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品質マニュアル2026:マネジメントレビュー実施規定

品質マニュアル2026と規定

マネジメントレビュー実施規定は、以下の理由からあった方がよいと考えています。

  • ISO9001:2015(JISQ9001:2015)版で実施してきたマネジメントレビューと、ISO9001:2026(JISQ9001:2026)版で実施するマネジメントレビューとの違いや関係性(つながり)を明確にするため。

また、新任の管理責任者がマネジメントレビューのインプット情報をまとめる助けになると考えています。

JISQ9001:2026版のマネジメントレビューを想定して、インプット情報の構成やまとめ方の1例を、マネジメントレビュー実施規定として作成しました。

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1 目的

本規定は、当社の品質マネジメントシステムにおけるマネジメントレビューについて定める。

2 適用範囲

当社のマネジメントレビューに適用する。

3 マネジメントレビューの概要

3.1 マネジメントレビューの種類

(1) マネジメントレビュー

マネジメントレビューは、社長による、年1回、年度末(毎年9月)に行う品質マネメントシステムのレビューをいう。

マネジメントレビューでは、現在の状況を把握し、評価するとともに、品質マネジメントシステムが、引き続き、適切、妥当かつ有効で、当社の戦略的な方向性と一致していることを確認する。

(2) 臨時マネジメントレビュー

臨時マネジメントレビューは、社長が必要と判断した場合に行うレビューをいう。

3.2 マネジメントレビューのインプット(マネジメントレビュー検討資料)

(1) インプットの提出

管理責任者は、は、毎年8月末迄の情報を使いマネジメントレビューのインプットを文書(マネジメントレビュー検討資料)にまとめ社長に提出する。

社長へのインプット提出期限は、当該期最終月の上旬(10日迄)とする。

(2) インプット内容

インプット(マネジメントレビュー検討資料)の項目は、「4.1.1 マネジメントレビュー検討資料」に示す。

3.3 マネジメントレビューのアウトプット(社長の指示)

(1) アウトプット内容

マネジメントレビューのアウトプットには、改善の機会、品質マネジメントシステムのあらゆる変更の必要性、及び資源の必要性についての決定及び処置を含める。

なお、アウトプットは毎年期末1か月前迄のインプットによる期末時点の指示であり、その後の環境変化などによる、指示の変更等を妨げるものではない。

(2) アウトプットの周知

社長は、期初、年頭訓示、及び各種会議体などを通じて、アウトプットの周知を図る。

4 インプットの作成

マネジメントレビューのインプットは、基本的に前回インプットと同様の項目とする。

項目や内容の大きな変更がある場合、その理由と前回インプットとの関連を説明する。

なお、本項のインプット内容は、すべて例示である。

4.1 インプットの構成

「マネジメントレビュー検討資料」は、本文と以下の添付資料からなる。

①課題検討表

②品質情報

③今期の内部監査報告書

④今期の外部審査(ISO審査)報告書

⑤内部監査と外部審査のフォローアップ

4.1.1 マネジメントレビュー検討資料

マネジメントレビューのインプットは、「品質マニュアル 9.3.2 マネジメントレビューのインプット」の項目を参考にして、「マネジメントレビュー検討資料」としてまとめる。

(1) マネジメントレビュー検討資料の項目

マネジメントレビュー検討資料の項目を、下表に示す。

1 前回までのマネジメントレビューの結果とった処置の状況

(1)継続的改善の機会

(2)品質マネジメントシステムのあらゆる変更の必要性

(3)資源の必要性に関する決定

2 品質マネジメントシステムに関連する外部及び内部の課題の変化

3 品質マネジメントシステムに密接に関連する利害関係者のニーズ及び期待の変化

4 次に示す傾向を含めた、品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性に関する情報

(1)不適合及び是正処置

(2)監視及び測定の結果

(3)監査結果

(4)顧客満足及び密接に関連する利害関係者からのフィードバック

(5)品質目標が満たされている程度

(6)プロセスのパフォーマンス、並びに製品及びサービスの適合

(7)外部提供者のパフォーマンス

5 改善の機会

6 資源の妥当性

7 リスクへの取組の有効性

8 機会への取組の有効性

(2) マネジメントレビュー検討資料の項目の補足説明

マネジメントレビュー検討資料の補足説明を下表に示す。

項目 補足説明
1(1) 改善の機会 品質目標の進捗状況など、前回のマネジメントレビューのアウトプット(社長指示事項)についてまとめる。
2 品質マネジメントシステムに関連する外部及び内部の課題の変化 「課題検討表」にまとめる。
5 改善の機会 ISO審査と内部監査のフォローアップを参考にする。

7 リスクへの取組の有効性

8 機会への取組の有効性

「課題検討表」を参考にする。

リスクと機会を表裏の関係ではなく、各々分けて検討する。

4.1.2 課題検討表

課題検討表は、組織の内部・外部の課題を列挙し、各々の課題に対しまとめる。

(1) 課題検討表の項目

  • 利害関係者
  • 利害関係者のニーズ
  • リスク
  • 機会(チャンス)
  • 目標
  • 目標達成のための計画、運用管理の計画
  • 監視測定項目
  • 分析・評価

(2) 組織の内部・外部の課題

組織の内部・外部の課題の例を下表に示す。

内部の課題 人的資源、販売力、調達(購買・在庫管理)、技術力、製造技術力
外部の課題 顧客の設備投資削減傾向、製品製造能力の低下、素材(金属、非金属など)価格、加工費、輸送費の上昇傾向

4.1.3 リスクへの取組

リスクへの取組の有効性を評価する情報をまとめる。

リスクに基づく考え方は、意図した結果を確実に達成するために及ぼす悪影響を抑える助け(ヒント)になる。

事業中断となり得るリスクを例に、品質マネジメントシステムにおけるリスクについて説明する。

  • 事業中断となり得るリスクには、自然災害、地政学リスク、パンデミック、サイバー攻撃などによる業務の中断及び中断後の適合した製品及びサービス提供に関連するリスクも含まれる。
  • リスクへの取組には、リスクを回避すること、ある機会を追求するためにそのリスクを取ること、リスク源を除去すること、起こりやすさ若しくは結果を変えること、リスクを共有すること、情報に基づいた意思決定によってリスクを保有することもある。

これらのリスク発生時には、社長は対応チームを組織し、ヒト(人員、物流)、モノ(材料、設備)、カネ(資金)、情報(収集、整理含む)、時間(即時、3か月程度の短期、3年程度の長期)などを判断項目として会社としての意思決定を行う。

重要な判断項目の例を以下に示す。

  • 自社製品の優先順位(地域、顧客、製品用途)
  • 一次的に生産や活動を停止、延期する業務
  • 通常(リスク発生前の)状態に戻すための判断基準や生産等再開時期

リスクへの対応は、社員、顧客、購買先の状況を把握しつつ、優先順位をつけて進める。

顧客とのコミュニケーションは、リスク発生前も重要である(QM 8.2.1参照)。

なお、リスクへの取組には、リスクを回避すること、ある機会を追求するためにそのリスクを取ること、リスク源を除去すること、起こりやすさ若しくは結果を変えること、リスクを共有すること、又は情報に基づいた意思決定によってリスクを保有することが含まれる。

4.1.4 機会(チャンス)への取組

機会(チャンス)への取組の有効性を評価する情報をまとめる。

機会に基づく考え方は、意図した成果に有益な効果をもたらす機会を明確にする助け(ヒント)になる。

社内外の状況を評価する次のような項目は、機会の特定の助けとなり、品質マネジメントシステムのパフォーマンス発揮と成果にプラスとなり得る。

  • 利害関係者のニーズや期待
  • 当社の能力(営業・設計・調達・製造)
  • 品質目標の進捗・結果

なお、機会への取組には、新たな慣行の採用、新製品又は新サービスの発売、新たなパートナーシップの構築、新興技術の活用、率先した取組の実施、並びに組織の顧客及びその他の密接に関連する利害関係者の現在の及び変化するニーズ及び期待へのその他の取組が含まれる。

4.1.5 品質情報

品質情報には、以下について含める。

  • 今期不具合(件数、原因、対応状況)
  • 受入検査状況
  • その他(顧客監査、内部監査とISO審査、規定等改訂)

4.1.6 今期の内部監査報告書

インプットの内部監査結果は、内部監査責任者が全部署の内部監査結果をまとめた「内部監査報告書(総括)」とする。

4.1.7 今期の外部審査(ISO審査)報告書

外部審査報告書を添付する。

4.1.8 内部監査と外部審査のフォローアップ

インプット作成時点での内部監査、及び、外部審査(ISO審査)のフォローアップ状況をまとめる。

4.2 インプット作成時の考慮事項

4.2.1 気候変動の考え方

地球温暖化などの気候変動により当社が受ける影響は間接的なものである。また、当社が気候変動に与える影響も間接的なものである。

密接に関連する利害関係者は、気候変動に関する要求事項をもつ可能性があることを考慮する。

これらの気候変動による影響は、組織の内部・外部の課題に含め検討し、「課題検討表」にまとめる。

4.2.2 リスクと機会(チャンス)の考え方

リスクと機会(チャンス)は、表裏の関係として扱わず、リスクと機会に分けて検討する。

リスクと機会(チャンス)の分析・評価は、マネジメントレビューで見直しを行い、対応策の有効性を確認する。

詳細は、「4.1.3 リスクへの取組」「4.1.4 機会(チャンス)への取組」参照。

5 アウトプットの作成

ISO管理責任者は、社長からのマネジメントレビューのアウトプット(社長の指示事項)を「マネジメントレビュー実施結果報告」として文書にまとめ、社長の承認を得る。

5.1 アウトプットの構成

マネジメントレビューのアウトプットの項目を下表に示す。

1 社長の評価結果

(1)改善の機会

(2)品質マネジメントシステムのあらゆる変更の必要性

(3)資源の必要性

2 指示事項

(1)改善の機会

(2)品質マネジメントシステムのあらゆる変更の必要性

(3)資源の必要性に関する決定及び処置

5.2 アウトプット作成時の考慮事項

アウトプット作成の際、前期マネジメントレビューとの継続性を意識する。

はかせ
はかせ

社内外の環境の変化が激しい今の時代においても、前年だけでなくできれば3年程度の変化や傾向をみたいものです。

マネジメントレビューだけでなく内部監査にも当てはまることですが、内部監査の場合には内部監査員の力量や監査対象部署による違いもありなかなか難しいです。

6 記録の管理

マネジメントレビューに関する記録は、「品質文書管理規定」により管理する。

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