ISO9000シリーズの規格、要求事項には、ISO用語といってもよい専門用語が出てきます。
用語の意味についての規格も出ていますが、これまた分かりにくい。
- JISQ9001 品質マネジメントシステム-要求事項
- JISQ9000 品質マネジメントシステム-基本及び用語
用語については、内部監査はもちろんのこと、内部監査員教育でもなかなか悩ましい問題です。
正確性には目をつぶり、普段使う言葉を意識して(まだまだ分かりにくいとは思いますが)補足説明をしてみました。
正しい意味は規格の通りなので、以下の内容に疑問を持ったら、ISO規格をご確認ください。
JIS規格の検索方法については、以下をご参照ください。
ISO9000シリーズ等のJIS規格と「JIS検索」について
ISO9000シリーズ品質マネジメントシステム要求事項等とJIS規格を検索方法について説明します。「JISQ9004組織の持続的成功のための運営管理−品質マネジメントアプローチ」の「付属書A(参考)自己評価ツール」の自己採点はお勧めです。
ISO規格の日本語も分かりやすいとは言えないので、言葉の意味に悩んでいる場合には、英文になりますがJISではなくISO規格を読んだ方が分かりやすいと思います。
はかせ
日本語は難しいです。
品質マネジメントシステム(QMS)
- 品質マネジメントシステム(Quality Management System)
- 品質に関する仕組み
- 品質に関して会社を指揮し管理するためのマネジメントシステム
品質
- 要求事項を満たす程度
要求事項
- 法令・規制上の要求
- 顧客要求事項(仕様など)
- 明文化されていない要求(暗黙の了解)を含む
利害関係者
- 仕事に関係する人や会社など
- 協力先、外注先、購入先、物流会社など
適合品
- 要求事項を満たす製品
- 良品、検査に合格した製品
不適合品
- 要求事項を満たさない製品
- 不良品、不合格品、不具合品ともいう
顧客満足
- 顧客の期待が満たされている程度に関する顧客の受け止め方
文書化した情報
- 文書と記録のこと
- PDF、DVD等のメディアやシステムデータなど媒体を問わない。
- ISO9001:2015版では、文書は維持する、記録は保持すると使い分けされているが、どちらも管理するに同じ。
認識
- その本質、意義を理解し、自分の活動(仕事)に置き換えることができること
- 自分の責任(役割)を理解し、自らの行動が組織(当社、部署の)目標達成にどのように役立つか理解すること
はかせ
「認識させる」のは、社長はリーダーの役割です。
運用
- 仕事(会社、各部署の様々な業務)をする
- そのもののもつ機能を生かして用いること
- 実行する。活用する。
- 品質マニュアルに定めた手順に従い、プロセス(工程、業務)を進めること
リーダーシップ
- 社長を含むすべてのリーダーが、目的及び目指す方向を一致させ、メンバーが会社やチームの目標達成に積極的に取り組むよう支援(サポート)すること
- 会社やチームの目標達成のための各人の取り組み(活動)を支援すること
コミットメント
- 責任をもって関わること、それを明言すること
- 責任を伴う約束
プロセスアプローチ
- 1つ1つのプロセス(工程)を明確にし、各プロセス内で完結させ、一連の業務をスムーズに行うシステム全体を構築、運用する考え方
- システムは、各部門やチームのプロセス(営業、開発、調達等の工程。製造での前処理、加工、塗装、仕上げなどの工程。)からなり、各部署でさらに小さく分けられた業務(作業、工程)がプロセスの最小単位
リスク
- 目標達成の妨げや阻害要因になるもの
- マイナスの影響を与えるもの
機会
- チャンス
- リスクの反対の意味
パフォーマンス
- 測定可能な結果(定量的、定性的なものがある)、行動と成果
- 品質マネジメントシステム、プロセス、組織のパフォーマンス(実施状況)、成果を含む実施状況
- 製品のパフォーマンス(機能・性能)
レビュー
- 設定した目標を達成するために、実施した作業の適切性、妥当性、及び有効性を判定すること
- マネジメントレビュー
- 設計・開発のレビュー、DR(デザインレビュー)
- 顧客要求事項の妥当性確認
- 是正処置の対策の有効性評価
リリース
- 出荷
- 出荷許可
トレーサビリティ
- 対象の履歴、適用、又は所在を文書化した情報(電子媒体でもよい)により追跡できること
- 製品・材料・部品の源、処理の履歴、製品適用後の分布及び所在