このブログでは、20名規模のモノづくりメーカーを想定して作成した、「品質マニュアルと関連規定」やISOならではのマネジメントレビューの活用「実はやっているマネジメントレビュー」や内部監査の資料(内部監査ガイド、チェックリストの作り方)などISO9001を積極的に活用するための資料を公開しています。
ISO9001のQMS改善のヒントになればと思い、ISO9001:2015版品質マニュアルをISO9100:2016に対応させた品質マニュアルを作っていきます。
ISO9001の品質マニュアルの作り方については、以下をご参照ください。
Amazonへ:「わかりやすい品質マニュアルの作り方」
[ISO9100:2016版品質マニュアル]
9.パフォーマンス評価(結果の評価)
9.1 監視、測定、分析及び評価(業務の確認、分析と評価)
マネジメントレビューは、年1回としています。
9.1.1 一般(確認・分析・評価の方法)
社長は、マネジメントレビューにおいて次の事項を決定し、品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性を評価し、この結果を記録し保管する。
a)監視及び測定が必要な対象
b)妥当な結果を確実にするために必要な、監視、測定、分析及び評価の方法
c)監視及び測定の実施時期
d)監視及び測定結果の分析及び評価の時期
9.1.2 顧客満足(顧客の見解)
顧客のニーズ及び期待が満たされている程度について、顧客がどのように受け止めているかを監視する。
この情報の入手、監視及びレビュー(改善の検討)の方法を「営業業務規定」に定める。
顧客(お客様)とのやり取り(コミュニケーション)は、主として営業が窓口となり行うため「営業業務規程」に記載しています。
9.1.3 分析及び評価(分析と評価)
社長は、次の事項を評価するため、監視及び測定からマネジメントレビューのインプット情報として適切なデータ及び情報を収集し分析する。
a)製品及びサービスの適合(8.6参照)
b)顧客満足度(9.1.2参照)
c)品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性 d)計画が効果的に実施されたか否か。
e)リスク及び機会への取組みの有効性
f)外部提供者のパフォーマンス
g)品質マネジメントシステムの改善の必要性(8.6、9.1.2参照)
要求事項に対しては、マネジメントレビューに集約していますが、程度の差こそあれ、様々な部署、業務で実施することが望ましいです。
9.2 内部監査
9.2.1 内部監査の目的
品質マネジメントシステムの要求事項への適合、及び有効に維持されているか否かに関する情報を得るため、「内部監査規定」に従い、あらかじめ定めた間隔(年1回)で内部監査を実施する。
内部監査は年1回としています。
9.2.2 内部監査の実施
「内部監査規定」に従い、内部監査を計画、実施し、その文書化した情報を保持する。
9.3 マネジメントレビュー
9.3.1 一般(マネジメントレビューの実施)
社長は、品質マネジメントシステムが、引き続き、適切、妥当かつ有効で、当社の戦略的な方向性と一致していることを確認するため、あらかじめ定めた間隔で(年1回、年度末前に)、品質マネジメントシステムをレビューする。
社長が必要と認めた場合には、上記とは別に臨時のマネジメントレビューを行うことができる。
マネジメントレビューの実施間隔は具体的に明記します。
マネジメントレビューについては、目的に応じ適宜分割して1年間で網羅してもよいと考えています。
品質マネジメントを経営で活用するためには、マネジメントレビューは、品質保証部ではなく、経営企画等トップに近い部署が担当することが望ましいと考えています。
ISO9100では社内だけでなく協力会社等の社外との関係においても実施すべきことが増えるため、要求事項を満足すると共に継続についても配慮が必要だと考えています。
9.3.2 マネジメントレビューへのインプット(マネジメントレビューの資料)
マネジメントレビューは、次の事項を考慮して計画し、実施する。
a)前回までのマネジメントレビューの結果とった処置の状況
b)品質マネジメントシステムに関連する外部及び内部の課題の変化
c)次に示す傾向を含めた、品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性に関する情報
1)顧客満足及び密接に関連する利害関係者からのフィードバック
2)品質目標が満たされている程度
3)プロセスのパフォーマンス、並びに製品及びサービスの適合
4)不適合及び是正処置
5)監視及び測定の結果
6)監査結果
7)外部提供者のパフォーマンス
d)資源の妥当性
e)リスク及び機会への取組みの有効性(6.1 参照)
f)改善の機会
形式的になりがちなので、社内の状況(実情)に合わせて変更することを意識しておいた方がよいと考えています。
9.3.3 マネジメントレビューからのアウトプット(マネジメントレビューの指示事項)
社長は、マネジメントレビューのアウトプットに、改善の機会、品質マネジメントシステムのあらゆる変更の必要性、及び資源の必要性についての決定及び処置を含め記録し、保管する。
記録の保管は管理責任者もしくはISO事務局の場合が多いです。
ISO9100はISO9001よりも残す記録やデータが増えますので、保管の仕方にも工夫が必要だと考えています。
まとめ
ISO9001のQMS改善のヒントになればと思い、ISO9001:2015版品質マニュアルをISO9100:2016に対応させた品質マニュアルを作りはじめました。
ここでは、ISO9100:2016版対応の品質マニュアルの以下の項目についてまとめています。
ISO9100のパフォーマンス評価、マネジメントレビューと内部監査を上手に利用することにより、PDCAや継続的改善による顧客満足の向上を図れると考えています。
- 9.パフォーマンス評価(結果の評価)
- 9.1 監視、測定、分析及び評価(業務の確認、分析と評価)
- 9.1.1 一般(確認・分析・評価の方法)
- 9.1.2 顧客満足(顧客の見解)
- 9.1.3 分析及び評価(分析と評価)
- 9.2 内部監査
- 9.2.1 内部監査の目的
- 9.2.2 内部監査の実施
- 9.3 マネジメントレビュー
- 9.3.1 一般(マネジメントレビューの実施)
- 9.3.2 マネジメントレビューへのインプット(マネジメントレビューの資料)
- 9.3.3 マネジメントレビューからのアウトプット(マネジメントレビューの指示事項)
- 9.1 監視、測定、分析及び評価(業務の確認、分析と評価)