と試験・計測との違い
  • 3段階の検査と検査の仕方・種類
  • 検査の基本機能と品質情報のフィードバック
  • 参考:検査で品質は良くならない理由と検査業務
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