内部監査員教育のためにハンドブックを作成しました。
2020年11月、複数のページに分かれていた内部監査ガイドを1つにまとめました。
ここでは、是正処置とフォローアップについて説明します。
内部監査ガイドは、教科書的な内容も含め以下の項目となっています。
是正処置内容の報告
被監査部署は、「是正処置報告書」に以下の事項を記入し、原則として発行日より4週間以内に監査責任者に報告します。
- 不適合を除去するための処置(修正)
- 特定した不適合の原因
- 不適合原因を除去するための処置(是正処置)
参考までに是正処置の定義を以下に引用します。注記が、ISO9000シリーズ(英語)とJIS版(日本語)との違いの一例です。
3.12.2 是正処置(corrective action)
不適合(3.6.9)の原因を除去し、再発を防止するための処置。
注記1
不適合には、複数の原因がある場合がある。
注記2
予防処置(3.12.1)は発生を未然に防止するためにとるのに対し、是正処置は再発を防止するためにとる。
注記3
この用語及び定義は、ISO/IEC 専門業務用指針-第1 部:統合版ISO 補足指針の附属書SLに示されたISO マネジメントシステム規格の共通用語及び中核となる定義の一つを成す。元の定義にない注記1 及び注記2 を追加した。
「JIS Q 9000-2015 品質マネジメントシステム-基本及び用語」より
是正処置の実施
被監査部署は、以下の是正活動を行います。
- 不適合発生の原因を究明する。(なぜなぜ分析などにより、真の原因を見つけることがポイントです。)
- 不適合の影響を小さくする処置(応急処置、暫定処置)を行う。
- 不適合発生原因を解決する再発防止策(是正処置)を行う。
監査担当者は、監査責任者と密に連絡を取り助言を仰ぎ、自分の判断で勝手に進めないことが大切です。
また、ISO導入当初や被監査部署長が責任者になって日が浅い場合などには、適宜フォローが必要です。
是正処置のフォローアップ
監査責任者は、不適合について、是正処置報告を受けてから原則として3ヶ月以内にフォローアップを実施し、是正処置の確認をします。
対策が完了していない場合には完了確認予定日を決定し、再フォローアップを実施します。是正処置については、次回内部監査時に再発していないか確認します。
- 是正処置が満足であれば、フォローアップ完了となります。
- 是正処置が不十分な場合は、是正処置のやり直しを依頼します。
- 是正報告で評価できない場合は、フォローアップ監査を行います。
フォローアップには、ある意味忍耐力が求められます。どこまで是正させる、フォローするかも悩ましい問題です。時には、積極的にあきらめることもありました。
是正処置の最終確認
管理責任者は、最終的な是正処置の内容を確認します。
是正処置の結果は、内部監査結果にまとめて社長に報告、マネジメントレビューのインプット情報の1つになります。
まとめ
ここでは、是正処置とフォローアップについて、説明しました。
- 是正処置内容の報告
- 是正処置の実施
- フォローアップ
- 是正処置の最終確認
「内部監査ガイド」はここで終わりますが、内部監査員教育に終わりはありません。
さらに内部監査を活用することや内部監査員教育のヒントになればと思い、内部監査ガイドと共に以下のページにまとめています。